今年もハロウィンの季節がやってきた。KIANは一週間も前からハロウィン、ハロウィンと楽しみにしていたが、幼稚園でのパーティではたくさんのお土産をもらって、喜んで帰ってきた。そして、今日、10月30日はコンドミニアムのパーティだ。コンドの敷地の一角に簡単な準備がされ、そこでお土産の配布やゲームをやっていた。子供達は(母親の)思い思いの衣装を着てやってきた。特に年齢制限はないが、11歳のアリヤはもう卒業とばかりに衣装を着けず、せいぜい小学校低学年までの子供達が参加していた。
アイアン・マンの衣装をつけてパーティに臨んだKIAN。少々、緊張気味だ。
ところで、ハロウィンとはなんなのか、ためしに、ビアンカやキムに聞いてみた。宗教的な行事なので、さぞかし詳しく解説してもらえると思ったが、意外とまともな答えが返ってこなかった。
そこで私がしたり顔で解説した。「そもそもAll Saint Day(万聖節)とは亡くなったすべての人が聖人となり、年に一回、家族とあうことができる日だ。そのため、生と死の世界の境界の扉が開かれる。そうする と、霊界の妖怪などが生の世界にやってくる。子供達がこれらの妖怪の格好をして家々を回り、キャンディなどをせしめて歩く」、それがハロウィンなのだ。
この説明に納得したのかしないのかわからないが、ふんふんと興味なさそうにうなずいていた。子供達が衣装をまとって、キャンディももらって楽しむ、それでいいではないかといった感じだった。
ハロウィンパーティではしゃいでいるのは子供達よりもお母さん方のようだ。
プレゼントを配ったり、ゲームを始めると、KIANの反応が今一だ。普段の活発さと裏腹にわけがわからずぼけっとしている感じだ。いわれるがままに写真に納まるだけだ。
しかし、キャンディをもらいに家々を回る段になってにわかにKIANらしさがよみがえった。どうもタガログ語が不自由なKIANには、係りの人の説明が理解できず、何をしたらよいのかわからなかったらしい。
家に帰った後、その話をママ・ジェーンにして、タガログ語の禁止を解除したらどうかとアドバイスした。そうしないと、家庭や学校の外で、周囲の話について行けなくなるし、すでに英語は身についているので、タガログ語を聞いたり話したりしても支障は出ることはあるまいと。しかし、フィリピン人の子供にフィリピン語(タガログ語)を話すことを許すなんて会話は、フィリピンだけでありうる会話だろう。