Daily Archives: July 5, 2007


ファイブシックとはその名の通り、5と6だが、フィリピンでは主にインド系のフィリピン人が商いにしている高利貸しのことを指す。マーケットでは、ボンバイと呼ばれるインド人がバイクに乗っ て店を回っているのをよく見かける。彼らはそれぞれの店から貸した金の返済金を回収しているのだ。彼らは一旦でもお金を貸すと20%の利子をつける。すなわち5借りたら6戻さなければならないから、5-6(Five Six)と呼ぶのだ。たとえば1000ペソ貸すと、毎日40ペソ返済し、一ヵ月後に1200ペ ソ返済することになる。きわめて高い利子だ、商売の仕入れ資金が滞ったような時、その場で審査無しの信用で貸してくれる。このような街金融はきわ めて便利な存在で、毎日の商売の利益から少しずつ返すので、さほど苦にならずに返済が可能だ。まさに、この毎日の割賦返済がこの商売が成り立っている 仕組みなのだ。 街中を走っている、トライシクルも同じような仕組みで成り立っている。サイドカー付のバイクは現金で8万ペソ程度で手に入るが、それをリースにして貸し付けるのだ。借り手はそのバイクを使って商売をして、貸し手に毎日125ペソ程度支払い、それを5年間続けるとバイクは自分のものになる。ガソリン、修理、等すべて借り手の負担だ。これを利子に計算すると年間60%、月々5%程度になる。大変高い利率だが、125ペソという金額はトライシクルを運転していると払える金額で、生活費(200~300ペソ/日)もなんとかまかなえる。生活の手段を与えられることと5年後はトライシクルのオーナーになれるということから、借りて手はいくらでもいる。 さらに街中を走っているタクシーやジープニーもほとんどがバウンダリーという支払いを行ってオーナーから車を借りて営業をしている。車の状態や、時間等で違いうが、600~800ペソ/日程度のバウンダリーを支払って、ガソリン代を負担し、それでも一日、300~500ペ ソ程度の収入になり、生活していくことができる。外資系会社の社員が海外駐在などで小銭がたまると、車一台を買って、タクシーに仕立て、人に営業させて 小使い稼ぎをしたりしている。最近はガソリン代が大幅に上がって日本と大差がなくなったのに、タクシーの初乗りはたったの30ペソ(80円)と日本の10分の一程度でやっていけるのか不思議だ。車の値段もほとんど日本と一緒なのにだ。 話をもどして、ファイブシックスはフィリピン人もやっている。しかし、一見儲かりそうでも、まずはうまくいかないのでまねしてやって見ようなどとは思わないほうがよい。一ヶ月あたり10%の利子をつけ、貸すときはその10%を前取りする。そして毎月利子分10%を支払わせ、元金はまとまった金が入ったとき払わせることとする。100万ペソの元手があると、月々10万ペソ入ることになり、こんなに利回りの良い商売は他にはないだろう。 はじめてしばらくはよくお金が回って好調なのだが、しばらくすると利子の支払いが滞ってくる人が出てくる。もちろん元金も返すはずもない。お金が一回りする3ヶ月位で10%ぐらいが不良債権と化してしまう。利子がどんどんたまっていき、返済金が何倍にもなるともうどうしようもない。担保を取ろうにも家には何もない。強く返済をせまると日本の街金融と同じになってしまい人非人呼ばわりされる。一年も過ぎると半数くらいが不良債権と化してにっちもさっちも行かなくなる。そういうことで元金くらいを何とか回収できたからもう辞めようか、ということになる。借りたまま一回も利子を払わずにチャラになった人は、きっとほくそ笑んでいることだろう。でも1000ペソのお金も返せない可愛そうな人たちなのだが。 この商売のコツは、まず日本人は決して表面に出ないこと。日本人が顔を出すと、金持ち日本人になぜ金を返さなければならないのか、私たちは貧乏なんだから恵んでくれるべきだ、といって、誰もお金を返してくれなくなる。2番 目のコツは、金のない、あるいは返済能力のない人に金は貸すな、だ。ビジネス用には金は貸しても、生活資金としては、金は貸さないことだ。それを突き 詰めていくと銀行のように、保証人だの、担保だの、となってくる。そこまではしなくても、その金が金を生んで返済ができるか、あるいは当座の資金であっ […]

豆辞典 インド人のビジネス ファイブシックス


昨年、2006年12月1日、超大型台風レミンによりマニラの南500kmの私の田舎、ビコール地方アルバイ県は壊滅的な被害を受けた。特にマヨン火山の噴火で中腹にたまっていた土石が強い雨で一気に流され、川沿いの民家のほとんどは土石流に押し流され、1000人 をこえる人が亡くなるという大惨事となった。フィリピンの東方沖は台風のゆりかごといわれ、台風が生まれるところだ。ここでゆっくり育った台風が、 そろりそろりと北上し、台湾、日本等を襲うのだ。台風の発生は多くはセブの北側で、その南のミンダナオには台風は一切やってこないとされている。     国道が土石流で埋もれ、皆ひたすら歩くしかない 土石流で屋根まで埋まった家 2004年5月、ビコールの農場に住んでいた時、中規模の台風がやってきだ。朝から吹き始めた風は昼になっても止まらず、雨は完全に横に降り、椰子の木は気が狂ったように長い葉を真横にたなびかせ震わせていた。夕方になって風は止まったが、なんと12時間も強い風が吹き続いたのだ。フィリピンにやってくる台風はなにしろのろいのが特徴だ。生まれたばかりだから、まるで時速5~10km、歩くほどの早さだ。そのため、台風はほとんど一箇所にとどまっているようで、行き先もよたよたと定まらない、迷走台風だ。 台風レミンで屋根が吹き飛ばされた我が家 従って、フィリピンでの台風の予測は全然当たらない。大型台風が来るからといってマラカニアン(大統領府が置かれているところ)の おふれで学校も役所も全部休んでしまったのに、一滴の雨もふらないなどということがままある。私も、前日台風が来るというのでPRAは午後から休みになったも のの、翌日出勤したら事務所の鍵がしまったままで誰もおらず、退職者との約束はあるし、ドアーの前で途方にくれたことがある。となりの民間の事務所は やっているわけで、警備員に聞いたところ、台風で役所は休みだというのだ。外は雨も風もないじゃないかといってみたところで、マラカニアンの決定だから、私が騒いで見たところで始まらない。それより、そのニュースを早めに聞いてさっさと家で昼寝でもしていたほうがお利口さんだろう。 川沿いのスコーター、これで水が出たらひとたまりもない そんなわけでフィリピンではいつも台風に翻弄される。駐在員時代の1994年、 新築の事務所ビルが出来上がった翌月、10月にマニラを台風がおそった。私の住んでいたアヤラ・アラバン・ビリッジの中のアカシヤの木が軒並み倒れ、道路 […]

豆辞典 フィリピンの台風被害



グリーンヒル(サンフアン市内)は、マカティの東にあるエドサ(EDSA)通りを6kmほど北にのぼりオルティガスのSMメガモールをすぎ、POEA(海外雇用丁)のビルを左に折れ(現在は立体交差になっている)、オルティガス・アベニューを1kmほど進んだ一体をさす。その中心にあるグリーンヒルショッピングセンターはショッピングの穴場として有名だ。グリーンヒルは中国系フィリピン人が多く住んでおり、その手前にあるワクワク・ゴルフ(36ホール)は街中にある高級ゴルフクラブとして有名だ。 モールの外にそびえる看板が目印だ 携帯電話のショップ群 グリーンヒルは通常のショッピングセンターとは異なり、無数の一坪 ショップがモール内に所狭しと並んでいる。衣料品、バッグ、靴、宝飾品、時計、民芸品、携帯電話、サングラス等々、一日中歩き回っても飽きることがない。特にバッグ、靴、時計、サングラスはほとんどがコピー商品で、ルイビトン、カルチェ、バリ、ローレックス、ブルガリ、レーバン等々のブランド品が 格安(当たり前だが)で売っている。コピー商品だから品質の方は保証の限りではないが、コピー商品にもクラスがあって、クラスAの時計となると、5千円から1万円もして、本物と全く見分けがつかない。また、それなりに長持ちするようだ。 一坪ショップが立ち並ぶ  民芸品のショップもある やすものの絵画を売る店 ロレックスも扱いは普及品だ 私もDiesel ブランドのウエストポーチをブランド物とは知らず150ペソ(400円)で買って使っているのだが、息子の彼女から“Dieselですか?”と聞かれ、それがブランド物と知り、あわてて隠したことがある。このことがらバッグなどは、置いてあるすべての商品がブランド物のコピーであると知ったのだ。もちろん、本物を売るちゃんとした商店もあるのですが、10倍から100倍の価格差を見て、買う人がいるのかと不思議だ。 どれも皆有名ブランドのコピー 同じくコピーブランドのバッグ 靴もコピーブランド製品が一杯 […]

豆辞典 ショッピングの穴場 グリーンヒル


日本の健康保険がフィリピンで使えるのか、という問い合わせを良く受ける。こたえはYesであり、Noで もある。正確には、海外で治療を受けた場合、いったん治療費を自分で支払い、それを日本で保険事務所に求償することにより還付が受けられる、ということだ。還付金額は同 等の治療を日本で受けた場合の点数を基準に算定され、実際に海外でかかった費用は関係ない。申請に必要な書類は医師の診断書、治療の明細、領収書等だが、最寄りの市役所に和英のフォームが用意されているので、事前に入手しておくことをお勧めする。 フィリピンの医療費は日本に比べれば物価水準どおり5分の1程度だ。しかし、日本人クリニックに行ってもやたら高いし(普段は自己負担分しか払っていないせいもあるが)、ちょっと厄介な病気になると、必ずマカティメディカルを勧められ(日本人クリニックの女医さんの旦那がマカティメディカルにいるためではないかと思うが)、このマカティメディカルがフィリピンで医療費が一番高い病院で、日本で治療したのと大差のない治療費を要求される。従って、フィリピンの医療費は日本と変わらないとレポートされるゆえんだ。 し かしながら、健康保険の求償はめんどうだし、医師に書類を作成してもらうのも無料とは限らない。軽い病気であれば自己負担の兼ね合いもあって、実質ほ とんど戻ってこないこともある。しかし、大病をして入院というような事態になったときは大変有効となるはずだ。一方、大病にかかって、多額の現金が 必要となると、それを立て替えるのが困難になる事態もおきえる。その場合は、フィリピンの医療保険に入っておくという手がある。最高支払い額、25万ドルの医療保険が年間、千ドルくらいで入れる。クリニックは限定されるが、キャッシュレスの治療サービスも受けることができる。ブルークロス等が扱っているが、この保険の欠点は民間の保険であるために、年齢があがるとそれにつれて保険料が幾何級数的に上がっていくことだ。 たとえば、最大保障額25万ドルのベーシックな医療保険に対する年間保険料が、51歳~65歳は1000ドル程度であるものが、71~75歳で5000ドル、81~85歳で約1万ドル、96~100歳では3万ドルとなっている。これは純粋な確率計算から来たものと推定されるが、民間だから、日本の健康保険のように赤字というわけには行かないのだ。しかし65歳までであれば、日本の健康保険よりはるかに安いので、日本から住民票を抜いて健康保険を止めて、これらの医療保険に入っている方もある。詳細は下記にコンタクトしてほしい。 www.bluecross.com.ph 高齢になるとこの医療保険では保険料がたまらない。ある70過ぎの人は、もしがんなどの大病になったらすぐに日本に帰って、住民票を復帰して健康保険にはいれば翌日からでも保険が利く、といっていた。どんな保険でも既往症があると入れないが、健康保険は国民皆保険で既往症も関係ないわけだから、うまい方法だと思う。しかし敵もさるもので、不払いの保険料を過去にさかのぼって支払う必要があるらしい。 フィリピンでの命の値段をご存知だろうか。せいぜい、5万から10万ペソだ。交通事故で人を殺してしまっても、その程度のお金で話が済んでしまうのだ。逆に、自分が交通事故にあって死んだとしたら、その程度しか支払われないということになる。任意自動車保険の対人もせいぜい、15万ペソ程度に設定されている(その任意保険に入っている人もほとんどいないようだが)。従って、フィリピンに生活する限り海外傷害保険は必須だ。フィリピンの保険では上限が低すぎて問題にならない。なお、クレジットカードに海外旅行者障害保険がついているが、有効期限は出国から3ヶ月程度なので気をつけてほしい。

豆辞典 フィリピンの医療保険事情



フィリピンで生活するとなるとまず必要となるのが銀行口座だ。ところがこの銀行口座を開くのが案外厄介で、誰でも開けるわけではない。一般のフィリピン人に対しても、2通の身分を証明できるもの(ID、Identification) が必要となっており、また、その身分証明は、免許証、会社のID、 学生証、パスポート、年金手帳等などで、写真と署名が示されているものに限定される。要はきちんとした会社に勤めて、年金に加入していればいいのですが、失業 率の高いフィリピンではこの難関を突破するのは容易ではない。だから、フィリピンに会社を持っている場合、社員としてIDを有料で発行するようなビジネスが成立するくらいだ。 我々 日本人とても同様ないしそれ以上だ。パスポートしか持たない旅行者は銀行口座を開設することはできない。考えてみれば、なぜ旅行者が現地の口座を必要とするのか、マ ネーロンダリング等の悪さをたくらんでいない限り銀行口座などは必要ないないわけで、理屈が通っている。外国人が銀行口座を開設するためには、退職ビザ、クォータ ビザ、配偶者ビザ、投資家ビザ(9d)、ワークビザ(9g)等の長期滞在ビザを持ちかつその証としてのACR(Alien Certificate of Registration)も提示しなければならない。フィリピン退職庁(PRA)は退職ビザの発行と同時にPRA退職者プログラムメンバーとしてのIDを発行し、退職者の利便に供している。 さらにメトロバンク、BDOなどの大手銀行ではフィリピンに住所を持っており、さらにそれを証明する電気料金などの請求書を提示しなければならないなど、年を追うごとに厳しくなっている。 退職者ビザを申請する場合、まず、はじめに2万ドルないし5万ドルのお金をPRAに 指定された銀行に日本から送金し、入国後、ドル建て定期預金を開設しなければならない。口座を開かなければ送金できないし、ビザを取らなければ口座を開 設できない、という鶏と卵のような関係だ。しかし、この場合、退職ビザを取得するための送金という場合に限って、PRAから紹介状をもらえば、事前に口座開設を行うことができる。 […]

豆辞典 銀行口座の開設は至難の業


マ ニラ新聞はフィリピンで発行されている唯一の日本語新聞だ。日経や読売新聞等も読むことはできるが、これらは日本で編集され、香港等で印刷されている もので、フィリピンのニュースは特に扱っていない。マニラ新聞の一面はフィリピンのニュースで、タガログ語ができないためにフィリピンのメディアか ら遠ざかっている我々にとっては、フィリピンのニュースを知る唯一の方法だ。2~6面では日本のニュースを見ることができる。野球や相撲の結果などが楽しみだが、この方はNHKワールドのニュースで見てしまっているので、新鮮味が落ちる。最後の7~8面はどういうわけか英語で日本や世界のニュースを英語で伝えているが、私はここを全く読まない(読めない)。しかし、同居しているフィリピン人にとっては重宝だろう。 日刊マニラ新聞のロゴ   マニラ新聞でもっとも貴重なのが、レストラン、カラオケ、マッサージなどの広告だ。これを今夜の予定の糧にしている人も多いと思う。また、日本行きの飛行機の時刻表やNHKワールドの番組表も大変役に立つ。県人会の広告が載っているのも、いかにも外国の小さな日本人社会の情報誌だなと思う。 マニラの情報で満杯の3行広告   マニラ新聞の事務所はマカティ市ジュピター通りのMontivar Building の4階にあります(現在はマカティ市役所の近くに移動している)。また、このビルの2階にはカルチャーセンターがあり、たくさんの蔵書と最新の雑誌を楽しむことができる。また、いくつかの日系のNPOの事務所があり、日本人のたまり場、あるいは情報交換の場として機能している。また喫茶コーナーがあり、飲み物と簡単な食事がとれる。 テナントの案内板  マニラ新聞の価格は、1ヶ月契約で1300ペソ、3ヶ月で3300ペソ、6ヶ月で5700ペソ、1年で10500ペソとなっている。セブやダバオでも購読できるがが、その他の地方では郵送代が加算される。毎日では大変な額になってしまうので1週間分をまとめて送ってくれるサービスもある(現在はインターネットで閲覧できるが有料)。 カルチャセンターの入り口 カルチャーセンターの内部  マ […]

豆辞典 フィリピンの情報はマニラ新聞で



フィリピンの水道水は比較的きれいで安全と言われている。しかしながら1990年代からミネラルウオーターが隆盛となり、水は買って飲むものという習慣が定着してきた。さらに街の至るところに水道水を浄化して販売する店がオープンし、20リットル入りのボトルを中身だけなら50ペ ソで売っている。しかも事務所には無料で温水と冷水が作れる装置を貸し出し、配達もしてくれるので、水道水をそのまま飲んだり、沸かして滅菌して冷やすなど、面倒く さいことをする人はいなくなった。一時はこの水の浄化ビジネスをやるのがブームになったが、もはや過当競争を経て選別の段階にあるようだ。 浄化飲料水を売る店 浄化水が入ったボトル、一本50ペソ(中身だけ)   マニラの水がなぜ汚いのかあるいは心配する必要があるのか、ということについてマニラ日本人クリニックの医師(1990年ごろ駐在)が、 面白い分析を披露してくれた。上水道というものはそもそも、浄水場で圧力をかけて配水するものであり、水道管の中は圧がかかっている、しかしながら、マ ニラは水不足のために、各ビリッジにはポンプが備え付けられていて、水を自分のところに引き込んでいる、従って、配水管の中は負圧になっていて、水道水の みならず、水道管の周囲の下水まで吸い込んでしまっている、だから、もともときれいな水でも汚染されることが多いのだ、ということだそうだ。これは由々 しき問題で、伝染病の蔓延にもつながりかねない。従って、この浄水ビジネスは理にかなったものかとも思う。 アルカリイオン水を売り物にした店  ミネラルウオーターと並んでフィリピンのスーパーに並べられているものの中に、Distilled Water(蒸留水)が ある。日本では見かけないと思うが、蒸留水だからほぼ純粋な水だ。純粋だから安全とのキャッチフレーズだが、私は意見を異にする。人は水から多くのミネ […]

豆辞典 珍商売 浄化飲料水の販売


フィ リピンにやってきて、まず目に付くのがジープニーと呼ばれる公共交通手段だ。全国津々浦々、毎日たくさんの人々をのせて走り回っているのが、このジープ ニーだ。ジープニーとはもともと戦後アメリカ製のジープを払い下げ、公共の輸送手段に使ったのが始まりで、唯一の純粋国産車で、全国で10万台といわれる数のジープニーが日夜、乗客を乗せて走り回っている。エンジンはほとんどが中古のいすゞ製のジーゼルエンジンで、大気汚染の元凶ともなっている。 街を我が物顔に走るRoad of Kingこそジープニー  ジープニーは路線が決まっていて、一日中、同じ路線を走っている。料金は4kmまで一律で、4kmを越えると1kmにつき1ペソ加算される。 特に特定の駅はなく、どこでも止まって客が乗り降りできる。これがまた渋滞の元凶であり、どこにでも突然止まるジープニーにドライバーはいらだる。 たとえぶつかったとしても、あのステンレスあるいはブリキ製の頑強なジープニーはびくともしない。壊れるのはこちらだから、ただひたすら、Road of Kingといわれるジープニーに道を譲るのみなのだ。 Kingの風格にふさわしいこの面構え  ジー プニーは路線マップもなにもないわけですから、このジープニーが一体どこへ行くのか、車のフロントガラスに書かれた行き先の地名から判断するしかない。街の地名を熟知していないと、たとえ乗り込んだとしても意図したところに行くかどうか神頼みだ。マニラでジープニーを乗りこなせたら、もはや本当の フィリピン人だ。 […]

豆辞典 フィリピン名物・ジープニー