ゴーゴークラブといえば夜のマニラの顔といえるくらい、いかにもマニラらしい光景だ。かつてはマニラの下町、エルミタのデルピラール通りにひしめいていたが、1990年 代初頭、当時のマニラ市長リムが(先の選挙で上院議員から再びマニラ市長に返り咲いたが)がすべての店を閉鎖してしまった。現在はマカティ市マカ ティアベニューから右に入ったブルゴス通り、そしてエドサ通りがマニラ湾沿いのロハスボリバード通りにぶつかる手前、エドサ ・インターナショナル・ エンターテイメント・ コンプレックス(通称エドコン)に集中している。それからマニラの北、高速道路を2時間くらい行ったアンヘレス市(Angels City)のフィールドアベニューはその規模は圧倒される。
ゴーゴークラブ街のブルゴス通りの左側
同じくブルゴス通りの右側
ゴーゴークラブのステージではツーピースで曲に合わせてだるそうに体を動かしている(アンヘレスにて)
ゴーゴークラブは数十のテーブル席の前に舞台があり、10人程度のビキニ姿の踊り子が気のない踊りをしている。しばらくすると交代して新しいグループが出てきる。そして気にいった子がいたら席に呼んでドリンクをおごる。自分で飲んでいる分にはビール一杯100ペソ程度で安いのだが、レディズドリンクはなぜか200~300ペソと値段が跳ね上がる。もともと、連れ出し専門のところだから、気に入った子がいないと、一杯で切り上げて次へ店へと駒を進める。だからゴーゴークラブは固まってあるのだろうか。連れ出し料はバーファインといって店に払う分と女の子に直接払う分を合わせて3000~4000ペソ程度。店に全部払うシステムのところもあるようだ。事前に女の子にいくら払えばよいかママさんに確認しておいたほうがよい。
マカティ市制記念日にはゴーゴーガールが通りへ繰り出して営業中
そ もそもゴーゴークラブは欧米人の観光客を当てにしたもので、支払いに厳格な欧米人に合わせて、一杯飲むつどに請求書にサインしておいていく。その合計 しか要求されないから、いたって明朗会計だ。しかし、店によっては女の子が寄ってたかってレディズドリンクをせがみ、いいよ、いいよと鼻の下を長くし ているとあっという間に数千ペソになってしまう。そもそも女の子に飲ましたところで何にもならないから、女の子は眺めるだけにして、自分だけ飲んでい ると大変安くつく。
マカティ市制記念日はブルゴス通りを閉鎖して街中がゴーゴークラブに早代わり
ゴーゴークラブが立ち並ぶブルゴス・ストリートは夜になると欧米人で一杯だ。そこはもはや西洋の街角で、おかまもたくさんいる。きれいだと思って振り返ると、ダミ声で“お兄さ~ん”などと呼ばれ、はっとすることが多々ある。ブルゴスはせいぜい200メートルぐらいの狭い地域に20軒ほどのクラブが固まって営業しているので、はしごをしても知れている。しかし、全部回ってもこれという美人にめぐり合うのはなかなか難しいだろう。どういうわけか西洋人は我々日本人にはちょっと理解しがたい女性の好みを持っている。
ブルゴス通りのあちこちに街娼が立つ(ほとんどがオカマ)
出勤中のゴーゴーガール
一方、エドコンは日本でも名が売れているようで、日本人客がたくさんいる。特にカジノのあるヘリテージホテルから近いこともあり、カジノで稼いでエドコンで遊ぼうともくろむ日本人観光客が多いのだろう。一つのビルにゴーゴークラブが8軒ほど入っており、中央の広場からすべての店が見渡せるところがいかにもマニラらしく、独特な雰囲気をかもし出している。その周囲にはカラオケもあり、駆け足でマニラの夜を楽しみたい観光客にはうってつけのようだ。
エドコンの外観
かつて、1990年 代前半にプシーキャットというゴーゴークラブがエルミタのデルピラール通りにあった。いつも日本人客で一杯で、日本人好みの女の子をそろえていたが、時にはなかなかかわいい子もいて、競争でテーブルに呼ぶというようなこともあった。リム市長が強制的に閉店させた後、パサイ市のブエンディアとロ ハスボリバードとの交差点辺りに移り、営業を続けていたが、それも2000年あたりに閉店し、姿を消してしまった。プシーキャットファンも多かったことと思う。
アンヘレスのゴーゴークラブ街フィールドストリートには100軒を超えるゴーゴークラブが通りにひしめいている
レディーズドリンク150ペソ、バーファイン1300~1350ペソと格安で遊べるのがアンへレスだ