年金のフィリピン受給の損得 2010年7月8日


退職ビザの取得に当たって、1万ドルの定期預金すなわち年金スキームで申請する場合、必ずしも年金をフィリピンで受け取っていなくても、年金証書の翻訳 (大使館で認証)さえ提出すればよいことは、以前にも報告した。さて、めでたく退職ビザを取得して、実際にフィリピンで年金を受け取るにはどうしたらよい のだろう。年金事務所に問い合わせると送金先銀行口座の他に、フィリピンに在住している証拠となる書類の提出を求められるはずだ。

 通 常、日本大使館で発行される在留証明がそれにあたる。在留証明の発行条件としては住民票を抜いておかなければならない。また、在留届けを提出してから、 3ヶ月経過していること、あるいはバランガイ証明書などの住所を立証できる書類の提出が必要だ。もし、住民票を抜くのに支障がある場合は、バランガイ証明 書でも年金事務所はフィリピン受給を認めている。

 フィリピンで年金を受給した場合はメリットは下記だ。


1. 所得税がかからない(退職ビザを保有している場合はフィリピンでもかからない)
2. 送金手数料は年金事務所負担
3. 日本での収入がなくなるから、住民税や健康保険の支払いが最小になる

 さらに住民票を抜いている場合は下記のメリットがある

1. 地方税がかからない
2. 国民健康保険料がかからない(逆に言えば、国民健康保険に加入できない)
3. 介護保険料がかからない

 年金の受給額にもよるが、月々数万円の節約になるはずだ。フィリピンで数万円といったら、それだけで生活できるくらいだ。

  しかし、国民健康保険に入っていない無保険者というのはいかにも心細い。フィリピンでもブルー・クロスなど国民健康保険にかわる民間医療保険がある。選択 するプランにもよるが、60歳前後なら年間1000ドルくらいの掛け金(月々約7千円程度)でさほど大きな負担ではない。しかし、フィリピンの医療費は医 者の診察料が30~600ペソで、後は薬代だけだから、入院するなどの大病にならない限り、たいした負担にはならない。治療費を一旦支払って、日本の健康 保険に求償したとしても、3割負担の中に収まってしまい、一銭も戻ってこないだろう。

ならば、日ごろ健康に留意して医者通いはせず、い ざ大病になったら、日本に帰って治療することだ。日本に帰って住民票を戻せば、その日から健康保険が使えるようになる。あるいは大病をしたら、寿命と思っ て過度の近代医学的治療はせず人間本来がもっている自然治癒力あるいは神の意思にまかせても良いのではないか。

 

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