Yearly Archives: 2007


マ ニラ新聞はフィリピンで発行されている唯一の日本語新聞だ。日経や読売新聞等も読むことはできるが、これらは日本で編集され、香港等で印刷されている もので、フィリピンのニュースは特に扱っていない。マニラ新聞の一面はフィリピンのニュースで、タガログ語ができないためにフィリピンのメディアか ら遠ざかっている我々にとっては、フィリピンのニュースを知る唯一の方法だ。2~6面では日本のニュースを見ることができる。野球や相撲の結果などが楽しみだが、この方はNHKワールドのニュースで見てしまっているので、新鮮味が落ちる。最後の7~8面はどういうわけか英語で日本や世界のニュースを英語で伝えているが、私はここを全く読まない(読めない)。しかし、同居しているフィリピン人にとっては重宝だろう。 日刊マニラ新聞のロゴ   マニラ新聞でもっとも貴重なのが、レストラン、カラオケ、マッサージなどの広告だ。これを今夜の予定の糧にしている人も多いと思う。また、日本行きの飛行機の時刻表やNHKワールドの番組表も大変役に立つ。県人会の広告が載っているのも、いかにも外国の小さな日本人社会の情報誌だなと思う。 マニラの情報で満杯の3行広告   マニラ新聞の事務所はマカティ市ジュピター通りのMontivar Building の4階にあります(現在はマカティ市役所の近くに移動している)。また、このビルの2階にはカルチャーセンターがあり、たくさんの蔵書と最新の雑誌を楽しむことができる。また、いくつかの日系のNPOの事務所があり、日本人のたまり場、あるいは情報交換の場として機能している。また喫茶コーナーがあり、飲み物と簡単な食事がとれる。 テナントの案内板  マニラ新聞の価格は、1ヶ月契約で1300ペソ、3ヶ月で3300ペソ、6ヶ月で5700ペソ、1年で10500ペソとなっている。セブやダバオでも購読できるがが、その他の地方では郵送代が加算される。毎日では大変な額になってしまうので1週間分をまとめて送ってくれるサービスもある(現在はインターネットで閲覧できるが有料)。 カルチャセンターの入り口 カルチャーセンターの内部  マ […]

豆辞典 フィリピンの情報はマニラ新聞で


フィリピンの水道水は比較的きれいで安全と言われている。しかしながら1990年代からミネラルウオーターが隆盛となり、水は買って飲むものという習慣が定着してきた。さらに街の至るところに水道水を浄化して販売する店がオープンし、20リットル入りのボトルを中身だけなら50ペ ソで売っている。しかも事務所には無料で温水と冷水が作れる装置を貸し出し、配達もしてくれるので、水道水をそのまま飲んだり、沸かして滅菌して冷やすなど、面倒く さいことをする人はいなくなった。一時はこの水の浄化ビジネスをやるのがブームになったが、もはや過当競争を経て選別の段階にあるようだ。 浄化飲料水を売る店 浄化水が入ったボトル、一本50ペソ(中身だけ)   マニラの水がなぜ汚いのかあるいは心配する必要があるのか、ということについてマニラ日本人クリニックの医師(1990年ごろ駐在)が、 面白い分析を披露してくれた。上水道というものはそもそも、浄水場で圧力をかけて配水するものであり、水道管の中は圧がかかっている、しかしながら、マ ニラは水不足のために、各ビリッジにはポンプが備え付けられていて、水を自分のところに引き込んでいる、従って、配水管の中は負圧になっていて、水道水の みならず、水道管の周囲の下水まで吸い込んでしまっている、だから、もともときれいな水でも汚染されることが多いのだ、ということだそうだ。これは由々 しき問題で、伝染病の蔓延にもつながりかねない。従って、この浄水ビジネスは理にかなったものかとも思う。 アルカリイオン水を売り物にした店  ミネラルウオーターと並んでフィリピンのスーパーに並べられているものの中に、Distilled Water(蒸留水)が ある。日本では見かけないと思うが、蒸留水だからほぼ純粋な水だ。純粋だから安全とのキャッチフレーズだが、私は意見を異にする。人は水から多くのミネ […]

豆辞典 珍商売 浄化飲料水の販売



フィ リピンにやってきて、まず目に付くのがジープニーと呼ばれる公共交通手段だ。全国津々浦々、毎日たくさんの人々をのせて走り回っているのが、このジープ ニーだ。ジープニーとはもともと戦後アメリカ製のジープを払い下げ、公共の輸送手段に使ったのが始まりで、唯一の純粋国産車で、全国で10万台といわれる数のジープニーが日夜、乗客を乗せて走り回っている。エンジンはほとんどが中古のいすゞ製のジーゼルエンジンで、大気汚染の元凶ともなっている。 街を我が物顔に走るRoad of Kingこそジープニー  ジープニーは路線が決まっていて、一日中、同じ路線を走っている。料金は4kmまで一律で、4kmを越えると1kmにつき1ペソ加算される。 特に特定の駅はなく、どこでも止まって客が乗り降りできる。これがまた渋滞の元凶であり、どこにでも突然止まるジープニーにドライバーはいらだる。 たとえぶつかったとしても、あのステンレスあるいはブリキ製の頑強なジープニーはびくともしない。壊れるのはこちらだから、ただひたすら、Road of Kingといわれるジープニーに道を譲るのみなのだ。 Kingの風格にふさわしいこの面構え  ジー プニーは路線マップもなにもないわけですから、このジープニーが一体どこへ行くのか、車のフロントガラスに書かれた行き先の地名から判断するしかない。街の地名を熟知していないと、たとえ乗り込んだとしても意図したところに行くかどうか神頼みだ。マニラでジープニーを乗りこなせたら、もはや本当の フィリピン人だ。 […]

豆辞典 フィリピン名物・ジープニー


カラーコーディングとは、マニラの交通渋滞を緩和するために、MMDA(Metropolitan Manila Development Authority)が車のプレートナンバーの末尾番号により、一定の曜日には市内を走ってはならない、という規則を定めたものだ。ちなみに末尾番号、1と2は月曜日、3と4は火曜日、5と6は水曜日、7と8は木曜日、9と0は金曜日、朝の7時から夜の7時まで、マカティ市およびパサイ市など一定の地域で運転することが許されない。土曜と日曜日は制限がないが、例え自家用車を持っていても週の一日は使用できないということになる。大変不便な制度で、私の場合、末尾番号が1なので月曜に車ででかけようとすると、今日はだめなんだと毎週、この制度をうらむことになる。特にこんなときに雨が降ってタクシーが拾えないとなると怒り心頭に達してしまう。 プレートナンバーの末尾番号0は金曜日には運転できない これはタクシーなどにも適用され、売り上げの20%近くも失うとなるとタクシーオペレーターにとっては死活問題だ。ところがこれが案外評判いいようなのだ。まず、お金持ちの方々は必ず2台以上の車を持っていますから、車を代えるだけです。その上渋滞が減るとなると、大いに結構ということになる。車のメーカーにとっても大歓迎だ。20%の車が減れば、マーケットの大いなる拡大で、お金持ちはカラーコーディング用に大衆車をもう一台購入することになる。そのため、ビリッジのお屋敷にはベンツやBMWに混ざって、カローラやセントラ(日産サニーの現地名)などの大衆車が週に一回おでますために置いてある。なんという資源の無駄遣いだろうか。 どうもこの国の制度は、お金持ちのためだけに定められているような気がするが、貧乏人の僻みだろうか。ある時、会計会社の偉いさんを接待したおり、シャングリラホテルのシャンパラスという高級中華料理店で食事をしながら、カラーコーディングの制度について文句を並べた。この制度は貧乏人を苦しめ、お金持ちや車のメーカーが喜ぶだけで、渋滞緩和の役になんか少しも立っていないと。彼はお金持ちのかたわれだから、この制度を支持しているといっていだ。それで、彼は、隣の席で食事している人はMMDAの長官で、彼がこの制度を始めたのだから、直接文句を言ったらどうかというのだ。この地のお役人の偉いさんに文句を言っても始まらないので、黙っていたが、どうにもわかっとらんと憤懣がおさままらなかった。それから、10年近い月日が経っているが、この制度は成功というお墨付きが出されたのだろう。未だに私は毎週月曜日には腹を立てているのだ。まさにブルーマンディなのだ。 ちなみにこの規則に違反した場合は、1500ペソの罰金を課せられる。これはフィリピンでは大きなお金だ。プレートナンバーは、外から見ても一目瞭然なので警官が厳しくあるいは喜んで取り締まる。それで皆、致し方なく守っているようだ。こんな悪法を許しているなんて、フィリピーノ庶民は何を考えているのだろうか。しかし、車を持てるフィリピン人はむしろ一握りで、ほとんどの人がバスやジープニーを利用しているわけだから、カラーコーディングですこしでも渋滞が緩和されるということは彼らにとっても大いに意義のあることかもしれない。1台しか車をもてない中途半端な小金もちは、この国では少数派なのだろう。 ちなみにフィリピンにはシニアシチズンシップというありがたい制度があって、60歳以上になると、ほとんどあらゆるものがディスカウントされる特典だ。しかし、原則、外国人には適用されない。しかし、マカティ市では、外国人のシニアには特典としてこのカラーコーディングを免除してもらえる。これをブルーカードと言うが、私もこれを取得して、一週間に7日、車が使えるようになっている。

雑記帳 庶民の敵 カラーコーディング



   サ リサリとはタガログ語で“何でも”という意味。自分の家の軒先に小さな窓を設けて、日用品雑貨、飲み物、スナック等を売るコンビニエントストアーの原型だす。一坪から数坪の店で、必要なものは何でも置いてある。塩、調理用油、調味料、洗剤、歯磨き等々、その日使う分を小分けにしておいてあり、その日の 数百ペソの稼ぎで暮らす人にとっては大変重宝だ。最近では携帯電話のロード(フィリピンの携帯電話はほとんどがプリペイド方式で、事前に払う通話料を ロードという)も小分けして売っているのにはびっくりした。 サリサリストアーの典型 住宅街に行くと、50mおきぐらいにサリサリストアーがあって、家を出れば数十歩で買い物ができるという究極のコンビニエントストアーと言える。値段としては割高だが、それはサリサリのオーナーはスーパーで仕入れ、それに利益を乗せるのですから、当然だ。ちなみに、煙草一箱は、スーパーなら25ペソ程度で買えるものが30ペソ。道端のベンダー(道端でタバコ、スナック、飲み物を売る人たち、サリサリの小型版)は40ペソ程度だから、良心的かもしれない。さらにこれらサリサリあるいはベンダーは、この煙草をさらに小分して、2ペソで一本づつ売るのだ。スーパーにはサリサリ用に洗剤等を小分けにして、20枚程度つなげた商品を置いている。サリサリではそれを仕入れて店の中に吊るして、一枚づつ売るというわけだ。だから、サリサリでは数ペソから数十ペソ単位の商いが普通なのだ。 私が利用するサリサリは大型店ともいえ、24時間営業 5本入りのタバコが袋入りでつながって売っている サ リサリは、場所さえあれば、数万ペソで商売が始められる。軒先を改造して、冷蔵庫を置き、あとは商品を仕入れれば、即商いを開始することができる。サ リサリの窓口は通常簡単な鉄格子がはまっていて、商品を出し入れできるだけのスペースが開いているだけだ。これは商品を持ち逃げされないための用心なのだろう。24時間営業のサリサリもあり、まさに巷のコンビニエントストアだ。セブンイレブンもフィリピンのサリサリにヒントを得たのかもしれない。 サリサリストアーの内部は商品であふれている サ リサリで買い物する人たちはほとんど日銭を稼いで生活している人たちで、常にその日の生活に汲汲としている。すなわちその日の糧もない人たちが多く、サ […]


ポーンショップとは質屋のこと。日本では見かけることがほとんどなくなった質屋だが、フィリピンでは街の至るとことに看板を出し、庶民の強い見方となっている。ポーンショップは基本的には質屋と全く同じシステムで、貴金属を価格の60%程度で担保として引き取り、月々5% 程度の利子を課す。利子を払っている限りは、毎月更新できるのだが、利子が途絶えると、質草は流されてしまい、ポーンショップの組合に売却されてし まう。ポーンショップで預かってくれるのはほとんどが金だ。時計、バッグなどは贋物が横行するフィリピンでは預かってもらえない。しかし店によっ ては家電製品などまで預かってくれるところもあるそうだ。 フィリピン最大のポーンショップチェーンのセブアナ(バクラランにて) 基 本的に預金はしない、あるいはできない、宵越しの金はもたない、現金をためることに罪悪感さえ覚える、というのがフィリピン人の気風だから、なにか病気 になったり、まとまった金が必要な時、ポーンショップを頼りにするしかない。そのためフィリピン女性はやたら金製品をほしがる。簡単に換金できる貯金 のようなもので、それでいて普段は装飾品になるのだから、現金よりも活用範囲が広いというわけだ。したがって、女性と親しくなると、すぐに金のネックレ スやブレスレッドを買って欲しいとせがまれる。しかし、しばらくすると、ポーンショップにあるので、それを引き出すのに金が要ると言い出す。早く引 き取らないと毎月利子が嵩んでもったいないというのだ。そのため、同じネックレスを何度も買いなおしてやるという、馬鹿馬鹿しい羽目になってしまうす。 第2位のタンブンティンポーンショップチェーン(エルミタにて) ポーンショップは一坪程度の店さえあればすぐに開店できる。100万ペソほどの資金で、しかも毎月5% 程度の利回りになり、かつ担保があるので、リスクがない、とても魅力的な商売のように見える。しかし、実際のところ、盗品や贋物をつかまされることが多 く、それなりのリスクはある。ある程度リスクを負わないと客がつかないので、どんどん金を貸しているとすぐに資金が底をついてしまう。それなりに […]

豆辞典 庶民の銀行 ポーンショップ(質屋)



マカティの東、元フィリピンの軍事施設だったフォートボニファシオには第2次世界大戦で戦死したアメリカ軍の墓地、アメリカンセメタリーがある。そこには推定4万人の兵士のなきがらが眠っているが、整然と並んだ白い十字の墓標は墓地というよりも、庭園のようでマニラで一番美しいともいえる景観をなしている。訪れる人もわずかで、マニラの真ん中にこのような場所があるとは信じがたい感がある。 入り口からセメタリー中央を望む セメタリー中央から建設中のボニファシオグローバルシティを望む ボニファシオの高級コンドミニアム群  墓地の中央には祈りを捧げるためのマリア像が置かれ、それを基点として直径100m位の円形の白い回廊が建っている。そこには安置されている兵士の名前と出身地が刻まれているが、円形回廊の端にはいくつかの部屋があり、そこには、日米海戦の模様がモザイクタイルで描かれている。戦後生まれの私にとってもなかなか興味深いものだ。 戦死者の氏名を刻む白い回廊 祈りを捧げるマリア像の部屋 日米海戦の歴史をつづるモザイク 戦死した米兵の名前が累々と続く フォートボニファシオは1990年代 の末、大規模な国際競争入札の末、民間に払い下げられ、開発が急ピッチで進められている。マカティのすぐ北に位置する好立地から、高級コンドミニアムや マーケットマーケットというモールが建設され、多くの人々が訪れはじめている。その周囲はダスマリャネス、フォルベスパーク等の高級ビレッジあるいはマ ニラゴルフやマニラボロクラブがあり、環境としても申し分ない。いずれ、ビジネス街としてもマカティに継ぐ発展が期待されているが、このような都心に広大な用地があるということは、日本では到底考えられないことだ。それだけフィリピンは発展の余地が大きいといえると思う。 セメタリーとビル群の対比が独特の景観を作っている セメタリーの周りは新開発の高級住宅 […]

豆辞典 マニラで一番美しい アメリカンセメタリー


カーサ(スペイン語で家という意味、ちなみにカサ・ブランカとは白い家のこと)と 呼ばれる置屋はその名の通り、テイクアウト専門の女性達が控えている家だ。マニラのマラテあたりの住宅街にひっそり営業していて、知る人ぞ知る秘密の場 所だ。もちろん違法なので看板も出していない。しかしタクシーの運転手や雇っているドライバーはよく知っていて、得意げに案内してくれる。もちろ ん、かなりの額のコミッションが入るのだろう。 長いことご無沙汰していて最近の相場はわからないのだが、観光客が主体なので、意外と高く、10数年前で3000~4000ペソ程度していた。現在はだいぶ上がっているのではないかと思う。しかし値段などはあってないようなものだから交渉しだいではどうにでもなるだろう。マビニ通りあたりで声をかけてくるポン引きが連れて行くところは大体このようなところだ。 昔 は興味本位ではしごをしてみたこともあるが、どこも似たり寄ったりで、厚化粧の女たちが数十人、媚を売って大きな部屋の壁際に座っているのはいかにも 異様な感じだ。しかしながら、学費を稼ぐために地方からたまに出てくる女子学生などもいたりして、運がよければ思わぬ幸運にめぐりあうかもしれない。 し かしながら薄暗い住宅街の一角にあるので、何が起こるかわからない。ホールドアップや監禁されたとしても決して不思議ではないから、決して一 人では行かないこと。ポン引きやタクシードライバーの誘いに乗ってフラフラとついていくなどということは愚の骨頂だ。必ず信頼できるフィリピン人を同行 してほしい。また、連れ出すとしたら、相手の指定する場所へ行くのではなく、自分のホテルに連れてくるのが安全だ。のこのこと女について行ったりした ら、そこで何が待っているかわからない。  

豆辞典 団体客ご用達のカーサ(置屋)



ナイトクラブといえばロハスのインフィニティ、ケソンのペガサス、クラスメイト、空港近くのエアフォースワン等の最高級クラスから場末の店まで、数多くあるが、お勧めはなんと言っても、パサイ市リベルタッドのミスユニバーサルだ。とにかく安くて見ごたえがあるので、いつでも満員だ。少々えげつない ショーもあるので、女性連れはあまりお勧めできないが、韓国のツアー客は堂々奥様連れで楽しんでいる。簡単に紹介すると、舞台に次々と複数のモデルあ るいはダンサーが現れて、ヌードやセクシーダンスを見せるのだが、気に入ったらテーブルに呼ぶこともでき、さらに気に入ったら、連れ出しも 可能だ。 マニラの夜を熱くするミスユニバーサル(内部は撮影禁止)  料金システムだが、入場料(テーブルチャージ)100ペソ、ビール一本55ペソ、それだけでねばって出れば、一人たったの155ペソで済んでしまう。やはりそれだけでは、寂しいので、舞台の気に入った女性を呼んだとする。女性のテーブルチャージが100ペソ、ドリンク一杯を1時間ごとに飲まさなければならず(レディズドリンク)、それが360ペソ。合計、460ペソ/時間だ。したがって女性付で2時間程度居て1000ペソ程度で済んでしまう。これでやっていけるなと感心するのだが、やはり、その後の部分の実入りが大きいようだ。連れ出すとなると、さらに6000ペソ払わなければならない。ただし、別途女性に支払う必要はない。安心の明朗会計で計算を間違えた試しはないし、飲み物を頼むたびに明細にサインを求められるし、勝手にレディズドリンクを持ってくるなどいうことも決してない。 8時ごろから始まって12時過ぎまで、3~4人ずつ舞台で踊るわけですが、次から次へと出てきて、腰につけた番号札は300番台までいっている。店の人の話によると、200人 の女性が働いているというのだから、中には“これはっ”という女性がいるはずだ。また、ソロダンサーのショーはさすがで、思わず目を覆ってしまうほどだす。ちなみに番号札を自分の左につけているのが空いていて、右につけているのが売れているという合図だ。番号札のないのは新人だ。 か つてはかぶりつきといえば日本人が占めていて、フィリピン人が遠巻きに見ているといった図式が成り立っていたのだが、最近は韓国勢が圧倒し、日本人は隅 で小さくなっている。何しろ韓国のツアー客は団体でくるので、無礼講だ。立ちあがってピーピー口笛を吹いていたりするので、後ろにいる人には何も見えない。腹立たしいこと甚だで、そんなときは155ペソで帰ってしまうのがよいだろう。最近は店が反省したのか、韓国の団体客は姿を潜め、再び日本人がかぶりつきに招待されるようになった。奥様連れの団体客では商売にならないのだろう。 さて気になるのはお店に払った、6000ペソの行方だが、聞いた話によると、店が2000、フロアーマネージャーが2000、そして体を張ってがんばった女性が2000だというのだ。一体これはなんと言う搾取だろうか。女性を食い物にしてけしからんと思うと同時に直接交渉すれば、3000く らいで済むかななどとけちなことを考えてしまうのは、誰でも同じではないだろうか。しかし、店も店で馬鹿ではありません。女性が客と直接交渉して店外 デートをして、それが発覚すると、その場で首だそうだ。お互い生き抜くためには熾烈な駆け引きが舞台裏で行われているようだ。 以上の記事は2007年のもので、その後、閉鎖、名称をかえて開店そしてまた閉鎖を繰り返し、今は(2016年)、かつての熱気とは程遠いようだ。

豆辞典 マニラの夜を熱くする ミスユニバーサル


     OFWとはOversea Filipino Workerの略。あえて翻訳すると海外出稼ぎフィリピン人労働者となる。ご承知のとおり、フィリピン経済はこのOFWに支えられているといえるほど大量のフィリピン人が海外に出かけていって外貨を稼ぎ、せっせと国に残された家族に送金している。 統計によると2006年度現在、海外140カ国に在住するフィリピン人は、永住または長期滞在者、356万人、半年以上の滞在者、380万人、違法滞在者、87万人、合計、823万人の上っている。そして、年間の送金額は128億ドルにおよび、国家予算を凌駕する額だ。単純に平均すると、一人頭、1555ドル(19万円弱)、月当たり130ドル(1万6千円)となります。これはフィリピンでは優に一家族が暮らしていける金額なのです。すなわち家族から一人OFWをだすと、その家族は安泰なのだ。一家族平均5人とすると、4000万人を超え、なんと国民の半分以上がOFWの送金で養われていることになる。 街中至る所にあるOFW送る出すエージェントの事務所  OFWとはもっとも身近なところでジャパユキさん(最近はめっきり数が減ったが、彼女たちもフィリピン経済を支えていたのだ)、船乗り(最近の外国航路の大型船は船長以外ほとんどフィリピン人とのこと)、メード(香港、シンガポールの日曜には街にフィリピン村が出現する)、そして中近東の建設労働者、ホテル、レストランの従業員、等々、フィリピン人労働者は世界の産業を支える貴重な労働資源となっているのだ。 リクルートエージェントの前で朝早くから並ぶOFW志願者 な ぜ、これほどまでにフィリピン人は海外に生活の糧を求めるのだろうか。政治の腐敗、貧困というバックグラウンドはあるとしても、それは東南アジアの各国 に共通なものだ。それは、フィリピンという国が長くスペインそしてアメリカの支配を通じて、東南アジアにありながら西洋的な文化を持っていること、さら に世界で英語を話す国民がアメリカ、イギリスについで3番目であること、に起因している。 フィ リピン人は、先進国、すなわち、アメリカ、カナダ、そして日本等で暮らすことに強い憧れをもっている。残念ながらフィリピンという国へのこだわりは大変 希薄なのだ。しかしながら、これら先進国は、彼らの入国をきびしく制限している。そのため、とりあえず、彼らを受け入れる、外国人労働者がなければ国 […]

豆辞典 フィリピン最大の産業 OFW(海外出稼ぎ労働者)