かつてその名声をほしいままにした往年の最高級ホテル、マニラ・ホテル。マニラ湾に面して、イントラ・ムロスとロハス・ブルバード通りをはさんで建っているこのホテルは、マルコス時代、迎賓館として各国のVIPを泊めた。 入り口を入ると、その豪壮なロビーに圧倒される。現在では手に入らない高級木材のナラで内装が作られており、歴史を感じさせる。 マニラ湾沿いにきっと広い庭園とプールがあるに違いないと探したが、雨模様でプールサイドでのブランチというわけには行かなかった。また、プールも特別にこれといった代物でもなかった。 プールサイドの脇にあるビュッフェ・レストランでブランチを取ることにしたが、入り口に掲げられた値段表には一人1000ペソとある。今日は、KIANのパパのカーネル・ヤンさんが休みで同行しているので、ヤヤに運転役のボボイも入れると総勢5人だ。1000x5=5000ペソはブランチとしてはちょっと出せない。 そこで、アラカルトでも注文できることを確認して中に入った。そこでけち臭く注文したのが、いつものパンシット・カントン200ペソ、グリーン・サラダ 280ペソ、クラブ・サンドイッチ500ペソ、それにジャスミン・ティーでしめて1200ペソ。ビュッフェの一人分にしかならない。これで5人の腹が一杯になるはずもないが、当ては例の只のパンだ。 はじめに只のパンが出てきたが、なんとこれを4皿も出してもらって、他の料理が出てくる前にいい加減、腹がくちくなってしまった。そして、そのあと出てきたマニラ・ホテル特製と銘打ったクラブ・サンドイッチがユニークだった。一個の大きな丸いパンをくりぬいてサンドイッチを作り、それを元に戻してあって、一見大きな丸いパンに見える。マカティの中華料理屋、ルートン・マカオで出してくれるパイナップルにはいったチャーハンのようだ。500ペソもするだけあってなかなかの代物で味もよかった。 パンが大好きなKIANはまずはパンにかじりついて、次は好物のパンシット・カントン。一人でむしゃむしゃと食べる様子を動画に収めた。 クラブ・サンドイッチについてきたフレンチ・フライもKIANの好物だ。紙の筒に入ったフレンチ・フライをボボイに分けてやっているが、KIANは人に食べ物を分けてやるのが大好きなのだ。 食事が終わって、ホテルのサービスのコック帽をもらってご機嫌のKIAN。はじめは遠慮がちだったKIANもこのころになるとレストランの中を一人ではしゃぎ回ってウェイターや周りのゲストに愛嬌をふりまいている。KIANの辞書には「ヒヤ(恥ずかしい)」という言葉はないようだ。 下の動画はその夜、KIANが大音響の音楽をバックに1時間近く踊り続けたときのものだ。椅子に座ってからも踊り続けている。9時過ぎのことなのでさすがのKIANも疲れたと見えて、翌朝は遅くまでぐっすりと寝ていた。前日の水遊びといい、活発なKIANにはスポーツが適しているようだ。それでこの日、カーネルも含めたマム・ジェーンとの3者会談でKIANを2歳になったらスイミング・スクールとダンス・スクールに通わせようとの合意が成立した。私を含めて親馬鹿は世代を越えて引き継がれていくようだ。