マカティスクエアのまん前、パソンタモをはさんで北山ミートショップという店がある。一年以上になると思うが、毎日、前を通りながら、中に入ろうとは、一度も思わなかった。非常にしゃれた店構えで、牛肉専門となると、きっと日本から輸入した馬鹿高い霜降り和牛でも売っているのだろうと、勝手に思い込んで足が向かなかったのだ。
KITAYAMAの門構えはいかにも和風でしゃれている
そんなある日、ママ・ジェーンから北山ミートショップで和牛を買ってきてほしいと指示が飛んだ。先日義理の弟のNongを韓国焼肉のSeoulに招待したのだが、大変気に入って、早速焼肉のことをリサーチしたらしい。インターネットで調べて、北山ミートショップが評判の店だというのだ。そして、韓国焼肉を我が家で再現しようというのがママ・ジェーンの企みだ。
我が家の定番、韓国料理のSeoulで焼肉を満喫(左がNong)野菜が食べ放題なのがうれしい
そこで、KIANのピアノ教室の帰りに和牛を買ってくることになったのだが、入り口も和風で、いかにも高そうで二の足を踏んだが、思い切って中に入っていった。入り口はいかにも和牛という雰囲気を醸し出している
正面のケースに並んでいる霜降り和牛の塊は確かに見事なものだったが、値段がついていない。きっと、ひと切れ1000ペソを越える代物にちがいないと、値段を聞く気にもならなかった。
店の正面は見事な霜降りの和牛が並んでいる、価格は2000~3000ペソ/Kg(460円~690円/100g)
そして、脇に置いてある冷蔵庫をのぞいてみると、トレイに入った切り身が、200とか、300ペソの値札が張ってある。これならいけるとにわかに購買意欲がわいてきた。
店の奥においてある冷蔵庫には我々庶民向けの製品が置いてある。焼肉用で600ペソ/Kg(140円/100g)で極めてリーゾナブルだ
そこで、ためしに買い求めたのが、すき焼き用、焼肉用、それにT-ボーンステーキ。それぞれ、300g程度だが、200ペソ、300ペソ、500ペソ程度の値段でまさにアホーダブルな値段だ。フィリピン産の牛肉は硬くて歯が立たないが、さすが和牛で、日本で食べなれた牛肉だった。量的に足らないので、ブタ肉もスーパーで買ってきたが、食べなれた豚のほうがKIANを含めフィリピン人には受けたようだ。
左からT-ボーン、すき焼き用、焼肉用の切り身
ここの肉は、和牛といっても、フィリピン産で、日本から連れてきた和牛を掛け合わせて暑さに強い品種を作り出したもの。原産地は、ミンダナオ島のBukidnon地方で、カガヤンデオロの南に広がる高原地帯の牧場で育っているそうだ。肉の値段は、部位と霜降りの程度により大いに異なるが、すき焼きや焼肉用の切り身で600ペソ/Kg程度、ステーキ用の高級なものは2000~3000ペソ/Kgだ。これを円/100gに置き換えると、140円/100gと460~690円/100gとなり、日本の半分以下の値段だ。 和牛を日本から輸入して売ると日本の販売価格の倍くらいになるから、概算で4分の一程度ということになる。
店の中を興味深く探索するKIAN
最近、アイスクリームが大好きなKIANには、少しレベルの高いアイスクリームを食べさせないと、健康に弊害が出てくるのではないかと、心配し始めている。この日も、ドンボスコのそばに良い店があるで寄ることになっていたのだが、KIANが北山の店内にアイスクリームの冷凍庫を目ざとくみつけた。一人一回で食べるにはちょっと量が多いかなといった程度で、安物のアイスクリームなら100ペソもしないだろうが、値段を聞いたら、400ペソ、しかもカラバオミルクの自然製法のアイスクリームだという。こうなると試しに買ってみるしかない。家に帰ってから試食してみると確かにうまい、ママ・ジェーンやアティ・キムも、うまいと歓声をあげていたが、KIANが大きな声を出して、食べ過ぎないように彼らを制止していた。
カラバオミルクで作ったアイスクリームは絶品だ。ただし値段は普通のアイスクリームの5倍だ。