2012年4月12日追記。 一昨日若い訪問者を案内して、マカティスクエアで両替をしたら、その両替屋でトラベラーズチェックも扱うという看板を見つけた。本当のそうかと店番のモスリムの女性に聞いたら、確かに扱うという。ただし、通常のドル現金比べて、1ドルにつき 1.15ペソ交換比率が悪くなるとのこと。先日、ある退職者の方が退職ビザの申請料、1400ドルと年会費の360ドルをトラベラーズ・チェック(TC)で用意してきた。そこでびっくりしたのが私だ。TCは、フィリピンではほとんど役に立たないのは常識で、ここ20年以上、目にしたこともなかった。この方は、海外旅行歴の長い方で、まさかフィリピンでTCが使えないなんで考えだにしなかったそうだ。 「地球の歩き方」などでも、よく探すと「使用は困難、銀行での現地通貨への交換手数料が高い」などとは書いてあるものの、実際問題、全く使いもにならないといえる。フィリピンでは一番は円の現金で、旅行はこれで十分。ただし、家を買うとか、大きな買い物をする場合は、当地に口座を開いて、円やドルを銀行送金するほうが無難だ。ちなみに1万ドル以上の現金の持ち込みは申告する必要があり、それに違反した場合は没収されることさえありうる。 まず、TCをお馴染みのバンク・オブ・コマースに持ち込んだが、退職者の口座に振り込むことは可能だが、さらに引出して現金化するには21日間の確認期間がいるという。それでは退職ビザの申請もできないし、旅行中の経費にも使えない。次に、両替所で替えてくれるかもしれないというので、マカティ・アベニューの有名な両替店サンリーズに持ち込んだが、あっさりNO。次に、ブエンディアのAXAビルの前にトマス・クックの事務所があり、そこで替えてくれるというので行ってみたが、すでに事務所はない。同じビルの多少付き合いのあるPSバンクによってみたが、やはりNO。 そこで照会されたのが、BPI本店(Bank of Philippine Island)だ。そこなら替えてくれるという。BPI本店にあった両替所では扱っておらず、なんとか対応してもらえそうな窓口を見つけて話をした。なんとかなりそうだったが、最後にBPIに口座を持っている人だけを対象とします、というつれない返事。一般の旅行者が銀行口座を持っているはずがないではないか。また、その際、TCの一方にサインがしてあることが必要で、両方のサイン欄が空白のものは銀行としては受け付けられないというので、これまた注意が必要だ。 最後に旅行会社に相談したら、誰か個人的に割り引いてやるしかないという。すなわち、手形のように手数料を取って現金を受け取り、TCをその割り引いた人の口座に振り込んで、21日間の時間を稼ぐということだ。ちなみに手数料は5~10%になるそうで、TCの購入代も含めて大変な目減りとなる。だから、フィリピンにTCは絶対にもって来てはいけないのだ。 上の写真はTCの交換のためにマカティを歩き回っているときに目にした風景。パソンタモ通り沿いのキングス・コートとマービン・プラザ(ともにかつて私が事務所を構えていたビル)の間、20年以上空き地となっていた所にいよいよコンドミニアム・ラッシュの波が押し寄せてきたのだ。土地のオーナーは長い間土地の値上がりを待っていたのだろうが、この建設ラッシュで相当な高値で売却したのだろう。この部分はパソンタモ通りのごみためみたいになっていて景観を著しく損なう元凶となっていたのだが、このプロジェクトでかなりパソンタモのイメージがアップするだろう。遠方に見えるのはすべてマカティの中心街に建設中のコンドミニアムだ。