バリクバヤン・ボックスとは、海外の出稼ぎ労働者(OFW)がフィリピンの家族のもとに様々な物品を無税で送れる優れものの宅配便だ。大中小の段ボール箱にいっぱいの荷物をつめて、5000円から1万円、2週間程度玄関まで届けてもらえる。ちなみにバリクバヤンとは帰郷という意味だ。詳細は次をクリック(マニラ生活電話帳の広告)IMG_20150831_0002
一口に一千万人のフィリピン人が海外で働いているといわれているが、バリクバヤン・ボックスは、それらのOFWと国に残された家族をつなぐ大切な絆だ。免税範囲は、一箱につき500ドル以下、利用頻度は月に一回などと制限はあるものの、中を調べるわけでもないので、無制限に等しい。
これが、密輸や違法物品の輸送などにも使われていることが発覚し、税関が通関検査の厳格化を打ち出した。これに対して、中身が盗まれるなど、多方面から抗議が出て、翌日、大統領が開封検査を取りやめるよう税関に指示を出した。
これで一件落着だが、実は、このバリクバヤンボックスは息子も大いに利用している。しばらく農場に滞在していた息子は、フィリピンを故郷のように想い、日本には出稼ぎに行っているという感覚がある。だから、ビアンカにプロポーズして、いずれはフィリピンに家族を持とうと目論んでいる。
その息子が、ビアンカ攻略に利用しているのがバリクバヤンボックスだ。ダンボールボックス一杯に、お菓子、即席めん、缶ビール、中古屋で買った衣類、などなど、大量の物品を年に1~2度、送ってくる。これが届くと子供達は大喜びで、目当ての品を競い合って手にする。もちろん早い者勝ちだ。
息子から送られてきた食料品を独り占めにするKIAN、その後、ボックスの中で遊んでいたら、姉のキムに唇を奪われてしまった。
逆に、日本に何か送りたいがどうしたらよいかという相談をたまに受ける。書類などはEMS(郵便局の国際宅急便)やFEDEXなどの航空宅配便で、一通、1000ペソ程度、2~3日で届くが、お菓子などの日用品を送るのにはコストが嵩む。日通や佐川急便、クロネコヤマトなども進出しているが、こっちは駐在員の帰国にともなう引越しなどには利用するのはよいが、例えダンボール一個でも一般の貨物扱いとなって、宅配便のような手軽さがない。早く、バリクバヤンボックスのようなサービスを始めて欲しいと思うが、そもそもフィリピンから日本へ日用品を送るようなニーズはほとんどないのだろう。
以前、犬の血清を検査のために日本に送ろうとしたら、FEDEXなどの航空宅配便では扱ってくれなかった。そして、某大手運輸会社からは、一辺が20cm程度の発泡スチロールの箱、一個が、冷凍宅配で、10万円の見積もりが出てきて度肝を抜かれたことがある。