11月1日は天国や地獄へ行った万人が聖人となり、現世に帰り、家族と再会できる万聖節だ。カトリックの国フィリピンでは日本のお盆と同様、ほとんどすべての人が田舎に帰り、家族らと墓参りをする。彼らの墓参りは、食べ物や飲み物を持参し、亡くなった家族と食事を共にして生前の思い出を語り合う。そして、その宴は朝まで続くこともある。
10月30日の午後、台風サンティのルソン島への上陸により夕方から強い風と雨が降り、雨の墓参りになることが危ぶまれた。しかし、翌10月31日から快晴に恵まれ11月1日は絶好の万聖節日和となった。
庭から花を切り取ってお墓に飾る花をバナナの幹に生けた。家の前にはその家族の亡くなった人の数だけローソクを立てるのが慣わしだ。
タバコ市のメインストリートは通行禁止となり、人の群れが続き、両側には屋台が並び、ローソクや食べ物を売る。
お葬式には賭博は付き物で、大目に見られているが、この日も簡単な賭博が開かれ、子供たちがコインを賭けていた。
墓場の中に入ってもローソクや食べ物を売る屋台が続く。どこの国でもなかなか商魂がたくましい。
墓場の中央の通りはラッシュアワーのように込み合っている。もちろん一方通行だが、人の群れは夜半まで続く。
墓参りをする家族たち。ちなみにフィリピンでは土葬だが、コンクリートの棺を地上に並べ積み上げていく。この辺の墓は一般庶民の墓だ。
墓の上にも大勢の人が乗っかって時を過ごす。コンクリートの棺を買えない貧しい人たちは土葬をする。
貧富の差はお墓を見れば一目瞭然、、これらの墓は比較的富裕な家族のものだ。
中国人墓地は道路を挟んだ別のところにあるが、今回、撮影はご法度。したがって去年の万聖節に撮った写真を紹介する。まさに、その富を誇るかのように、お墓というよりまるで聖堂というのがふさわしい。