Daily Archives: May 26, 2013


人類の死因の第一位を占める癌。考えようによっては戦争や災害あるいは原発よりも恐ろしい人類にとって最大の脅威であり敵である。しかし、癌は外部のウイルスや病原菌、あるいは毒物が入り込んで発症するのではなくて、人体の細胞の変異によって発症し、人体そのもののが敵となるために、なんとも対処が難しい存在だ。   最近やっていたNHKスペシャルで、癌の原因が、人間の進化、特に脳の発達と生殖活動に起因するという興味深い話をしていた。すなわち、脳の発達に必要な物質をFASという細胞が作り出し、それが同時にがん細胞の成長に必須の栄養素となるのだそうだ。また、精子の増殖は癌の増殖の仕組みと一緒で、ともに人間が人間たるゆえの特性で、そのために人間は、他の動物に比べてはるかに癌に罹病する確率が高いという。まさに癌は人類が進化したゆえに抱え込んだ体内爆弾=宿命なのだ。 カーネルの姪の結婚式に彼の姉妹や子供達がマニラにやってきた。多くの観客を迎えて踊りを披露して喝采を浴びるKIAN  脳の発達とがん細胞の成長の話は、さておいて、癌と生殖の因果関係は、興味のそそられる話だ。人類とチンパンジーは700万年前、共通の祖先から枝分かれして、独自の進化の道を歩んだ。そのため、人類とチンパンジーのDNAの違いはわずか1%だそうだが、その違いの中に癌をめぐる運命的な相違が隠されている。  チンパンジーのメスは、さかりがつくと、生殖器を膨らませて、オスにアピールする。オスは、それを見極めて、効率的に交尾をする。オスのプロポーズは、メスに食料を分け与えることで、お礼に交尾をさせてもらう。しかし、人間のメスは、したたかな策略を弄し、さかりがついた時に生殖器を膨らませてオスにアピールすることをやめた。そうなると、オスはいつ交尾をしたらよいかわからなくなり、のべつ幕無しにメスに交尾を迫らざるを得なくなった。そうしないと、自分の子孫を残すチャンスがなくなってしまうというわけで、結果的に年がら年中オスはメスに食料を分け与えるはめになったのだ。  農場から息子が4人の連れを伴って戻ってきた。今回は皆にはじめての飛行体験をさせるという豪華なご褒美付だ  それがメスの狙いだったが、メスにも事情があった。2足歩行を行うことにより飛躍的に脳が発達して、知恵を獲得した人類であるが、それがゆえに、産道が狭まって、赤ちゃんは未熟児状態で生まれ、数年間は母親の手厚い保護を受けなければ生き延びることができなくなった。その間、メスは自らが食料を確保することができないから、オスをたぶらかして、自分とそして赤ちゃんの食料を確保する作戦に出たのだ。  子孫を残すために、スケベという宿命を神から授けられたオスは、一日中狩をして、メスに食料を貢がなければんばらないという悲しい運命を背負ってしまった。これが、男女の関係の根源的な本質で、要は、メスが食糧確保のためにオスをスケベにして、そのスケベが癌の増殖の元になってしまったのだ。 息子の歓迎会はピザパーティ。お祝いはいつも自分のためと思っているKIANは大喜びのポーズをとる  ところで、スケベと癌と何の関係があるのだろうか。四六時中セックスをしなければならないオスは、メスを妊娠させるために精子の果てしない増殖に努めなければならなくなった。この果てしない無秩序な増殖こそががん細胞のそれだったのだ。だったら、オスだけが癌にかかるのか、という疑問が生じるが、オスとメスの違いは、それこそ、コンマ1パーセント以下のDNAの相違だから、癌になりやすい資質としてはメスもオスも一緒だ。メスの癌といえば乳がんや子宮ガンが圧倒しているが、これら生殖器に癌が集中するというのも合点がいくところだ。  人類が子孫を残そうとする資質が、癌にかかる確立を高めてきたということは、何か皮肉だが、ものごと、いいとこ取りばかりはできず、そのうらに隠されたリスクも抱え込まなければならないということを示唆している。まさに人類の繁栄は癌になりやすいという代償を持ってなしえたのだ。 ゲームとなるとKIANの出番だ。息子のタブレットに興味深げに挑戦するKIANだ  癌にかかるリスクを増大してまでも進化させてきた男のスケベと女の打算。これこそが恋愛の原動力であり、駆け引きであり、男と女のLove Gameなのだ。日本ではこの男女の関係にいろいろとややこしい人的要素が加わって私にとってすでに理解できないものになっているが、敬虔なクリスチャンであるフィリピン人は、神の教えに基づいて、男女の基本的関係を守り続けている。  婚姻を証明する書類のことをフィリピンでは婚姻契約(Marriage […]

フィリピン流恋の手ほどき(その4,癌とスケベと女の打算)2013年5月26日