フィエスタ(Fesitival) は日本のお祭りと同様に、地方ごと、町ごとに異なる日に開かれる。その季節になると毎日のように隣町のフィエスタに出かけていき、親戚や知り合いの家に 集まりご馳走にありつくのが楽しみなのだ。事務所のある地域のフィエスタでは屋台が並んだ 外 国人にとっては地方ごとに趣向を凝らした出し物が観光の楽しみとなっている。セブのシヌログなどが有名で、フィリピンに住んでいたらフィエスタめぐりなども いいのではないだろうか。しかし、有名な祭りとなると、どこのホテルも予約でいっぱいで、ホテルがなかなか取れないのが難点だ。 タバコ市のフィエスタのパレード。有名なフィエスタでもない限りこんなもんだ あ る程度の有力者の家となるとフィエスタの準備で前々日くらいから大変だ。一人の知り合いを呼ぶとその一族郎党がジプニーでやってきて大量の食事を平らげ ていく。数百人から数千人の客が来ることもめずらしくなく、ありったけの鍋と皿で料理を用意しなければならない。祭りの料理にレチョン(子豚の丸焼き)は欠かせない。半年ががりで育てた子豚が大量に丸焼きにされ、豚にとってはフィエスタは災難の日となっている。 フィエスタの目玉はご馳走(特にレチョン)にありつくこと。パレードなどは地元に人にとっては重要ではない フィ エスタが近づいてくると、町をこっそり逃げ出す人もいる。周囲からはお金持ちと見られてはいるものの、ここのところ商売の按配がよろしくなく、不特定多 数の客人もてなす資金の余裕がないのだ。そのため、仕事でどうしても海外へ、などと口実をつけて町を離れるのだ。しかしまじめな人は、なんとしてでも 皆の期待に答えようと、なけなしの貯金をはたくかあるいは借金までして、料理を用意する。そして、その借金の返済のために、来年のフィエスタまで一生懸 […]