ネギがない!台風17号(ペペン)の被害 2009年10月14日


  1012日、一昨日、NTTホテルの近くのMARUCHANで客と食事をしていて、客が焼き肉丼を注文したら「ネギがないが、それでいいか」とウエイトレスに聞かれた。何故ネギがないのかわからないが、たいした問題ではないので、良しとした。さらに、翌日13日にマカティ・アベニューの新宿ラーメンで「辛口ネギラーメン」を注文したら、「ネギがないから作れない」とウエイトレスがいう。こればっかりはネギ無しで良しとは出来ないので、他のラーメンを注文した。何故ネギを切らしているのかわからず、スーパーで買ってくれば良いものを、と不思議に思った。

 その夜、「野菜が300%値上がっている、スーパーから野菜が消えている」とフィリピン人の相棒に聞かされ、びっくりした。もともと、ネギ、レタス、キャベツ、トマトなどの西洋野菜、さらに生花などはバギオを中心とするベンゲット地方が産地で、そこからフィリピン全土へ供給される。ところが、先の台風17号ペペンのもたらした豪雨で地すべりが多発し、野菜畑が壊滅した上に交通が遮断されてしまい、供給がとぎれてしまったのだそうだ。バギオではガソリン、LPG、食料、水と何もかもなくて、政府がヘリコプターで物資を運んでいるという。有名な避暑地である高原都市バギオへ通じる道は2本しかなく、それがまさに命綱なの空中都市なのだ。

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(スーパーのネギやレタス売り場は商品がないが、カンコン、ペッチャイなどの一般の野菜はいつもと変わらない) 

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 台風17号ペペンは103(土)、ルソン北部に上陸した。1週間前の台風16号オンドイに続く2週連続の台風上陸だった。ペペンはルソン北部の海上に留まり、その後、再度南下してルソン北部に上陸したのだ。その間、約1週間、大量の雨を降らし、大規模な地すべりや洪水をもたらした。 

 長引く豪雨のために、サンロケダムなどの大規模なダムが、オーバーフローによる決壊を恐れて大量の貯水を放流したが、これが流域の洪水に拍車をかけた。パンパンガ州、パンガシナン州、ヌエバエシア州などの米作地帯のほとんどが水没してしまったのだ。以前のブログでも紹介したが、この地域は地平線が見えるくらいに延々と平地が広がり、さらにほとんど河という河がない。したがって水がはけるのに数週間はかかるだろうといわれている。

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 オンドイそれにペペンのもたらした大量の雨で水没した米作地帯は当面米の収穫が見込まれないため、この地方の経済的損失ばかりではなく、フィリピンに食糧危機をもたらす。そのため、23ヶ月先の米の供給に不安が出て、早くも米が値上がり傾向にあるそうで、政府は急遽中国から大量の米を輸入することを決定した。一方これら一連の災害対策として120億ペソの政府予算の拠出を決定した。

  

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