放射能汚染を逃れてフィリピン移住を計画されているご家族(子供お一人、5才)を案内して、サウスビラ(ラスピニャス)、ブリテスパーク(オルティガス)などのインターナショナル・スクール(IS)とサンアガスティンとドンボスコ(いずれもマカティ)の私立校を訪問した。二つのISについてはすでに報告したので、今回は、名門私立校サンアガスティン・スクールを紹介したい。
最近、フィリピンの学校制度が変更され国際基準になったので、普通の学校を卒業すれば、日本を含む海外の大学へもそのまま入学することが可能になった。そのため、あえてISに通わなくてもレベルの高い私立校に通えば十分だ。フィリピンの学校では基本的に英語で教育され、特に有名私立校では学内でのタガログ語の使用は禁止ないし制限されているので、ISと変わりがないが、授業料は概ね半額で済む。
サンアガスティン・スクールはマカティ市内、富裕層が暮らすダスマリニャスビレッジの中にある。通常、このような高級ビレッジに入るには、そこの住民を訪問するなどの目的がないとゲートを通過することができない。しかし、以前、ものは試しと学校訪問を理由に中に入ろうとしたら、特にアポがなくても入ることができたのだ。その時は実際、日本人のご夫婦とお子さんが一緒で、本当に学校訪問をしたのだ。それに味をしめて、その後、「富裕層の暮らすビレッジ」が退職者のための観光コースに加えられたのだ。
この日は、中で話を聞くために平日の昼過ぎに訪問した。授業料や入学の条件などをヒアリングして、学校案内を申し込んだら、快くOKをもらった。ちなみに、個々は幼稚園が3年間、小学校が6年間、従来のハイスクールが4年間、それにシニアハイスクールが2年加わって、都合15年間の教育が受けられる。授業料は概ね年間10万ペソで、有名私立校の相場だ。生徒数は、4000人あまり、まさにマンモス校だ。
バスケットボールコート、2面を収容する体育館は圧倒的な広さだ
授業中なのでクラスルームは見学できなかったが、周辺の体育施設を見学した。そして、その充実振りに度肝を抜かれたのだ。行事が行われる観客席付の体育館、そいてバスケットボールが2面取れる体育館、ハイスクール用と小さな子供用のプールなどなど。課外授業も盛んで、ほとんどありとあらゆるスポーツクラブがあるそうだ。ただし、有料とのこと。
案内の方に、「ここはフィリピンでNo.1の学校か」と、尋ねたら、フィリピン人特有の美しい顔をたてに振って「YES」と、誇らしげに答えた。ちなみにマカティ周辺では、こことドンボスコ、セントポールなどが名門三羽烏だそうだ。我が家のあるPrime City コンドにもこれらの学校のスクールバスが毎日生徒の送り迎えにやってくる。ただ、あらかたの子供は近くのパブリック・スクール(公立校)に通うのだが、ちなみにこちらは授業料が無料だ。ただ、日本人を通わせるとなると、瞬く間にタガログ語をしゃべるフィリピン人に変貌してしまい、日本人であることのIdentityを失ってしまう恐れがある。
最後に圧巻だったのが校庭だ。直線距離で300m位はありそうだ。そうなると、学校の敷地は10ヘクタール程度となる(3万坪、今風に言えば東京ドーム 3個分)。忘れていけないのは、ここ、ダスマリニャス・ビレッジはフィリピン有数の高級住宅街ということだ。マカティに隣接する一等地の地価は数万ペソ /m2をくだらないだろうから、土地の価値だけでも数十億ペソということになる。
校庭に面した建物はキャンティーンと屋内遊技場だそうだが、それにしても大きい
案内したご夫婦は、こんな高校は日本にはない。しかも、この施設で授業料が年間10万ペソ(23万円)、月々2万円足らず、というのは信じがたいと、ため息をつく。しかし、日本からやってきた子供がそのまま入学できるわけではない。まずは英語の特訓が必要だ。さいわい、まだ5才の子供だから、半年ほど幼稚園に通えば授業についていけるようになるだろう。幸い新学期は6月だから、まだ半年以上の準備期間がある。
校舎の前面に広がる広大な校庭、サッカーなら4面、野球場なら2面は取れそうだ
9月30日に誕生日を迎え6才になったお子さんは、早速、11月から近所の幼稚園に通うことになった。授業といっても、まだまだレベルは低いから、要は他の子供達と遊んで英語になれることだ。幼稚園側は「子供は覚えが早いから3ヶ月もすれば、会話できるようになるでしょう」と話していたそうだ。