フィ リピンではほとんどの中流以上の住宅は、その住宅団地そのものが塀に囲まれて私設の警護システムを備えたビリッジと呼ばれるエリアにある。規模の大き いビリッジはその中に教会や学校、果てはゴルフ場まで備えてあり、その広さも数百ヘクタールに及ぶものもある。まさに街一つがビリッジとなっているのだ。高級ビリッジの中に一歩足を踏み入れると、そこはフィリピンのイメージからは全く想像できない別世界が広がっている。日本でもめったに見るこ とができないような豪邸が延々と続き、一体どのような人々が住んでいるのだろう、しかもこれだけの数の人々が、とため息をついてしまう。
友人のジーなの家、ビレッジとしては並みの家だ
マカティ市もほとんどのエリアがビリッジで占められているのをご存知だろうか。ブエンディア通りの北はBel-Air、EDSAの東はForbes Park、Damarinas、パサイ通りの南はSan Rolenzo、 さらにマカティの市街地の一角はウルダネットビリッジというわけだ。これらの地域には住民あるいは住民の訪問者しか入れないから、外からその存在をう かがい知ることはできない。普段は庶民人の目に触れることもない無数の豪邸がそこにあり、一般庶民とはかけ離れた暮らしをしているのだ。
マカティ中心市街地の一角にあるウルダネッタ・ビリッジ
サンロレンソ・ビリッジの中をのぞいてみると、
そこは貧困とは無縁の別世界
アヤラアラバンビリッジに隣接するタウンセンターのレストランにて食事を楽しむ家族、ビリッジに住むお金持ちの生活がうかがい知れる
一般道はこれらのビリッジの間の限られた間隙を走ることになり、これが首都圏マニラの渋滞の元凶となっている。ちなみにマニラの南、ラグナやバタンガスに向かうにはSouth Super Highway一本しか道がない。一般道はビリッジで寸断されるため、南からマニラに向かう道が一本しかないというなんともいいようのない状況になっているのだ。
首都圏のベッドタウン、ラグナの新興中流ビリッジの入り口
200万ペソ前後で買える中流のビリッジの建売住宅
少し下流のビリッジでは牛も住んでいるのかも(?)
ビリッジ内の豪邸の車庫は3~6台ぐらい駐車できるスペースがある。ベンツやBMWの高級車が並んでいて、最近はアメリカ製のSUVも多く見られる。ビリッジの入り口には厳重なゲートがあって、一台一台の車がチェックされる特にタクシーで知人を訪問した場合は入場するのに10分くらいかかることがある。
高級ビリッジにはこのような豪邸が無数に並んでいる(アヤラアラバンビリッジ)
見える範囲全部がが一軒の家というからびっくり
マニラの南のパラニャケはBFホームズという広大なビリッジが広がっている。中は完全な街だが、さらにその中にたくさんのビリッジがあって、2重の警護がなされ、中流以上の人々が数多く住んでいる。さらにその南はアヤラアラバンビリッジという、フィリピンで5指 に入る高級ビリッジがある。中には大学、名門ゴルフ場まであって、そこに住むこと自体がステータスになっている。ラモス元大統領、アヤラ大財閥の総 帥ゾベルデアヤラの家もあり、フィリピンを支配する人々が居住する地域だ。日本の会社の駐在員も多く住んでいるが、まさにここはフィリピンの貧困と は無縁の別世界だ。
友人である日本人退職者の住まい(アヤラアラバンビリッジ)
そこの庭には当然プールがある