退職ビザの取消が容易になりました2016年2月4日 1


退職ビザの取消手続に必要な書類と手順は下記のとおりだ。

①取消要請のためのレター;取消の理由と預託金の振込み口座(日本)の詳細を記入する必要がある

②脱会面談記録:所定の用紙に住所と名前等を記載し、署名する

③Affidavit of Quitclaim;何かあった場合PRAを免責する旨の証明書、公証が必要

④委任状:引き出し許可証の受領と銀行手続を代理人に代行させる場合必要、公証が必要

⑤年会費の償還要請レター;年会費前払いをしている場合は、月割りで償還される

⑥上記の書類を提出して、インタビューを受け、パスポートとIDの原本をPRAに預け、1.5ヶ月程度で取消手続が完了し、預託金を手することが出来る。ただし、預託金がDBP(Development Bank of the Philippine)のPRA口座以外の一般認定銀行にある場合、PRAから引き出し許可証(Withdrawal Clearance)を受取って、銀行で送金手続を行う必要がある。

そのため、申請後、合計2ヶ月程度フィリピンで待機する必要がある。また、その場合、取消と同時に59日間有効の短期ビザが発行されるが、出国に当たっては入管からECC(出国許可)を取得する必要があり、面倒だ。

フィリピンにそのまま滞在して手続すれば、必要の都度、本人が出向くことができるので手続は比較的わかりやすいが、いつ手続が完了するのか不確かで、予定がたたないことがネックだ。

ところが、退職ビザを取り消す退職者は、病気など何らかの理由ですでに日本に在住しているか、すみやかにフィリピンから引き上げたという方が大半だ。その場合、このインタビューと銀行手続がネックになる。

従来、インタービューのために短期間フィリピンにやってきて、帰国後、パスポート原本とIDをPRAに送って、取消手続を進め、完了後、パスポートを送り返してもらって、引き出し許可証の受領と銀行手続のためにフィリピンを再度訪問するなどというややこしい手順が必要だった。

このインタビューに関して、従来、事前にアポを取って、それに合わせてフィリピンを訪問するという面倒な手順が必要だった。しかも、そのアポを取ることさえも容易ではなく、しかも、安易に予定を変更されたりして難儀した。

入院しているなどの理由でフィリピンに来ることが出来ないなどの、どうしようもない理由が無い限り、このインタービューは代行することが許されなかった。しかし、昨年末PRAのトップのGMが交代して、インタビューの要求が緩和された。

要は委任状さえあれば、誰でもどんな理由でも代行できるようになったのだ。ただし、この委任状は日本で公証され、外務省の印章確認とフィリピン大使館で認証する必要がある。ただし、これはあくまでも原則で、日本で署名してフィリピンで公証してもPRAは目をつぶってくれる模様だ。

次に、銀行手続だが、本人が手続する場合は、何の問題もないが、本人不在で送金手続をする場合、銀行によって手順が異なる。委任状を認める銀行、あるいは認めない銀行等、それぞれの銀行に当たってみなければならない。

委任状を認めてさえもらえれば、代理人に代行して手続をしてもらうことができるが、そうでない場合は書類一式を日本に送ってもらってサインして送り返す方法がある。いずれにしても、信頼できる代理人の任命が必須だ。

DBPのPRA口座に預託金がある場合、銀行手続そのものはPRAがやってくれるので、前記の悩みはない。ちなみに預託金はあくまでもDBPのPRA口座にあるのであって、退職者が直接DBPに行ったところで相手にされない。

なお、退職者が死亡した場合は、上記の書類の他に下記の書類が必要だ。これらの書類が日本で作成された場合、すべて公証され外務省の印章確認とフィリピン大使館での認証が必要だ。また、DBP以外の銀行から遺産を引き出すにあたっては、さらに銀行が要求する遺産相続手続が必要で、一年以上かかることもざらだ。

① 死亡証明書

② 退職者と申請者の肉親関係を証明する書類

③ 遺産分割協議書

いずれにせよ、遅かれ早かれ、ビザを取得した退職者の全員がSRRVを取り消すことになるのだから(亡くなった場合も含めて)、このビザ取消の手続が簡易化されたということは大変望ましいことだ。

 

 


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One thought on “退職ビザの取消が容易になりました2016年2月4日

  • Hitoshi Ota

    PASCO様。
    現在脱会手続きの書類を作成中です。大変分かりやすいご説明をありがとうございます。
    尚、インタヴューは、改定後はアポ取の必要がないということでしょうか?上記書類を
    提出時にインタヴューを実施していただけるのでしょうか?
     ありがとうございます。  太田拝