10月15~17日、フィリピンで日本人の介護を計画している日本人医師の依頼で、フィリピンの病院、介護学校、日系の介護施設あるいは退職者施設 (ローズプ・リンセス、アモーレの里、ポコ・ア・ポコ、トロピカル・パラダイス、フレンドシップ・クラブ)などを訪問した。その中で特質すべきだったのが、スービックに最近開業したジョージ・デュイー病院だ。
スービック経済特区(SBMA)は、スービック湾を囲んで埋め立てられた低地に市街地と工業団地、港湾施設、空港などがあり、後背の山地に住宅やゴルフ場、病院などのレジャー居住施設がある。森林の間を縫って、車で10分くらい進むと、広大な敷地にジョージ・デュイー病院が姿を現す。同行した医師が生まれて始めて見たという平屋の大病院だ。前面の庭園は広大で周囲の緑がまぶしい。スービックは太古の原始林が保存されていることでも有名だが、ここではフィリピン中を覆っている椰子の木をほとんど見かけることがない。そろそろ閉館の時間で丁度看護士などが帰宅するところで、カメラを向けると笑顔を返してくれた。
この病院は新築ではないが、2009年8月14日に開業したばかりだ。前の病院はアメリカ人の経営だったが、アメリカ人の医療保険を不正に水増しして請求したため、FBIの捜査が入り、廃業を余儀なくされた。それを買い取ってはじめたのが、この病院だ。
従来からスービックはすべてのインフラが整ったフィリピンの外国を標榜していたが、先ごろ前の病院が閉鎖されてしまったため、隣接するオロンガポ市の病院で受診しなければならないのがネックとなっていた。しかし、この病院の開業、そしてさらに2件の近代的病院が建設中で、これでス-ビックのインフラは完璧となり、外国人も安心して居住できるだろう。
開業したての病院であるためか、看護士等の職員が若く、しかも、とても可愛くて愛想が良い。病院の施設、設備、診療科などについても、同行した医師は満点と評価していた。
診察室、ラボ、緊急治療室、入院室など回ったが、清潔でとてもゆったりしてる。こんなところで治療を受けたら病気もすぐに直ってしまいそうだが、退院するのが名残惜しくなるかもしれない。でも決して安くはないので長居するわけにもいかないだろうが。
なお、フィリピンでの治療は日本の健康保険を使うことも可能で、一旦治療費を先払いして、必要な書類を用意して日本の最寄の市役所等で求償すれば、日本の基準に則って払い戻しされる。そうなると、フィリピン治療・療養ステイ(メディカルツーリズム)というようなことも充分成り立つわけだ。スービックで開業している日系のポコ・ア・ポコやトロピカル・バラダイス等の退職者施設にとっても強力なバックアップとなるだろう。