夏休みを利用して、農場のあるタバコからジェーンの甥と姪、4人、さらにマミーやビアンカなど合計6人が、遊びに来ていた。それに息子が日本から戻り、も ともとの住人7人とあわせて総勢14人が我が家に滞在していた。まだこのほかにも、6人の甥や姪が田舎に残っているが、夏休みの後半には彼らもやってくる 予定だそうだ。 その中で、いつも、なんとなく一人でつまらなそうにしているのが、ジェーンの弟、ボボイの3人目の子供のタムタム君(7才)だ。 双子の姉(アレアとアレクサ、8才)と、長兄ダシンの次女バレリー(10才)も一緒なのだが、なんとなく仲間はずれになっていることが多い。 子供達を連れて行きつけのサイカで食事を取ることが多いが、ボボイはタムタム君の面倒をかいがいしく見ている そんなある日、事件がおきた。 KIANがタムタムに絡みついてきたので、タムタムがKIANを振り回して、転ばせてしまい、その折、KIANは顔を床にたたきつけて口びるを切って血を 流してしまったのだ。その話を聞いて寝室に行ってみると、泣き疲れたKIANが、上口びるを大きく腫らせて寝ていた。タムタムは、自分自身がまだまだ幼い 子供と思っているから、4つ下のKIANに対しても手加減というものを知らない。それにKIANは誰彼となくパンチを食らわしたり、足蹴りをかます乱暴者 だから、人が見ていないことを幸いに日ごろのうっぷんを晴らしたのだろう。 3才になりたての子供をやっつけようと思えば簡単な話で、タムタムが人目を盗んで、階段の上からKIANを突き落とすことさえもありうる。そんなわけ で、私からジェーンに「一刻の猶予なくタムタムを我が家から追放せよ」という命令が下された。 この裏には、日ごろからタムタムの存在がうっとうしく思われた私の心理が働いていたかもしれない。 近所のスーパーマーケットで試食品を口にする子供達。中央のちょっとらっきょ頭をしているのがタムタム君。KIANも、この試食品大好きだが、この直後、バレリーがKIANから受け取った試食品を食べてしまい、大騒ぎになった […]