Yearly Archives: 2007


フィリピン人と付き合っていくための心構えを5つの “あ...ない” でまとめた人がいる。大変よくできているとは思うのだが、多少日本人の偏見に基づいた言い分でフィリピン人にしてみれば “とんでもない、5つのあ...ないが必要なのはこっちの方” と言うかも知れない。いってみれば、慣習文化の違う国民が一緒に暮らしたり仕事をしようとすると、よほどの忍耐が必要ということだろう。あなたもこの五つの戒めを常に頭においてフィリピン人と付き合ってほしい。意外と役にたつ。 あせらない あきらめない あたまにこない あてにしない あまやかさない

フィリピーノ気質 五つの¨あ……ない¨


フィリピンの国民の90%がキリスト教徒と言われているが、そのうちのほとんどはカ ソリックであり、日本の神社のように全国くまなく教会があり、それぞれの町のランドマーク的存在になっている。カソリック以外は10%程度で、モルモ ン、エホバの証人、プロテスタントなどがありますが、活発に活動しているのは、イグレッシア・ニ・クリストなどの新興宗教だ。イグレッシア・ニ。クリストは、 フィリピン全土いたるところに規模こそ違え、ほとんど同じデザインの教会を建て、活発に信者を集めている。その他、エルシャダイと言われる踊る宗教があるが、その名前から私はてっきり博多かどっかのお祭りの山車か何かとトンチンカンなことを考えていた。その他にボナゲンとか零細の宗教団体がたくさ んあるそうだ。     スペイン統治時代に立てられた由緒あるタバコ教会  フィリピン人はアジアに位置しながら、ほとんどが敬虔なクリスチャンであり毎週日曜の朝、教会周辺は、お祈りに来る車や人で一杯だ。これは地方に行くほど激しく、街中の人が教会へ行き、家は空っぽになってしまう。たとえカラオケなどで夜の勤めをしているGRO(ホステス)でも同じで、日曜の早朝、仕事が終わった後、3時~5時に教会へ行って、まず祈りを捧げてから家路につくのだ。特にホリーウイークやクリスマスの宗教行事には帰郷した人々が一時に繰り出して、メインストリートは人で埋め尽くされる。 教会の祈りを終えて家路に向かう人々(St.Paul教会、マカティ) タバコ 教会の内部 ホリーウイークの行列(タバコ市)、後方に教会の塔が見える   イグレッシア・ニ・クリストはマナロ神父を教祖として、全国展開を果たした新興宗教の雄で、その町の規模あるいは信者の数に応じて大きさのの違う教会を建てている。教会の前面には誇らしくIGLESIA NI CRISTOと掲げ、一目でそれとわかる。信者は、豚の血を食べてはいけない、教会では正装で行かなければならない、スカートはくるぶしまでのものを着なければならない、また、さらに収入の一部を寄付しなければならない、などの厳しい戒律があるそうだ。 カソリック系新興宗教の雄、イグレシア・ニ・クリストの総本山 […]

豆辞典 フィリピンの新興宗教



メトロマニラには3本の高架鉄道が営業されている。一番古いのはLRT(Light Railway Transit)と呼ばれ、北のカラオカンのモニュメント駅から南のバクララン駅までタフト通り、マニラ湾沿いに走る約14kmの路線。二本目はMRT(Metro Railway Transit)と呼ばれ、北のノースアベニュー駅から南のタフト駅まで、エドサ通り沿いに走る約16kmの路線。これらは残りの5kmが完成するとメトロマニラの環状線となる。これに対してLRT2は東のサントラン駅から西のレクト駅まで約12kmを結ぶ路線で、上記環状線のほぼ中央を横断し中央線的役割を果たしている。LRTとLRT2はドレトホセ/レクト駅で、MRTとLRT2はクバオで、MRTとLRTはエドサ/タフト駅で乗り換えることができる。  LRT・MRT路線図 路線図2 MRTブエンディア駅のプラットホームにて   将来、各路線はLRTの北がブラカン方面、南がカビテ方面、LRT2はアンチポロへ延長され、MRTにはパラニャケ、アラバン、ラグナ方面ならびにケソンシティ方面への放射状の路線が計画されている。これらが完成すれば、車にしか頼れなかったメトロマニラへの移動が容易になり、地獄的な交通渋滞が緩和されるものと期待される。 LRT2乗車口 エドサ通りの中央を走るMRT マ ニラ首都圏の主要道路の渋滞は、ご承知の通り、マニラッ子の遅刻の言い訳にも使われるくらい、目的地への到着が全く予測できないほどだ。どこにでも止ま る無数のジープニーもその渋滞に拍車をかけ、とうの昔に限界状態になっている。その解決策がカラーコーディングと呼ばれるプレート番号の末尾番号により […]

豆辞典 高架鉄道、LRTとMRTの乗り方


フィリピンは群島国家であるためにちょっとした旅に出るには船か飛行機に頼らざるを得ない。たとえルソン島などの同じ島の中でも高速道路や鉄道が発達していないのでいきおい飛行機に乗ることになる。ちなみに高速道路はマニラの南北に130km程度、鉄道はなんとマニラからビコールのレガスピ間470kmの一本だけだ。一方、船や飛行機はほとんどの都市やリゾートを結び、大変便利だ。 国内ターミナルに並ぶセブパシフィックの飛行機 セブパシフィックの飛行機は新しくてきれい 機内も大変清潔だ 主な航空会社はフィリピンエアライン(PAL)、セブパシフィック、エアフィリピン、アシアンスピリットの4つで、特にマニラーセブ、あるいはマニラーダバオ間などは上記4社が乗り入れ、しのぎを削っています。このほかにパラワンなどの離島のリゾートにセスナなどの小型機で送迎する中小の航空会社がたくさんありますが、これらはリゾートと提携しパッケージで客を確保しています。 スチュアーデスさんも庶民的な感じ 生まれて初めて飛行機に乗るアラン一家、まずは記念撮影 PALは ご承知の通りフィリピンのフラッグシップだが、その他の会社も若干の国際便も運行している。現在、セブパシフィックとエアフィリピンは、格安チケット を発行しており、十分なゆとりを持って予約すると、バスや船並みの価格で旅をすることができる。格安チケットの値段は日によってことなり、ホームページ で安い日を探して旅をするのがコツだ。ちなみに従来PALのみが運行されていたマニラーレガスピ間は従来の6千数百ペソ(往復)だったものが、セブパシフィックが就航して以来、約3分の1の2千ペソ程度にディスカウントされている。一番良いバスで往復1800ペソだからほとんど変わらない。なお、ここでいう格安チケットは日本のように団体割引のチケットをばらで売るのではなく、航空会社そのものが安いチケットを発行しているのだ。ただし、格安のため、飲み物等は有料だ。 セブパシフィックのチケットオフィス セブパシフィックのルートマップ、フィリピンの主要都市を結んでいる エアフィリピンのチケットオフィス エイシアンスピリットのチケットオフィス […]

豆辞典 島国フィリピンの空の旅



ロハスボリバードを南に向かうとエルミタから5km位 でマニラ空港に近づく。そこはもうパサイ市を通り過ぎてパラニャケ市に入っている。その付近には南へ向かうたくさんのバスが停まっているが、そこ がバクラランだ。バクラランは北のデビソリアと並んで無数の一坪ショップが立ち並ぶ庶民の買い物どころ。衣料品の店が圧倒しているが、靴、カバ ン、雑貨を売る店もたくさんある。デビソリアにくらべて規模は劣るが、一本の通り沿いにまとまっているので買い物がしやすいのが特徴だ。 南(カビテ方面)に向かうバスの群れ エアコン付の中距離バス 軽トラックの改造車も近距離用に活躍している バクララン教会の脇の道を進むと、LRTの駅まで(約1km)の間、両側に小さなショップが入ったビルが立ち並び、いつでもたくさんの人で混みあっている。特に入り口付近にたくさんの衣類や果物を売る露天が並び、フィリピンならではの雰囲気をかもし出している。 赤いパイナップルなど珍しい観葉植物が売られている 衣料雑貨を売る屋台が無数にある 通り沿いの露天商、大人のT-シャツが50ペソから買える バクラランの喧騒と混沌に輪をかける派手派手ジプニー 立派なジーンズが1本200~300ペソで買える 旅行かばんも200~300ペソから買える どんな有名ブランドのサングラスでもすべて100ペソ程度で買える(もちろんコピー商品だが) […]

豆辞典 庶民の買い物どころバクララン探訪


東 洋一のスラムといわれるトンドはチャイナタウンの北、マニラ港にそって広がっている。犯罪の巣窟とも言われているが、そこに住む人たちは意外と明るく 生活をエンジョイしているように見受けられる。そこではなぜかやたらと子供が多く、元気に走り回っている。花街の女性たちに聞くとトンドに住んでいる と答える人が多数いる。あの元気で無邪気な子供たちの将来は花街なのだろうかと心配になる。 川べりのスラム スラムではやたらと外でくつろぐ人が多い 路地裏はまさに子供であふれている 一風吹けば崩れ落ちそうな家々 最 近はある程度財をなした人が立派な家を建てているところもあるが、ほとんどはバラックで、しかも2階から4階建てにもなっていて、ちょっとした地震が あったらひとたまりもないといった様子だ。また火事などおきたら一帯は全焼するしかないだろう。でもトンドで火事があり人が死んだという話はあまり 耳にしない。 収入の10%を寄付しなければならないイグレシアニクリスト宗派はトンドにもこんな立派な教会を建てている この子達の底抜けの明るさはどこから来るのだろう ト […]

豆辞典 東洋一のスラム街 トンド探訪



チャ イナタウンの東一体に広がるエリアをキアポ地区と呼ぶ。その中心に位置するのがブラック・ナザレと呼ばれる黒いキリスト像を祭るキアポ教会で、奇跡を起 こすということで、参拝の信者が絶えない。教会の左の別室に安置されたキリスト像は3体あり、その内2体はガラス箱に収められ保存されているが、どう いうわけか足の先だけガラスの外にある。これは信者が足をなぜてその手を体にこすりつけて不病息災をいのるのだ。17年前に尋ねたときは、信者は皆、その足にキスをしていたが、さすがに不潔ということか、今は手で触るだけになっている。ホーリーウイークにはこのキリスト像を外に出して街中を練り歩くのだそうで、百万人を超す信者が集まり、キリスト像に触れようと殺到し、死者でさえ出る喧騒となる。 キアポ教会の外観 キアポ教会の内部、平日でも人であふれている ブラックナザレの像 ガラス箱の外に出されたバラックナザレの足、かなり磨り減っている 占い師(Fortune Teller)たち 人形の形をした蝋はブラックマジック(呪術)に使うそう なにやら怪しげな薬を売る店 そんな薬売りの店が立ち並ぶ 国花であるサンパギータをうる少女やおばさん。ちなみにサンパギータとは“再開の誓い”という意味だそう   […]

豆辞典 庶民の街 キアポ探訪


マカティのコマーシャルエリア(アヤラセンター)のマカティアベニューを隔てた一帯をグリーンベルトという。グロリエッタを中心として、ランドマーク、SM、ルスタン等のデパート、シャングリラ、インターコン、ドゥシット等の五つ星ホテルを抱えるアヤラセンターと比べ出遅れ感のあった地区だが、1990年代の後半から開発が急ピッチで進められ、近代的なしゃれた街並みに生まれ変わった。まるでマカティというビジネス街とは程遠い雰囲気の庭園を中心にレストランやブランドショップが並んでいる。           グリーンベルトのしゃれた建物、高級コンドミニアムThe Residenceが遠くに見える レストラン街前の中央広場   開発を始めた当時はこんなに大規模な開発を一気に行い、このフィリピンで投資資金を回収できるものかと、危惧したもだが、あれだけのレストランの盛況 振りを見ると、きっと高家賃をとってしっかり回収しているのだと納得させられる。さすが、フィリピン一のアヤラ財閥のすることは桁が違うと改めて 感心させられる。 中央広場前の池 まさに都会のジャングルの中のオアシス 池の前のレストラン街 グ リーンベルトで食事をとることがステータスとなった今、夜は若者のたちでいっぱいだ。それぞれのレストランは屋外にも嗜好の凝らした客席を並べ、世界各 国の食事を提供している。特に高級日本食レストランの“スギ”はかなり高価な価格設定にも関わらず、いつもフィリピーノが列をなして待っているほどだ。“スギ”は最も成功した日本食レストランのひとつともいえるだろう。 屋外の席がヨーロッパの雰囲気をかもし出す […]

豆辞典 グリーンベルト



何でこんなに車が走っているのだろう、しかも、ベンツやBMW等の高級車が、フィリピンて貧乏だったはずじゃないの、というのが、はじめてフィリピンを訪れた人の印象だろう。ロールスロイスとまではいかないにせよ、ベンツ、BMWはもちろん、フォード・エクスペディション等の大型SUV、果てはポルシェまで当たり前に走っている。日本のトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱、スズキ、いすゞ等も車種こそ少ないものの、例えばホンダでいえば、フィットから始まって、シティ、シビック、アコードそしてCRVがやたらと走っている。これらの価格は日本より少々高めで、ちなみにCRVの4WDで400万円近いのだが、新車もあっという間に広がる。新車の率は日本より上ではないかと思うくらいだ。さらにSUVではなんとBMW、ボルボ、ワーゲン、ベンツ、ローバー等があたりまえのように走っている。しかもこれらの車の値段は優に500万ペソ、1400万円を越えるのだ。 ベンツの新車 これはベンツ系のスマート ベンツのSUV カラフルなフォード・エクスペディション 私のあこがれのBMWミニ BMWのSUV クライスラーJEEPの新型車種 日本車の生産は現地組み立てが主流だが、最近ではフィリピンではカローラを生産し、タイでSUVのフォーチュナーを生産して交互に輸入しあっているようだ。組み立て工場はマニラの南、ラグナの関税特別区の工業団地に集中している。昨年当たりまでは日本の価格とほとんど同じだったのだが、最近のペソ高のために、2~3割、高くなっているようだ。また全くの完成輸入車は税金のため本国の2倍程度するようで、上記ヨーロッパ製のSUVは日本車の3~4倍位の値段がする。それでも買い手は豊富にいるようで、ちなみに最近モデルチェンジをしたホンダCRVは引渡しまで4ヶ月待ちだというのだから驚きだ。 ホンダ・フィットは現地名でジャズという ホンダ シビック 新型CRVは4ヶ月待ちの人気 ホンダ・アコードは高級車の部類に入る ホンダ・パイロットはアメリカ製、260万ペソ、700万円 フィリピンで中古車を買う場合、その高さにびっくりする。5年落ちでも、新車の3分の1から4分の1はする。だから、日本からほとんど只同様で仕入れて、フィリピンに運び、ハンドルを左に付け替えて売っても、まだ利益が出るということだ。しかも日本車(日本で組み立てた車)は品質がいいと人気なのだ。しかし、フィリピンで中古車を買う場合、気をつけなければいけないことは、純正の部品が安物に交換されている可能性が大きいことだ。できればディーラーでなくて知り合いのユーザーから買ったほうがいいといわれている。 […]

豆辞典 車の買い方


フィ リピンは群島国家であり、船の便が各都市を結んで便利に旅ができる。しかしルソン島などそれぞれの地域では中長距離の旅をする場合はバスか車に限定される。鉄道はマニラとレガスピを結んでいるが、遅く、汚く、安全でないということから、一般の人は使わない。一方他の島には全く鉄道がない。バ スの便にはフェリーを乗りついでダバオまで2日がかりで行くものもあるが、船のほうがはるかに快適だ。ルソン島内のもっとも遠いところ、北のラワグ、南のレガスピ、それぞれ500km程度の距離で、10時間程度で結ばれている。夜の7時~8時ごろに出発して早朝到着するので時間の無駄がない(昼間の便もあるが時間がかかる)。値段はバスのグレードによるが、片道で500~1000ペソ程度だ。疲労ということを考えると一番高いバスを選んだほうが無難だ。それ以上の遠距離は船か飛行機ということになる。 アラネタセンターバスターミナルは南へ向かうバスの総合ターミナル 同ターミナルでバスを待つ乗客 同ターミナルのバス会社ごとのチケット売り場 バスターミナルはマニラ市内にあちらこちらに分散され、バス会社毎あるいは行き先毎に異なる。最大のターミナルはEDSA通 り沿い、アラネタコロシウムのあるケソン市クバオにあり、南北行きのたくさんの会社のバスが発着し、一大ショッピングセンターともなっている。マニラの 南の県であるカビテ方面のバスはバクララン、ラグナ、バタンガス方面はアラバン、さらにフィルトランコをはじめとするバス会社各社のバスターミナルはパサ イ市に集中している。大変わかりにくいので、初めてのときは是非、フィリピーノと同行してほしい。 フィルトランコのバスは清潔で運転も確か(パサイ市エドサ通り) JAMのバスターミナル(タフト、パサイ市) BBLのバスターミナル(タフト、パサイ市) バギオ/ダグパン行きバス(クバオ、ケソン市) バ […]

豆辞典 バスの旅