封鎖中はキアンの家庭教師に再就職 2020年4月25日


今日の朝、マニラ封鎖が5月15日まで延長されることが発令された。これで、都合、2ヶ月間の封鎖となる。日本でも緊急事態宣言が発令されてから2週間たって、果たしてその効果はと、周囲はかしましいが、フィリピンはもっと厳しい封鎖(移動禁止、外出禁止、娯楽施設の閉鎖、公共交通、官庁、銀行等の機能停止、モールを始め 食品と医薬品販売以外のほとんどの商店の閉鎖)を3月15日と早々に開始して徹底されているにも関わらず、その成果らしきものは見えず、2度目の延長となった。韓国、中国、台湾などは、終息といえる状況になっていることが、唯一の救いだ。しかし、欧米は終息の兆しが見えるというものの、いわば、高止まりであって、終息とはいいがたい状況で、きっと為政者の得点稼ぎに違いない。

KKK団にいよいよ仲間入りしたココ、キアンはココが可愛くて仕方がないらしい。

最近のカリフォルニア等での抗体検査によると、抗体をもっている人の数が感染者の十数倍いるとの調査結果が出ているそうだ。ということは、抗体を獲得した多数の無症状感染者がウイルスをばら撒いていたわけで、その結果、抗体を獲得した人が大多数となると、感染が終息を迎えるというわけだ。スウェーデンではあえて封鎖や外出禁止などの規制をしないで、感染後抗体を獲得した人が自然に増えて、ウイルスが封じ込まれることを期待しているそうだ。

それが真実だとしたら、要は、ウイルスに感染して抗体を獲得しなさい、ウイルスに負けたら、運が悪かったですね、となってしまう、いわゆる歩留まりというやつだ。そうなると、感染者が減って封鎖が解除されたからといって、無症状の感染者はいくらでも巷をうろついているわけで、2ヶ月もの間、自宅に謹慎していた持病持ちで抗体を持たない私をはじめとする無垢の高齢者が、のこのこと街に出て行くことは 極めて感染リスクが高いといわざるを得ない。おまけに、感染して入院したら、重症化しやすいし、退院してもしなくても(死んでしまっても)百万ペソ単位の治療費の請求がくるらしい。私は、一切の保険というものは加入しておらず、日本の住民票を抜いているので健康保険に加入できないので、自分が死ぬだけならまだしも残された家族に大いなる負の遺産を残すことになり、空恐ろしく思う。

私のベッドにもぐりこんでタブレットと携帯でゲームやユーチューブにいそしむキアンとクッキー。後ろのテレビでは日本のコロナのニュースをやっている

こうなると自分の身を守るために、封鎖解除後においても当面の間、自主的に自分自身を隔離して感染防止に努めざるをえない。業務は自宅にこもってインターネットと郵送で、顧客とは面会すること無しに遂行する、いわゆる在宅勤務だ。 もっともコロナ大戦後も海外から客が継続してやってくるかどうかも定かではないのだが、そんな在宅勤務がが可能かどうかPRA等の役所の対応次第だ。それが、だめだとしたら、廃業ということも視野にいれなければならないと危惧し始めている。

ところで、海外から顧客が入国できないし面会もできないという状況で、我がビジネスはご多分にもれず、すでに休眠状態なのだが、そこで目をつけたのが、同じく休校で、自宅にこもりっきりのキアン(10歳小4)の家庭教師に再就職することだ。キアンは、3人兄弟となって、それなりに楽しんではいるものの、学校が休みで、ピアノやテコンドウにも通えず、さらに、3ヶ月の夏休みが継続するとなると、半年近いブレークとなる。これは小学校高学年を目前にしたキアンにとって学業そして成長の遅れは取り返しのつかないものになる恐れがある。

一人っ子ではこんな状況においては退屈してストレスが溜まってしまうだろうが、子供達も3人寄ればそれなりに楽しい、それに3人の母さん役がいるので、我が家は平穏無事だ。

封鎖の初期、学校の宿題を手伝っていたとき、キアンが九九が怪しげであることに気がついた。小学校へ入る前に公文に通わせて、算数を徹底的に仕込もうと思っていたのだが、挫折した。 「 キアン、ついに公文をギブアップ 2017年10月13日 」参照。 その後、しばらく私が教えたのだが、やはり餅屋は餅屋にということで、ドンボスコの先生を家庭教師に雇って、2年が経過した。その時、九九の7x、8x、9xをやり残して、家庭教師に任せたのだが、あれから2年、相変わらずそこでつまずくのだ。この2年間全く成長していないのかと唖然とした。

そこで、2年前を思い出して、4年生の教科書の復習から始めようということになった。そこで、教科書も持ってくるようにというと、学校においてあって、ないと言う。しかし、封鎖中で、学校に取りに行くわけにもいかない。そうしたら、しばらく前にBeast Academyという、まさにうってつけのWebsiteのアプリを購入していて、毎日、2時間、その問題集をやることにした。

ココの生まれたての時はクッキーがヤキモチを焼いて、ココをいじめることもあったら、こっぴどくママ・ジェーンに叱られることとキアンの可愛がり様のまねをしてココを敵ではなくて家族であるという感情がわいてきているようだ。

レッスンをはじめてみて気がついたのは、キアンも、この2年間、だてにすごしてきたわけではなく、二桁以上の四則演算もこなせるようになっていた。しかし、九九が怪しいので時間がかかったり、間違いが多い。4年生ともなると、文章題や図形に関する問題が多く、図形はいいのだが、英語で書かれた文章題は、問題そのものの理解の速度に関しては、私はまったくキアンに歯がたたない。しかし、キアンは問題の文章の意味はわかっても、問題の要点を理解して、数式を作りあげることに滅法弱いのだ。

ピアノのレッスンで頭の回転が速くなったせいか、やけに回答が早いとびっくりしていると、読んでわからない問題は、適当な数値や文字を入れて、先へ進もうとするだけのようだ。説明しても瞬間的にわからないと、理解しようと試みないでそっぽを向いてしまう。直観力だけを頼りにしていて、じっくり考えることができない、いわゆる出来の悪い子の典型のようなのだ。一方、英語と理科は得意で満点を取ってくるらしいが、こと算数となると脳が瞬間的に麻痺してしまうようだ。一体どうやって教えたらいいものやら、こちらのほうがへとへとに疲れて、脳が麻痺しそうになる。

ちょっと前まで馬乗りはキアンの十八番だったが、今は弟を馬乗りさせるようになった。もう少したってハイスクールにいくようになったら、きっと私をおんぶしてくれることだろう。

それから、3歳のクッキーの存在に私のテンションがさらに上がる。遊び相手のいないクッキーは勉強中にまとわりついて、キアンにちょっかいをだすのだ。大きな声で叱れば、2階の3人(ママジェーン、弟ココの子守、メイド)の誰かが面倒を見てくれることを期待するのだが一向に反応がない。彼らも、私と同じ思いで、厄介者を私に押し付けてせいせいしているらしい。

今回さらに2週間封鎖が延長されたが、学校は、このまま夏休みに突入して、新学期は8月になる。そうなるとさらにあと3ヶ月家庭教師が継続することになる。3ヶ月間、毎日2時間勉強したら、かなりの成果が上がると思うのだが、この2年間のブランクを取り返して、算数の能力は向上するのだろうか。当方としてはギブアップしても封鎖中は、逃げ場がないので、我慢するしかない、これは私にとってもとんだ試練になりそうだ。

ココはこんな格好をして、よく足の指を噛んでいる(歯はまだないが)。手も足もほとんど同じように使い、まさにサルのままで、これから手を使って、人間として生きていくための脳が劇的に発育していくのだろう。果たして算数脳は順調に発育するのか、いまから気にかかるところだ。

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