トランプゲームは防疫隔離措置克服の切り札となるのか 2020年8月16日


いよいよ防疫隔離措置の規制(現状MECQ)の期限(18日)が近づいて、果たして緩和されるのか(GCQへ)、さらに強化されるのか(ECQへ)世間は興味しんしんだ。医療関係者は、新規感染者が6000人を超え、高止まりしている現状から規制強化を訴え、経済界は、このままではコロナに感染する心配よりも、5ヶ月に及ぶ隔離措置により、経済が破綻して職を失い生きる術を失う者が膨大となり、果ては国家経済の破綻を招くことになると、規制緩和を主張している。

確かに5ヶ月もの間、収入の道を絶たれ、これがいつまで続くのかと思うと、感染は自己責任として扱って、いい加減に行政は口を挟んで欲しくないという気持ちがわいてくる。国に支援する金が無いとなれば、貧しい人々が他人の富みを奪ってまでも生き延びようとするのは当然の成り行きで、それを防止するための警察そして軍隊の出動で内乱状態になったとしてもおかしくない。それならいっそ、隔離措置をやめてしまったほうが、はるかに得策だというわけだ。何しろ5ヶ月はあまりにも長すぎる。

外出といえば、家の前の通りだけ。最近はほとんど毎日雨だが、今日は皆で久しぶりの外出を楽しんでいる。

一方、最近、フィリピン人の外国人配偶者の入国に当たって、事前に入国ビザが必要である旨の通知が発表された。従来は、フィリピン人の配偶者であればビザ無しで入国を許されたものが、事前にビザを取得せよ、ということだ。参照 入管Press Release(8.08)。しかし、そこには「Appropriate Visa-適切なビザ」となっていて、具体的な記述がない。今まで、Permanent Visa とかLong Term Visaとか表現が使われて、果たしてSRRVは含まれるのかといつも議論が沸騰したが、今回もSRRVが含まれるのか不明で、PRAに聞いて見ても返事をもらえない。

さらに入管の内部資料を入手してみると(外部秘となっているために添付できませんのでご了解願います)、SRRVは認められるものの、今度は「Foreign nationals exempted under FSC No.360‐2020 must have valid visa prior to be allowed entry to the Country」すなわちFSC No. 360で除外されている外国人となっており、具体的にフィリピン人の外国人配偶者のことを指しているのかどうか、定かではない。これを早とちりして、「SRRVを保有するすべての外国人は入国が許される」という未確認情報が流布されて、退職者が惑わされることになるであろうことは容易に想像できる。これについては、14日にようやく入管からPress Release(8.14)が発行され、はれてSRRVは外国人配偶者の入国ビザとして認知された。実際、15日には、これらの条件に該当する日本人退職者が入国することができた。一方、フィリピン人の配偶者でない限りSRRVを保有していても従来どおり入国不可であることも残念ながら明記されている。

保育所と化したわが部屋は幼児とヤヤのたまり場だ。中央がジェーンの叔母さんのマミーソン。

3月15日から始まった隔離措置も6ヶ月目を向かえた。8月24日とされていた学校再開も10月5日に延期された。この間、外出が全く許されない子供達のストレスも大分溜まってきているはずで、キアンとクッキーの喧嘩が絶えない。持ち前のきかん坊で天邪鬼の性格で周囲に当り散らすクッキーに対して一番の被害を受けるキアンは、クッキーはクレージーで大きらいだと明言する。一方、同世代との交流を立たれているクッキーは、唯一の遊び相手であるキアンになにかとちょっかいを出していやがらせや暴力を振るう。本人は遊びのつもりなのだろうがキアンにとってはうっとうしくてたまらない。

中国人の子供のような髪型を結ってもらい、服も中国風で中国人になりきっているクッキー。もっとも両親は共に中国人のハーフだから、人種的には正真正銘の中国人ではあるのだが。

家族全員が家に閉じこもっているので、いつのまにか私の部屋は保育所になって、キアンはもとより、クッキーやココ(ヤヤ付)達のたまり場になっている。エアコン、テレビ付、それにうるさがた(ママ・ジェーン)がいないので居心地がいいのだろう。キアンもここでは本音が出て、大きらいなクッキーを邪険にして、クッキーがかわいそうになる時もあるくらいだ。7つ年上の兄貴なんてそんなものだと思っていたが、そんなおり、ママ・ジェーンの爆弾が落ちた。ママ・ジェーンがダイニングでキアンにおやつをクッキーに分けるように指示したら、キアンはいやそうな態度で、クッキーを邪険に扱ったらしい。その瞬間、ジェーンに火がついた。妹に対して、そんな態度をとることは許せんと、例の強烈な罵声をキアンに浴びせ、たまらずキアンは私の部屋に泣きっ面で駆け込んできた。

ココのヤヤであるマミーソンがクッキーに割り当てられた手製アイスクリーム4本のうち一本をごまかしてキアンにあげてしまった。それを目ざとく見つけて大騒ぎになってしまった。そろそろ一桁の数字やABCの区別がつくようになって、幼稚園に通うべき年頃(3歳と10ヶ月)になっているクッキーは、おしゃべりもユーチューブのせいか、アメリカ式発音で立派なものなのだ。

事情をきいても、むせてしまってろくに話をきけないが、あらかた想像はついた。階下では溜飲が下がらないママ・ジェーンがキアンに降りて来いと声を張り上げている。そこへ登場したのがココの子守をしているマミソン(Momy Sonia、ママ・ジェーンの母方の叔母さん)だ。日ごろから子供達に対して怒鳴り声でしかりつけたり、事務所や私の部屋で子守歌を大声で口ずさんだり、うるさいことこの上ないのだが、この時は私のベッドの上で泣きじゃくるキアンに「さっさと下に行け、なんでお前はそうなんだ」と罵声を浴びせている。さすがの私も見かねて「キアンを怒鳴るな、ジェーンを鎮めるのが叔母として役割だろう、それを何でジェーンに輪をかけたようにキアンに罵声を浴びせるのだ」と日ごろの鬱憤を晴らすかのようにように叱りつけてしまった。なにか訳のわからぬ言い訳をしていたが、日ごろ決して怒らない私が声を荒げたので、さすがの彼女もすごすごと引き下がっていった。その後、ママ・ジェーンが部屋にやってきて、キアンを脅したりすかしたりしていたが、確かにどんなにやんちゃな妹でも可愛がってやれということは、私も日ごろから注意していたことなので、言い方はいかがとは思うが母親として正論であるので、黙って成り行きを見守った。

上の写真は最近のココの寝姿。下は、キアンの赤ちゃんの頃の寝姿、瓜二つの寝姿でその名の通り、Bernard Jr.とBernard IIIだ。

いずれにせよ、兄妹が5ヶ月も家に閉じこもっていれば、喧嘩もするだろう。それには大人がストレス解消の策をとってやるべきだ。そこで、最近はトランプ遊びを奨励している。ポーカーとブラックジャック、それに神経衰弱葉はキアンに教えてあったのだが、今回はさらに、51、婆抜き、七並べ、ダウト、ページワン(タガログ語でウノ)、うすのろなど、インターネットでやり方をおさらいして、レパートリーを広げた。キアンと二人だけではつまらないので、この際、クッキーを仲間に加えてやれば、クッキーの学習、ストレス解消、兄弟愛の醸成など、一石三鳥と目論んでいるのだが、まだ文字も数字もろくすっぽ読めないクッキーにルールを教えるのは並大抵の苦労ではなさそうだ。キアンもあからさまにうっとうしがっている。しかし、あと3年もすればココも加わってkkk3兄弟の楽しみになって、コロナの副産物とてして懐かしく思い出すことだろう。

誰からもこよなく愛されるココ、この頃が人生の花なのだろうか。

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