フィリピンも異常気象 2011年12月9日


 ここ3日ほど、朝から晩まで、しとしと雨が降り続いている。フィリピンを訪問された退職者は「この雨季はいつ終わるのですか」と質問される。そもそもフィリピンは11月から乾季で、12月ともなれば、ほとんど雨は降らない。1月と2月はさわやかな天気が続き、3月から熱くなって夏休みシーズン、そして学校が始まる6月から雨季に突入する。それなのに、このごろは台風が来ているわけでもないのに、毎日毎日雨なのだ。フィリピンの雨は熱帯特有のざっと降ってすぐに止んでしまうスコールが中心だが、まるで日本の梅雨のように一日中しつこく降り続いている。

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乾季にしとしと雨は、植物にとっては恵みの雨だ。 

この雨で直接被害を受けているのが、街やリゾートでアイスクリームやタバコを売り歩いているベンダーだ。25度くらいになるとフィリピンの人は寒く感じて、アイスクリームなどには手を出さないし、タバコはぬれてしまう。だから、この人たちは、クリスマスが近いというにほとんど収入がなくて、クリスマスに欠かせないフィエスタ・ハムの代わりにひもの一枚でクリスマスを祝うことになりそうだ。雨が頼りのお百姓さんや植物は返って喜んでいるかもしれないが、天気が頼りの建設労働者もたまったものではないだろう。

こんな異常気象をもたらしているのは、今まさに、南アフリカで京都議定書の改訂のために議論されている地球温暖化に他ならない。先進国であろうが後進国であろうが、排出される二酸化炭素にかわりはなく、議論をしている間にも地球温暖化は着々と進行し、世界の気候を変えている。世界各地を襲っている旱魃や洪水により、その日暮らしの貧しい人たちがまず被害を受けるのだ。しかし、この長雨には放射能が含まれている可能性はないとうことだけでも幸いではある。また、どういうわけか知らないが、私の農場のあるアルバイ地方では地球温暖化対策として竹を盛んに植えているそうだ。

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フィリピンでは人差し指を上に向けて、「バハラカ」(勝手にしろ)と言って人を忠告をする。ヤンチャなKIANはいつも回りに「バハラカ」と注意されているので、その仕草をまねる。KIANは議定書をめぐって無用な議論を繰り返す政治家達に忠告しているのかもしれない。 

 原発事故で世界的に有名になったフクシマだが、ここから排出された放射能が大気に乗って拡散し、雨で地上に舞い降り、福島ばかりではなく、千葉や東京も汚染されているらしい。こんな状況では福島から遠くに住んでいたからといって安心はできず、特にお子さんを育てる親の不安は大きい。放射能に汚染された地域の不動産も暴落し、買い手がつかないそうだ。

 さらに、日本の経済危機の到来がささやかれて久しいが、まさに大地震の再来や放射能汚染という三重苦をかかえた日本を脱出するという動きが加速されているようだ。最近、退職ビザを申請する方の目だった特長は女性が多いということだ。さらに皆さん現役で、子育て中のお母さんもいる。まさに若い女性が立ち上がって日本を見捨てる時代に突入しつつあると実感する。

 現在私が、退職ビザをお世話している方の半分が女性ないし奥さんだ。従来のように旦那さんが前面に出るのはなく、奥さん主導でことが進められている。かつては、フィリピンといえば、女性はそっぽを向いてしまうのが普通だった。しかし、この方々は冷静な目でフィリピンを見直して永住先にと選択したのだ。いざと言うときに強いのが女性、特に母親なのだ。マーケットのねらい目は女性というが、フィリピン・ブランドも日本女性に評価されつつあるようだ。

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