農場のあるタバコ市は海にも面していて、海水浴場がたくさんある。しかし、マヨン火山の裾野にある関係で砂浜は黒く、必ずしもフィリピン特有の白砂の美しい浜ではない。水も湾内なのであまりきれいではない。 しかし、わざわざ船に乗って島に行くほどのの余裕のない庶民には気楽に行ける格好の遊び場だ。 気管支を患っているのか咳が出るKIANには海水浴は体に良いという医者のアドバイスで、タバコ訪問中は、KIANを毎朝海水浴に連れて行くことになった。
初めての海に、KIANはためらいがちに海水に足を踏み入れた。しかし、それは大好きな水遊びをするところだと認識したKIANは、すぐにうれしそうな顔をして水につかり始めた。
4月といえば、フィリピンは夏の真っ盛り、水温もぬるく、体が縮こまるようなものではない。気持ちよさそうに水につかるKIANだ。
一人で遊び始めたKIANは時たま水に顔をつけて、苦しそうに水を吐く。しかし、そんなことはおかまいなしに楽しんでいる。
砂遊びもKIANは気に入ったようで、砂をつかんでは落としあるいは投げて、砂浜の遊び方も慣れてきている。子供は遊びの達人だ。遠浅の海岸はKIANにぴったりで、あのうれしそうな笑顔が絶えない。
10時過ぎには帰途についたが、それは日中は暑すぎて、KIANにはまだまだきつすぎるという気遣いだ。ちなみにフィリピンでは朝と夕方の日が落ちてからが海水浴の本番で、暑い日中はお休みする。
翌日、2日目、KIANの海水浴再挑戦だ。この日は雲を被ったマヨン火山がバックに望めた。
近くでダンプカーのおもちゃで遊んでいる子供達に混じろうとしているKIANだが、とんだ闖入者を迷惑そうに追い払われてしまった。
しかし、しばらくして子供達がいなくなると、待望のダンプを独り占めして遊び始めたKIAN。こんな図々しさがとりえのKIANは誰とでも友達になれる。
ダンプの砂遊びに満喫したKIANの海水浴の日課も今日はこれで終わりだ。タバコでの海水浴、マニラでは海と言えばバタンガスまで3時間くらい替えて行かなければならないので、KIANの海水浴も当面お預けだ。