先日、ラスベガスで世界戦を制し、フィリピンに凱旋したばかりのパクヤオ選手だが、今、フィリピンで最大の関心事である人口抑制法案に対して、宗教界と ともに下院議員として反対の立場を表明している。これに対し、かつて大統領選にも出馬し(ラモス大統領の対抗馬)、毒舌家で有名なミリアム・サンチャゴ上 院議員が、妻のジンキーがピルを使っていたのを槍玉に挙げて、パクヤオを「偽善者」と決めつけ、口を出すなと決めつけた。 これに対して怒ったのが英雄パクヤオの名実ともに生みの親であるマミー・ジョニシアだ。サンチャゴ女史に対して「マラスワ!」と叫んで、「バストス=下 劣」に似たおかしなタガログ語で応酬したのだ。毒舌家とはいえ、UP出身のエリート弁護士のサンチャゴ女史は「他の対戦相手を探す」と言って攻撃をかわし た。毒舌家が毒舌に負けたと、ジョニシア・ママには巷の拍手が沸き起こった。今、この一方は毒舌家のエリート、一方は巷の英雄の母親とタイプの違う二人が お茶の間の人気者となっている。 しかし、おさまらないのがバクラ(おかま)たちだ。マミー・ジョニシアはついでに、バクラが女性ホルモンを摂取するためにピルを使っているのを「ピルを 使っておっぱいを大きくするのをやめろ」といって馬鹿にしたのだ。今度は「人口抑制法案=ピルの解禁」の批准を目指してバクラがデモ行進をして、巷の喝采 を浴びた。 一方、パクヤオは世界チャンピオンとしての活動に忙しい。この日のオークションでは、今回、パクヤオが使用した黄色いグラブが50万ペソという高値で競い落とされた。ちなみに黄色はアキノ大統領の母親時代からのシンボル・カラーだ。