新車が家にやってきた 2015年7月18日


子供のころ、車(初代トヨタ・コロナ)を父が購入し、家に新車がやってくる日、家の前の道路で心待ちにしていた。やがて、向こうの角から新車が曲がってくるのが見え、一同歓声をあげて新しい家族の一員を迎えたことを、今でも鮮明に覚えている。

KIANも新しい車がやってくるということは十分認識しており、当日は、親子でトヨタの販売店に車を引き取りに行った。うわさは耳にしていたものの、ある日、突然、7月中にトヨタFJクルーザーがデリバーされるとジェーンから聞かされた時はびっくりした。お金の相談は、全く無かったので、彼ら夫婦の勝手だが、どこからそんな金をやりくりしたのか見当が付かない。

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車両価格は180万ペソ、優に500万円を超えるので、頭金だけでも100万~150万円はかかっただろう。それに月賦が4~5年間、4~5万ペソをはらい続けなければならない。給与レベルが日本の10分の一といわれるフィリピンでは、まさに家を買うほどの覚悟が必要なのだが、かれらの車に対する執着は並大抵ではない。

頭金の資金調達のためか、翌日、カーネルの友人が訪ねてきて、三菱のモンテーロを引き取っていった。5年乗って、73万ペソで売ったそうだが、新車価格は120万ペソくらいだったと思うので、いい値段だ売れた。翌日、彼らの部屋には無造作に73万ペソの現金が袋に入れておいたあった。

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最近、ビザを取りに来る退職者が、はじめてフィリピンを訪問したが、街を走っている車が、きれいで高級なのでびっくりしたと感想をもらいしていた。まるで、どこか、アフリカか中南米の国のようにポンコツ車が排煙を上げて闊歩しているのではないかと思っていたが、BMW、ベンツ、ポルシェ、レクサスなどの高級車がそこかしこにあり、日本よりはるかに高級車が多いと。フィリピンと言えば、スコーター(スラム街)とスモーキーマウンテン、それに睡眠薬強盗と保険金殺人くらいのニュースしかないから、そう思っても無理はないかもしれない。

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ちなみにFJクルーザーとは、4輪駆動でエンジンはガソリン4リッター、5速オートマティック、ミリタリー調の本格的SUVで、フィリピンで今、一番人気といえる、急増中の車だ。4ドアだが後ろのドアは外に取っ手はなく、中から開く観音ドアーというユニークなものだ。前のドアが開いていないと開くことができず、後ろのドアが真ん中のポストの役割を果たしており、意外とゆったり乗降ができる。

ちなみに街を走っている車は、三菱モンテーロ、トヨタフォーチュナー、ホンダCRV、それに欧米メーカー(BMW、ボルボ、フォード、クライスラーなど)や韓国(現代や起亜)のSUVないしFamily Carと呼ばれる3列シートの車が、半数を占めていると言っても過言ではない。道路冠水が頻発し、大家族のフィリピン人にとっては、これが重宝なのだ。

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カーネルは職業柄か、ミリタリー調の車が好きで、できれば、ハマー、Jeep、ランドローバーあるいはランドクルーザーなどを欲しかったらしい。しかし、これらは一千万円を優に越え、さすがに逆立ちしても手がとどかない。そこで妥協したのがトヨタのFJクルーザーだったようだ。

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KIANにとっては、派手な黄色のボディカラーが気に入ったらしい。子供達のアイドル、トランスフォーマーのバンブルビィーをイメージさせるからだとジェーンが説明する。翌日、KIANは、幼稚園にFJクルーザーで通園し、先生や園児に「My New Car」と得意になってお披露目したそうだ。私としては、日本からの退職者を乗せるにはちょっと気が引けるところだが。

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