また一つマニラ名物の灯が消えた(その5)2011年6月23日


622日、1週間ぶりにぶらっとミス・ユニバーサル(MU)を覗きに行った。先週、たまには別の店ということで、退職者の案内でエイシア・エンターテ イメントとかいうロハス・ボリバード沿い、バクララン・チャーチの近くの店に行った。我々二人、女の子を一人ずつ指名して、1時間ほどいただけで4600 ペソも取られてびっくりした。その後、口直しにMUを覗いたが、同じ条件で1350ペソと3分の一にも満たない料金で、再びMUを見直したばっかりだっ た。CIMG4714s-2

ところでこの日、間違いなくハリソン・ロードを走っているはずなのに、いつまでたっても、あの赤いMUの看板が見えてこず、一瞬パニックに陥った。多少 酔っていたせいもあるが、良く知っているところを走っているはずなのに、あるべきものがなくて、自分がどこにいるのか分からなくなってしまったのだ。

  目をこらして探し、それがあるべき場所についてみると、1月1日の新年以外は一年中消えることがなかったおなじみのネオンが寂しげに消えていたのだ。さら に近くに寄ってみると、「未成年者(18歳未満)雇用の違反により、永久に閉鎖を命じる」という看板が正面玄関に掲げられていた。退職してフィリピンに 渡って以来、10年近く私を慰め続けてくれたこの店のなきがらに、期せずして対面することになってしまったのだCIMG4295s-2

これは一大事と、先日知り合ったばっかりのこの店の女の子に電話をして聞いてみた。彼女によると、昨日、すなわち6月21日がMUの命日だそうだ。彼女 いわく「明日から別の店で働くから遊びに来てね」とMUの閉鎖など全く意に介さない様子で、相変わらずたくましかった。CIMG4297s-2

 

 2ヶ月ほど前に、私のなじみのマネージャーがMUからいなくなっていた。その後、この子をテーブルにリクエストして色々聞いてみると、「未成年者の雇用 ということで手入れがあり、何人かの子が姿を消し、ほとんどのフロアーマネージャーが逮捕されてしまった」のだそうだ。そのうちの何人かの子の名前を聞い てみると、いずれもこの店の看板娘で、まさかあの子達が17歳以下とはとても信じられない思いだった。しかし、オール・ザ・ウエイ(全裸)のショーは相変 わらずやっているし、店自体はは生き残ったものと思っていたが、今回、この突然の閉鎖命令となっしまったようだ。

 

今思えば、1990年代はマイナー(未成年者)もくそもなかった。この手の店には下は14歳から18歳くらいまでの子が中心で、20過ぎたら年増だっ た。2000年代に入って、世界的にマイナーの売春ないし買春、あるいはこの手の店で働くことが厳しく制限されるようになった。だから、年齢を聞くと誰も が18歳と答え、中には、久しぶりに店で会って年を聞いたら19歳と答え、5年目にしてやっと一歳年を取った子もいたくらいだった。

 

 現在は、たとえ同意の上とはいえ、17歳以下の女の子と関係を結んだだけで罪に問われるという、いささか危険な世の中になっている。これを逆手にとっ て、巷で知り合って、ホテルに連れ込んでみたら、即座に警官と名乗る連中が踏み込んで来て、マイナーと関係を結ぼうとしたということで、数十万円の示談金 を請求されるという事件が頻発している。我々外国人がターゲットになっているので、くれぐれも注意が必要だ。相手がマイナーとなると言い訳が聞かないので 始末が悪い。CIMG4279s-2

 

 最近話題となっている人口抑制法においても、避妊用ピルの解禁がハイスクールの生徒などマイナーの女の子にセックスを奨励することになりかねないと反対 の声が大きい。敬虔なクリスチャンのフィリピンとしては少女達にアメリカや日本のセックス先進国の轍を踏ませないようにと必死なのだ。しかし、マイナーと 知りつつ、涙ながらに娘達をこんな店で働かせている家族にとっては、家族存亡の危機であることも間違いない。弟や妹達が腹をすかせて泣いているのを誰が 救ってくれるのだろうか。

 

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