Daily Archives: August 10, 2012


8月7日(火)および8日(水)はマニラ首都圏を中心に豪雨に見舞われ、道路のほとんどが冠水し首都機能が麻痺した。所によっては水位が腰まで達して、車の通行を不可能としたが、当方にとっては雨季恒例の道路冠水のちょっと程度の激しいものといった感じで、家に閉じこもっていさえすれば、生活になんら支障を来たすものではなかった。  しかし、この日はビザの取り消し手続きのため、バギオから6時間のみちのりをやってきた客がいた。9時に事務所で会って、早速PRAに向かったが、この日、学校と役所はすべて閉鎖され、PRAの事務所も固く閉ざされたままだった。たかがこんな雨でさっさと事務所を閉めてしまうなんて、全くけしからんとぼやいて見ても始まらない。 PRAのドアは無常にも錠がかけられている  それで、銀行の手続きだけも終わらせておこうと、お馴染みのBank of Commerceに行ったが、なんと、銀行も閉まっている。携帯で支店長に文句を言うと、中央銀行が閉まっているから、とおかしな言い訳をしていた。バギオからまた来てもらうのも心苦しいので、委任状を作成して署名してもらい、あとの手続きは当方が代行することにして、昼食後バギオへ戻ることになった。 頼みの銀行も閉鎖  しかし、そうはどっこい、バスターミナルへ行ってみると、NLEX(北ルソン高速道路)が閉鎖され、北へ向かうバスは全部運休となっていたのだ。 仕方無しに、切符を明日の便に変更して、ホテルへ向かった。 そうこうしているうちに雨は激しさを増し、マカティスクエア近辺は歩道まで水が来ている。道のど真ん中で立ち往生したタクシーを放棄している人もいた。  なんとか、ホテルに送って我が家に戻るころには、すでに道路から車が絶えていた。マカティスクエア近辺は水が出やすいことで有名だが、車道と歩道が区別できず、一帯は湖のようになっている。 水しぶきを上げて走っているのはトラックとジープニーだけで、こんな時でも交通手段として役に立つのがジープニーでまさに庶民の足だ。さらに、こんな時活躍するのがサイドカーをつけた自転車、パジャックだ。エンジンなどという文明の利器は使っていないから水に浸かっても屁のカッパだ。  あとは歩くしかないが、マンホールの穴でも開いていたら、下水に飲み込まれて溺死する危険もあるので命がけだ。  現在、ビザの発行を待っているご一家は、この日勇敢にも、お子さんの入学に必要な出生証明をとりに日本大使館に出かけていった。午前中は良かったものの、パソンタモ沿いのウォルターマートでゆっくり買い物をしている間に、パソンタモ周辺は水に沈んだ。タクシーも走っていない。そこでこのパジャックを使って、当社のゲストハウスのあるプライムシティに決死の覚悟で向かったそうだ。 パジャックは、歩道など道なき道を進んでようやくゲストハウスにたどり着いたそうだが、とんだ冒険にお子さんは大喜びだったそうだ。ゲストハウスの近くの道端では子供や若人が天然のシャワーを楽しんでいた。 […]

大洪水‐頼みの綱は自転車 2012年8月10日