先日、ブログ「ドテルテ効果の逆効果」でも報告したが、退職ビザの発行が大幅に遅れている。7月28日に申請した方のビザがいまだに(9月16日現在)発行されていない。実に7週間だ。確かに入管の組織変更と承認システムの変更で、入管の承認が降りたのが、PRAから書類が入管に送られてから4週間かかってしまった。実に申請から5週間目にして、ビザ発行の目処がついた。
通常であれば、それから数日でビザが発行され、パスポートが退職者の手元に戻る。しかし、今回は承認書(ORDER)が発行されたという情報を得てから、さらに2週間たっているのに、いつまでたってもビザ発行の準備中というコメントを毎日PRAから聞かされているばかりだ。Implementationと呼ぶ作業だが、 ORDERの発行後、PRAはパスポートにビザのシールを貼って、再度、入管のサインをもらわなければならない。従来はマカティの入管の支所でやっていた が、最近、これも入管の本庁、インタラムロスでやるように変更になっている。こんな状況を退職者の方になんと報告してよいのやら、途方にくれている。
この方はそのままフィリピンに住むつもりなので、確かに発行の期限はない。しかし、申請時に入国ビザを59日間に延長して、まさか、そのビザが切れることはないと思っていたが、9月15日に切れてしまった。PRAはビザが切れてもORDERが発行済みで、法的に退職ビザが有効になっているから、滞在のためのビザは継続されており、問題ないという。しかし、これも入管がビザのシールにサインするとき有効なビザがないと、サインを拒否するという話も聞いているので、眉つばものの気もする。
なぜ、PRAはビザの準備にそれほどまでの時間がかかるのか。以前、PRAの受付の愚痴を聞いたことがある。それは、ビザのシールにサイン(Implementation)は一日に20枚までと入管が制限してきているが、これは、ビザの発行に限らず、ビザの取消、ビザシールの張替え等々、すべてを含むものだ。だから、優先順位が下がるビザの取消、特に発行を急いでいないビザ申請場合などは、後回しになって、いつまでたっても手続きが終わらない。入管としても事情はあるのだろうが、まさにPRAそして退職者を締め上げているだけの冷酷な処置だ。
こんな暴挙をなぜ、PRAが許しておくのだろうか。PRAの担当者レベルは申請者からの突き上げにひたすら耐えるだけで手の打ちようもないだろう。それこそPRAと入管のトップ同士が政治的に解決しなければならない問題だ。PRAの上部機関は観光省であり、一方、入管の上部機関は司法省だが、その辺で話は出来ないものなのだろうか。
ちなみにPRAのトップであるGM(General Manager)はカバンサッグ氏が定年で引退し、現在、不在。さらに元司法長官のデリマ上院議員は自己の麻薬密売への関与と不倫をドテルテ大統領に指摘され、その仕返しに、先日上院の聴聞会において、ドテルテダバオ市長の率いていたとされる処刑団のメンバーと称する男を証人喚問した。この男がドテルテ大統領の超法規的殺人の証言をするなど、どうもフィリピンの政治、行政は、外国人のビザ申請者の不都合などに耳を傾けている暇はなさそうだ。