コロナの影響で、3月15日の封鎖以来、リトル東京の日本食材店の山崎で豆乳が手に入らなくなってしまった。毎朝の自家製豆乳ヨーグルトのおかげで腹の具合が絶好調だったので、しかたがないから牛乳でヨーグルトを作って食すことにした。どちらかといえばヨーグルトといえば牛乳が本家なのだが、乳製品は、年寄りにはよくないと言うことで遠慮していた。
しかし、それが半年以上続くということは全くの想定外だった。腹の調子はいいのだが、最近、知り合いの生理学の教授から牛乳は癌を育てるという、手厳しいメールマガジンをもらって、これからさらにどれだけコロナ封鎖が続くのか見当もつかないので、思い切って自家製豆乳に挑むことにした。以前、フィリピンに永住を開始した頃(2003年)、自家製の豆腐と納豆を作ろうと挑んだことがあって、豆乳だけは簡単に作れたという覚えがあるので、何とかなるだろうと思っていた。
ママ・ジェーンに大豆とミキサーを買ってもらっていざチャレンジした。レシピは簡単で、大豆を一晩水につけて、それを同程度の水と一緒にミキサーにかけて、さらに10分ほど煮立てて、あとは絞るだけ。残ったのかおからになるわけだ。
子守役のマミーソン(ジェーンの叔母)がかって出て、やってくれたのだが、ミキサーにかけるまでは良かったが、それを火にかけないで、そのまま絞ってしまって、そのあと火にかけるということだ。途中で、違うと言っても、やり方は色々あるのだと強情をはる。おからも生では食するわけにはいかないし、水の量もやたら多くて、出来上がりは、やけに薄味の豆乳なってしまった。
一応、ヨーグルトを作ってみたが、出来上がりは、固形分が分離して半分以上が水になってしまい、ヨーグルトの体をなさなかった。すぐにでも豆乳ヨーグルとを食することが出来ると期待していたのだが、仕方なく牛乳ヨーグルでもうしばらく我慢することにした。
次に自分自身でチャレンジしたのだが、絞る段階で、使った布の目が細かすぎるのか、ミキサーの粉砕が不十分だったのか、豆乳が布を通過してくれない。仕方が無いので、比較的目の細かいステンレス製の料理用の網でこしてみてなんとか豆乳らしきものができた。しかし、豆乳らしい香りも何もない、豆乳らしさのないしろもだった。冷蔵庫に一晩寝かしてみたら、固形分が全く分離してしまっていて廃棄するしかなかった。
こうなると豆そのものがおかしいんじゃないかと疑いの目が向く。また、我が家に料理用の秤がなくて、豆100gに水400ccとレシピに書いてあっても、豆の重さが量れないので、目分量になってしまい、水が多すぎたり、少なすぎたりまちまちになってしまったのも原因と思える。
こうなってくるとママ・ジェーンが名誉にかけて作って見せると登場した。いつもお手伝いしていたメイドも多少ノウハウが出来てきたので、比較的スムーズに進んだ。しかし、出来上がってみると、どうも豆乳と呼べる代物になっていない。ヨーグルトをさ作ってみても固形分が分離して、香りも、豆乳とは似ても似つかない。
作り方がいけないのか豆そのものが問題なのか、大枚を払って豆乳メーカーを買っても豆がだめならどうしようもない。そこで結論としては、ママ・ジェーンの行きつけのキャッシュ・アンド・キャリー(大型スーパーマーケット)で中国食材コーナーで探してみることになった。ただし、くれぐれも甘味料の入っていない豆乳100%の製品を買ってくるように念を押した。
メールマガジンによると、豆乳ヨーグルとは不老長寿の特効薬のようなもので、癌に栄養を補給して大きく育ててしまうという牛乳からおさらば出来るのは、また少々先になりそうだ。