今週末と聞いていたが、少し早まって25日の夜半、ジェーン待望の第2子、クッキーが誕生した。赤ちゃんは自分だけで十分と主張していたキアンも、6歳になって妹の誕生を心待ちにしていた。ここのところ、毎日にように病院に診察に行っていたジェーンが、明日の朝、26日、帝王切開の手術をすることになったと、夜になって弟のボボイにつき添われて病院に向かった。そうしたら、即刻手術となり、無事に出産した。すでに、生まれる準備が始まっていたようだが、陣痛の話はなかった。
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26日、早朝、10時間、バスに乗ってイザベラからカーネルが駆けつけ、病院に向かい、そのまま、29日の退院まで病院に寝泊りした。イザベル州の警察のトップとして赴任していながら、一週間も重責を放り投げるという本人の覚悟と周囲の理解にフィリピン人亭主の家族への忠誠心を見る思いがした。
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28日になって、やっと面会を許されて行ってみると、ジェーン本人は元気だが、赤ちゃんは一室に収容されていて、雑菌の侵入を警戒してか、面会を許されず、なんのために出かけていったのか、少々、首をかしげた。お見舞いというよりも、キアンの歯の治療のアポがあったので、その付き添いに駆り出された公算が大きい。
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病院はVRPメディカルセンターという中規模の私立病院だが、清潔で個室部屋も広くて居心地がよさそうだ。料金もなかなかのもので、普通分娩でも10万ペソ、帝王切開の場合は、20万ペソ程度、とられるらしい。ジェーンはキャンプ・クラミの国家警察の病院なら只だから、そこでお産すると言っていたが、帝王切開の手術が予定されているため、カーネルが不潔だと言って許さなかったらしい。普通庶民は市民病院でお産するが、その場合無料だが、翌日には退院しなければいけない。今回のお産でもジェーンは4日目に退院したが、多分、入院費が嵩むのを危惧したのだろう。カーネルが退院前日ぎりぎりになって、入院費をなんとか用立てることができたらしい。ちなみに、フィリピンの病院では入院治療費を払ってからでないと退院させてもらえないから、入院が長引くたびに入院費がかさんで、利子がつくようなものなので金策に必死とならざるをえないのだ。
小ぎれいな入り口の病院
無事に出産を終え、安堵の笑顔が見える
2本の虫歯を治療するキアン。あのキーンと言う歯をけずる音にも平気で耐えていた
新しい命に会うというのはなんとなくそわそわするが、29日、昼過ぎ、いよいよ対面のときが来た。このときの驚きは、キアンの赤ちゃんに対する対応で、優しく頬をなでていたわり、母親に手を貸して気遣ったり、もはや赤ちゃんを卒業したクヤ(お兄さん)であることを見せ付けていた、ことだ。
妹のクッキーを優しくなでるキアンは、間違いなくクヤ(お兄さん)の面目だ
家族5人になってカーネルの責任もますます重い
帝王切開4日目にしてジェーンはすでに歩いていた
クヤ・キアンも妹との面会を喜んでいる
体重は3kg弱で、4kgを越えて病院のレコードを塗り替えたキアンに比べて随分と小さめでやせぎすな感じだ。
キアンのお古の大きなベビーベッドで熟睡するクッキー