今日は、色々回らないで、一箇所を集中的に見たいというので、チャイナタウン周辺を攻めるることにした。この方は70歳を越えるが、フィリピンの下町を歩いていると、昔、同じところにいたことがあるという錯覚(デジャブ)を覚えることが頻繁にあるという。なにか、ここで、戦後の日本を感じるのだという。
トンド
トンド地区に入ると周囲のスコーターを見て、一分ごとに「すごい、すごい」を繰り返し、ここの住民の壮絶な暮らしぶりに、ため息を漏らしていた。こんなところで火事が起きたらひとたまりもないだろうと話をしていたら、この日、まさにスコーターで火事が発生し、数百人の人が焼きだされてしまった。
キアポ
庶民の信仰を集めるキアポ教会の門前町に並ぶ無数の屋台、衣料品、靴、雑貨、生鮮野菜、それに怪しげな薬草、ここは、マニラで一番物価が安いと有名で、各種野菜も一皿10ペソ前後で売っている庶民の町だ。ここでも、数回デジャブを経験したそうだ。この界隈興味深いものだろう。
キンタマーケット
1980年代に流行った「キンタの大冒険」を地で行くような「キンタマーケット(金玉蹴った)」という名前のウエットマーケットを訪問。魚は丸のまま、肉はカギでつるして売るという、昔ながらの売り方をしている。パックした肉や魚になれた日本人には異様な雰囲気だが、フィリピンでこれが普通の売り方なのだ。
チャイナタウン
この日はチャイニーズニューイヤー、オンピン通りは人で埋まっていた。この日の目玉は、獅子と竜の踊りだ。通りの角には爆竹を並べ、威勢の良い音に合わせて獅子と竜が舞う。しかし、問題は、こんなときでも交通規制をしないので、人でいっぱいの本通りに車が入ってくることだ。こんなところに入り込んだら出ようがないと思うのだがなんとも理解しがたい。
さらに川岸の屋台で、格安の中華料理を堪能しようと思ったが、さすが正月、たくさんの人で席がない。そこで、すぐそばの普通の中華料理屋に入ったが、種類も少なくて、値段も高いので、誰も入っていない。そこで、食べていると、見覚えのあるフィリピン人を見かけた。そうしたら、向うから「Mr. Shiga?」と声をかけてきた。20年以上前、私が駐在員として運営をしていた会社のエンジニアーだったが、まだ、その会社に勤めているという。社員数は、1000人を超え、契約社員が600人、合計1600人の社員を抱える大会社に育っているそうだ。
この後、同行した息子さんの希望で、ゴーゴークラブやナイトクラブに足を運んだが、こんなご機嫌なお父さんを見るのは久しぶりとのことだそうで、案内の甲斐があったというものだ。