野暮用でアンヘレスを訪問した際、フィールドアベニューの両替商を覗いてみた。1ドルあるいは1万円に対していくらのペソになるのかわかりやすく示されている。昼ごろ見た時は1万円で5,155ペソだ。最近連日の円高で、レートがどんどん良くなっている。1ドルが91円台をつけたとも報じられており、この先が楽しみだ。 そして同じ日の夕方、仕事を終えて食事に向ったら、さらに5,175ペソに上がっていた。同じ日のうちにレートが変わるなんて聞いたことがない。一方、金曜のマニラ新聞によるとマニラで一番良いレートの店で5,190ペソだから、アンヘレスのレートも悪くない。 退職者にとって為替レートの変化は死活問題だ。年金や蓄えに頼って生活している人がほとんどだから、その変化に一喜一憂する。2004年~2006年、私がPRAにいた時代は1万円が5,000ペソ前後を推移していた。また、PRA定期預金の金利も良いところで4~5%で、大いにフィリピンに生活することのメリットを説くことができたものだ。換算も1ペソ=2円だから極めて簡単。「100ペソという値段がついていたら、2倍して200円、物価差5倍を考慮して、さらに5倍して、1000円、すなわち、100ペソなら、10倍して1000円、1000ペソなら1万円と思えば、高い安いの判断が出来る」という 10倍理論もこの時登場した。 その後2007年に入ってペソが急騰して、1万円が4,000ペソを割り込むどころか、3500ペソにも達する勢いで、退職者の収入が3割も目減りしたばかりか、利子も半分程度に下降し、フィリピンに住む魅力が大いに減少した。この異常なペソ高は誰にも予測できなかった。しかし、ある目ざとい退職者はそれ以前にPRAのドル預金を全額ペソに変更し、さらにペソの高値の際にドルを買い戻したというのだから賢い。 関連記事は下記にアクセス。 2007年5月22日掲載ニュース「ペソが急騰しています」http://www.pasco-ph.com/main/index.php?pid=352 2008年10月27日掲載ニュース「ペソが急落しています」http://www.pasco-ph.com/main/index.php?pid=481 円高が一段落した今年の前半、4,800~4,900くらいで推移していたものが、ここに来て1ドルが90円にせまる勢いで、対ペソレートも軽く、 5000ペソをこえた。そもそもペソはドルに連動しているので、円高はそのままペソとの交換比率に影響する。ドル建て定期預金の利子が上昇する兆しはまだ見えないが、これが前のように4~5%に戻ったら、昨今の暗い日本を脱出し大挙して退職者がフィリピンに押し寄せるのではないかと期待しているのだが。