外国へのペット(犬、猫)の持ち込みは大変わずらわしい手続きを必要とし、渡航予定の3ヶ月前位から準備を開始する必要ある。手続きの詳細については下記の動物検疫所ホームページにアクセスする共に、最寄の空港検疫所並びに航空会社に連絡を取り十分手続き方法を把握して進めてほしい。
1. 輸出手続き
ペット(犬、猫)を日本からフィリピンへ持ち込む手順は概ね下記となる。
(1) 狂犬病予防注射を実施
(2) フィリピンから輸入許可証を取得
(3) フライト予約
(4) 日本の空港で輸出検疫を実施
(5) チェックイン
(6) フィリピンで輸入手続き
(7) 日本への再輸入
2. 狂犬病予防注射
フィリピンにペット(犬、猫)を持ち込む場合、日本には狂犬病がないため、狂犬病の予防注射の接種義務は免除されているが、フィリピンは狂犬病が蔓延しているため予防接種を受けずに渡航することはペットの命のリスクがある。予防接種は渡航前30日以上、180日以内に終了していなければならず、さらに後述する抗体検査を行なう場合、30日以上間隔をあけて2回の接種が必要なので、60日以上前に第1回目の接種が必要だ。一方、抗体検査の結果がでるのに2週間かかる。
また、日本の検疫所からは3種混合予防注射、蚤取り、虫下しなどの処方を要求されるので事前に獣医に相談して済ませておく必要がある。これらの処置は一回でOK。なお、後述するマイクロチップを装着する場合、これらの予防接種は装着後に行なう必要がある。
獣医には「狂犬病予防注射接種済証」および「抗体検査結果証明書」及び「3種混合などの接種証明書」を発行してもらうこと。これらは日本の検疫に提出するので日本語の証明書でOK。
3. 輸入許可証
フィリピンへの動物の輸入許可証をケソン市の動物産業局動物衛生課より取得する。本許可証の有効期限は2ヶ月なので、渡航日の60日前辺りに手配すること。必要な情報は、動物の種類、品種、性別、月齢、色、数、到着日時、など。申請手数料は100ペソです。輸入許可証の取得については下記にアクセスすればオンラインで入手できる。
URLは http://www.intercommerce.com.ph/ または InterCommerce Network Services – Home
4. フライト予約
航空会社にはペットを同行することを航空券の予約時に伝える。フィリピン航空の場合は48時間以上前となっているが、余裕を持って1週間くらい前に連絡したほうがいいだろう。予定したフライトに使用される航空機の機体によってはペットの持込ができない場合があるので、フライトを変更する必要も出てくることがある。
5. 輸出検疫
7日 前までに最寄りの空港検疫所に申請書を提出する。午後のフライトならば午前中、午前のフライトならば前日に検疫所にペットを持ち込んで検査を受ける。 「狂犬病予防注射接種済証」、「抗体検査結果証明書」、「輸入許可証」、「3種混合などの接種証明書」その他パスポート、チケットなどを持参し、「輸出検 疫証明書」を取得する。その際、ケージにつけるタグを受け取ることを忘れないように。
6. チェックイン
「輸出検疫証明書」ならびに「輸入許可証」などを提示して、チェックインする。超過手荷物扱いとされ2500円/kg程度の運賃の支払いが必要。
7. 輸入手続き
ペットの受け取り後、フィリピンの検疫にて「輸出検疫証明書」、「輸入許可証」を提示して検疫を受ける。検査料は250ペソ、輸入許可証代が100ペソを支払う。
8. 日本への再輸入
日本へペットを持ち帰る可能性のある場合は、マイクロチップの装着、狂犬病予防注射の接種2回、抗体検査などを日本で終了してからフィリピンへ連れて行くのが有利だ。そうでないと再輸入の際、最長で180日間の係留検査を受けることになりかねない。なお、日本への帰国に当たって40日前までに最寄りの動物検疫所に輸入予定等を連絡する必要がある。また輸入に当たってはフィリピンでの追加接種等の証明書、検疫証明書、さらには血清の日本での検査などが必要で、かなりの手間と大量の書類を要求されるので、日本の検疫に問い合わせてほしい。