退職者の方、お二人をメトロマニラの観光に案内した。観光コースは少し欲張って、イントラムロス、キアポ、チャイナタウン、グリーンヒル、ボニファシオ・グローバルシティ、アメリカンセメタリー、そしてモールオブエイシアと駆け足で回った。 イントラムロスにある世界遺産のサン・アガスティン・チャーチは相変わらず貫禄を示しており、その横のスペイン住居のカーサ・マニラも興味深い。しかし、 この日はまだ早すぎて開場していないというので、近所を散策してみた。そこで遭遇したのが、フィリピン名物のスコーター(スラム)だ。 何故、世界遺産を有する観光名所イントラムロスのど真ん中にこんなスコーターがあるのか、極めて理解に苦しむ。最近、ケソンのSMノース・アベニュー近辺 のスコーターが取り壊された際、住民の抗議で大騒ぎになっていたがここのスコーターの撤去には誰も文句は無いと思う。 無邪気に遊ぶ子供達には罪は無いが、マニラで唯一ともいえる観光の名所、世界中の人が集まるイントラムロスでスコーターはないだろう。先日のバスジャック でも醜態をさらしたばかりのリム・マニラ市長は何をやっているのだろう。名物のベイ・ウオークを撤去し、さらに今日の新聞によると露天商の排除徹底を指示 したそうだ。庶民の生活の糧を奪い、マニラの名物をなくして、何を考えているのか。マニラの浄化作戦というが、庶民的なおもしろいものをなくして、まさに フィリピンの恥部ともいえるスコーターをこの歴史地区に残しておくなんて、なんとも解せないところだ。 同じくイントラムロスにあるフォーとサンチャゴに足を向けた。ここの堀には見事に蓮の花が咲き誇っていた。タバコの農場でも是非、蓮の花を咲かせたいと思っている。 パシッグリバーをわたるとそこはもうチャイナタウンだ。今ではマカティにとって代わられたが、戦前はビジネスの中心で日本の商社や船会社の事務所もここに あった。その近傍にあるのが庶民の信仰を集めるキアポ教会だ。その周辺はリム市長の取締りのターゲットになっている露天商が軒を連ねる。マニラ観光のもう 一つの顔だ。教会の周りは幼いキリスト像のロザリオを売る店が並ぶ。 […]