フィリーピーノ・ファミリーのボスは妻であることは再三触れた。一つのファミリーにも母親や子供の妻、など複数の妻がいる。さらに亭主の彼女などというややこしい存在もある。そうなるとこの妻達の間で誰がナンバーワンの地位を獲得するか熾烈な戦いがあるのだ。 仮に母親が死んで娘達の長女あるいは長男の妻がナンバーワンの地位を獲得したとする。しかし、そこに後妻が現れると話が難しくなる。通常、妻に死に別れると娘は父親の女性関係に非常に敏感になる。なぜならば父親に自分より年下の彼女でもできるとナンバーワンの地位はその年下のハナタレ娘に奪われて、年下の継母のこ憎たらしい命令を唯々諾々と聞かなければならなくなってしまうからだ。花街辺りから連れてきた彼女となると教養も品性も娘たちよりずっと下で、それが家族の長として権勢を振るうことになってしまうのが娘達にはとても我慢できないのだ。若い彼女と娘、二人の板バサミになって父親は途方にくれることになる。どっちを取るのよと両方からせまられて苦渋の決断をしなければならないのだ。若い彼女をとれば、家族から見捨てられることは間違いない。財産も当然娘達に奪われるだろう。最近似たような状況で義理の息子を殺してしまい、自分も自殺したという日本人がいた。 ここで問題なのはこの妻の権勢は家庭だけでなく、旦那が経営する商店や会社にまで及んでしまうことだ。妻と長い年月努力を重ねて築きづきあげる会社というのは日本でも同じこと。その妻が死に若い彼女ができたとすると、その彼女ないし妻はナンバーワンの地位を利用して、会社内部で権勢を振るい始めるのだ。日本人の場合、その動きを悟ることは至難の業だ。知らぬ間にすべてのフィリピーノ社員は新しい妻ないし彼女の下僕になってしまうか、ほとんど役にたたない彼女の姻戚連中でしめられてしまう。彼女のいう通りにならない社員は日本人の社長(旦那あるいは彼氏)に悪口を並べて首にしようと画策する。それでもだめなら、私とあいつのどっちを取るのといつもの手で責めてくる。会社のお金も一部の社員と共謀してバンバン使うだろう。もともとビジネスのビの字も知らない人たちがほとんどだろうから、目の前の利益しか見えない。社員は彼女の言いなりだから、気が付いたときにはニッチもサッチも行かない状況に陥ってしまっているというわけだ。 フィリピンに家族やら会社を持っているということがないならば若い彼女や妻と仲むつまじく暮らすことも可能だろうが、自分の置かれた状況を良く吟味してから行動に移ることが肝心だ。もし色々しがらみがあるようだったら、ビアハウスやショークラブあるいはマッサージ等で浮気を楽しむくらいにしておいたほうが無難なようだ。