フィ リピーノと話をしていると何か独特な仕草をする。彼らはそれで微妙な意思表示をしているようだが、当方にちんぷんかんぷんで変に誤解して、ギクシャク してしまうことがある。そこで代表的なものの解説を試みることにしだ。またここでは、仕草に近い言葉あるいは声についても含めている。これらの仕草は西洋と共通しているものが多いが、キリスト教徒戦後のアメリカ文化の影響だろう。眉毛を瞬間的に吊り上げる
もっともポピュラーな仕草だが、「OK」、「わかった」、「同意する」、「理解する」、「簡単な会釈」を意味する。繰り返し何度もこの仕草をやったら、大いに「OK」を意味する。
手のひらを上に上げて相手と打ち合う
アピアーといい、「やったー」といっ雰囲気だ。まさにご機嫌で興奮気味の時にやる。
鼻の下を人差し指でこする
自分がこれをやられたら、速やかにその場を去るべきだ。「くっさー」と言った感じ。特に誰か体臭や口臭があるとき、これをやる。フィリピン人は、格別に体臭や口臭を嫌うので、シャワーや歯磨きをちゃんとやって清潔を保たないと、人に嫌われる。
鼻で息を強く吸う
逆にいいにおいがすると、大げさにそれを鼻で吸い込む仕草をする。実際の匂いでなくてもうれしい時にこの仕草をすることもある。
両手の平で頬を支える
何か悩みや考え事があるときにする。からおけのGROの前でこれをやると手を払われる。ここにいるときぐらいは楽しそうにしてもらわなきゃ商売上がったりというところだろうか。
人差し指と中指で大きな括弧を作る
両手を上に上げて60cmぐらいの間隔で人差し指と中指を立ててぴょこぴょこと動かす。括弧ということですが、話しているある言葉を強調するのに使う。
「うん」といってうなずく
言葉は全然違うのに、返事するとき、フィリピン人も、「うんうん」と繰り返す。日本語と一緒だと言ったら、これは笑い声のように万国共通だそうさ。
舌を出す
顔をしかめて指で目を引っ張って舌をだす、これは全く日本と一緒の「あっかんベー」だ。子供は良くやるが、大人はやらない。
黙ってうつむく
仕草ではないが、文句言っているときに相手が下をむいて沈黙したら、反省しているのではなくて怒り心頭に達したか、全く聞いていないかのどちらかだ。早々に文句を言うのを切り上げたほうが良い。
人差し指と親指で四角を作る
食堂で支払いするために請求書を持ってきて欲しいときにやる。言葉に出す場合は「チェックプリーズ」という。
自分の両人差し指をからませる
約束を守るという、かなり強い意思表示だ。
人差し指でこつこつとテーブルをつつく
日本人は文句を言いたいとき、これをよくやるが、秘書に向ってこんなことをやったらセクハラで訴えられる。まさに「Hをしよう」という意味なのだ。
握手しているとき人差し指で相手の手のひらをこする
これもテーブルを人差し指でこつこつたたくのと一緒。しかし人知れずやれるところが味噌で、これならセクハラで訴えられるどころかいい答えが返ってくるかもしれない。相手もこっちの手のひらをこすってきたら、OKのサインだ。
人差し指を上にして数回まげて相手を呼ぶ
これはアメリカ映画などでよく見るが、フィリピンでこれをやったら私は犬ではないといって、無視される。
口びるで「プシーー」と音を出す
遠くにいる人を呼ぶときに使う。この音がよく通るようだが、あまり上品ではないので使わないほうがいい。
英語を話しながら言葉の終わりに「ポ」をつける
仕草ではないが、相手を尊敬している場合、多用する。地方のあまり英語を使い慣れていない人が良く使うようだ。
対面したときに頬と頬をつけて唇でチュッと音をたてる
親しい人に久しぶりに会ったときにやる。女同士でもやる。妙齢な女性に頬をよせて、チュッとやられると妙な気がする。
歩きながら隣の人の肩に手を乗せる
並んで歩きながらお姉さんやお母さんなど頼りにしている人に対してやる。
相手の手の甲をとっておでこにつける
両親、祖父母、親しい友人の両親等、尊敬するお大人や年寄りに対しての尊敬を示すあいさつ。子供が多用する。
腰に両手つけて肘を開く
ついやってしまう仕草だが、威張っていて生意気な印象を与えるので止めたほうがいい。
相手の鼻をつまむ
親しみや可愛いという感情を示すのにやる。女の子にやられたら、喜んでいいだろう。
頭をこずく
冗談半分でも人前で女の子の頭を軽くこずいたりすると、相手は涙を流して怒る。人前で人の頭に手をあげることはご法度だ。侮辱行為になるので警察に訴えられかねない。 |