最近、テロ事件などで防犯カメラが犯人逮捕に活躍している。先日のリゾートワールドの襲撃事件でも防犯カメラに犯人の行動の一部始終が捉えられていた。また、車の全面にアクションカメラあるいはドライブレコーダーを取り付けて、事故などが発生したときの状況把握に使うことが広まっている。6月10日の東名高速道の事故では反対車線から空中を舞って乗用車がバスに突っ込んでくるという強烈な映像が流れた。これらのカメラは中国製のものが数千ペソで手に入ると聞いておおいに興味を持っていた。しかしながら使い道がみつからず、無駄に5000ペソを使うのももったいないと思い、そのままになっていた。
たったの1000ペソということなので遊び心でアクションカメラを買ってみた
ところが先日、マカティスクエアの地下の雑貨店で、なんと1000ペソの車載カメラを見つけたのだ。店の人が使っているのを見ると、何とかいけそうで、捨て銭になってもいいと衝動買いをしてしまった。家に持って帰って、マニュアルを見るとなんと中国語で、皆目使い方がわからない。そして店に持って行って聞いてみると、その場では分かったような気になるが、いざ自分で使ってみるとさっぱりだ。そこでインターネットにアクセスしてみると、同じ悩みを持つ方が多いようで、懇切丁寧に説明してあった。機種は違ってもおおむね使い方は同じで、結局、使い方をマスターするまでに2週間かかってしまった。壊れかけた自分のカメラの代用使ってみようかと思ったが、バッテリーのキャパが小さくて、普通のカメラ代わりとは行かないようだ。そこで、本来の使い方である、車に取り付けてみたが、調子は上々だ。
車外の様子をビデオで取り続けるので思いがけない傑作写真が取れるのではないかと期待したが
そして、取り付けた、その日の内に相棒のジェーンから小言があった。先週から、この手のものをダッシュボードに取り付けることが条例で禁止になった。警官に捕まるから、取り外せというのだ。確かに、翌日のマニラ新聞に陸運事業認可調整委員会(LTFRB)という長ったらしい名前の政府機関が「ダッシュボードの小物などの設置を取り締まる」との記事が載っていた。まさに、このアクションカメラはたった一日の命だった。新聞によると、運転手の視界をさえぎるような小物、人形、携帯の車載スタンドなどが規制の対象となっている。車内での携帯の使用は、もちろん以前から禁止されているが、最近流行のカーナビなどの設置も不可で、ちょっと不便だ。
これに対して異論を唱えたのがカトリック司教協議会(CBCP)で、フィリピンではダッシュボードなどにキリスト像やマリア像を飾って信仰の対象としているので、それを阻害するものだといって反対した。そして、問題は、運転手の無知や不注意、粗暴な振る舞いが問題であると指摘した。しかし、こんなくだらない規制をするくらいならば、私が規制して欲しいと思うのは、オートバイや自転車のすり抜け、割り込み、はみ出し運転だ。最近は100mごとにヒヤッとさせられる。まさに暴虐無人の運転で、それをカメラに収めたいと思っているのに、それがあかんというのだが、つるんでいるのかと疑いたくなる。参考ブログ「路上バトルの新参者、オートバイと自転車 2017年5月10日」
私の友人が目の前を着陸寸前の飛行機の撮影の成功した
6月16日追記
6月15日の新聞によると、カトリック司教協議会(CBCP)の抗議に応えて、ダッシュボードの上、10cmの範囲(セーフゾーン)に車載スタンドやキリスト像などの小物を置くことなどはOKとなり、運転中の携帯の使用などを含めて(ただしイヤホンを使用する場合はOK)、違反者は初回、5千ペソ、最大で2万ペソの罰金が課され、7月第一週から施行すると発表した。私の主張するオートバイのすり抜け、割り込み、はみ出し運転については音沙汰はない。