Daily Archives: March 12, 2014


最近、ママ・ジェーンからKIANの前ではビールを飲んではいけないというおふれが出た。これは一大事、私の人生の最大の楽しみを奪うつもりかと反発したが、敵もかたくなに主張を繰り返し、パパ・カーネルのきついお達しだともいう。 私の日々の楽しみは、KIANと一緒に食事をとる事で、その時のビールがたまらなくおいしい。夜は、食事中にサンミゲル・ビールの小瓶2本、そして、そのあと寝るまでに2本と大体4本くらい空ける。最近はランチにも1~2本飲んで、少々度が過ぎているかなと思うこともないが。 サンミゲルビール(主にピルセンとライトが人気)は圧倒的なシェアを誇る。私は氷を入れて呑むが、そうすれば、飲み終わるまで冷たくておいしい。ビールに氷をいれて呑んだら、フィリピン通の証拠だ しかし、減らせというのならばまだしも、一気に食事中に飲んではいけないというのはいかにもつらい。もし、飲んだら、KIANを一緒に食事させないとまで言い張る。KIANもママ・ジェーンに洗脳されて、私がビールを飲むかどうか見張っている。先日、ママ・ジェーンがいないので、ヤヤもキムも私にビールを飲むことを勧めた。鬼のいぬまに洗濯といったところだ。 ヤヤも、KIANに「Secret、ヒ・ミ・ツ」と言い聞かせた。KIANはわかったようなわからないような顔をして「Secret?」と繰り返した。うわさをすればなんとかやらで、その時、ママ・ジェーンがちょうど帰ってきた。KIANはママ・ジェーンのところに飛んでいって「ダダ(私のこと)がビールを飲んだ」と言いつけた。「フィリピーノに秘密はない。皆に知ってほしかったら、秘密ね、と言えば、あっという間に広がる」といわれるが、まさにKIANは3歳にして、そんな意識をもちあわせているようだ。 セブンイレブンの冷蔵庫に並んでいるビール。サンミゲルのほかにもレッド・ホース、コルト45、などの地元のビールが並んでいるがキリン一番絞りや朝日・辛口も奮闘している(香港等からの輸入品)。ただし、値段は70~80ペソで倍誓い。レッド・ホースはアルコール度が6.9%でサンミゲルの5%より、高い。そのせいか庶民には人気がある ジェーンの主張は、先日、KIANがパパ・カーネルに向かって「パパもビールを飲め、そうすればダダのように強くなる。」進言したそうだ。ジェーンは「ダダはKIANのアイドルだから、ダダのやることは何でも正しいと思っている。3歳のうちから酒を礼賛するようでは、先が思いやられる」と、カーネルがとても心配している、と言うのである。 そもそもフィリピン人で普段から酒を呑む人はあまりいない。酒を飲むのは誕生日などのパーティだけで、食事をしてから、未明まで飲み明かす。したがって、晩酌という習慣はないようだ。酒を飲むときは外に出て、それなりのところで飲んでいるが、もしかしたら皆、恐妻家だからかもしれない。特に女性が食事中に外で飲んでいるのを見たことがない。普段からビールを飲むのはビア・ハウスのGRO(ホステス)くらいかもしれない。 近所のとろとろレストランは、夜になるとビール酒場になる。GROはいないが、夜な夜な、たくさんの男女がビールとカラオケを楽しんでいる。特に土日は昼真っから、テーブルに大量のビール瓶を並べて酒盛りをしている姿がある もともと瓶入りのサンミゲル・ビールを飲んでいたが、ある日、国家警察の警官がビール瓶が爆発してまともに歩けなくなるような大怪我をした。その情報がつたわるやいなや、我が家では瓶ビールが禁止となり、缶ビールに変更された。缶ビールはサリサリには売っていないので、セブンイレブンかスーパーで買うしかない。したがって22~3ペソで買えるものが、一気に40ペソになってしまった。しかし、今回は缶ビールさえも禁止となったのだ。 KIANがボトルから豪快に飲んでいるのは、もちろんビールではなくてただの水。ビールはコップではなくて瓶から直接飲むのがフィリピン流だ もっとも、禁酒はKIANとの食事中だけの話で、食後は自由というのだが、一滴の酒も受け付けないママ・ジェーンは、食前の一杯が格別だということを知らない。ちなみにジョルビーやマクドナルドなどのファースト・フード系は一切アルコールを出さない。一方、ビア・ハウスと呼ばれる庶民の遊びどころは、もっぱらビールしか出さない。 しかも、そのビールが40~50ペソ程度と格安で飲めて、男性客を呼び寄せる売りになっている。ちなみに、かの高級ナイトクラブ、ベイ・エンターテイメントでさえも110ペソだ。GROのレデイズ・ドリンクもビール(どういうわけかサンミグ・ライト)のみで、だからビア・ハウスのGROは皆ビール腹だ(ただし、GROがのむビール200ペソ程度)。ビール=ビアハウス=GROという連想が働いて世の女性軍はビールを敵視するのではないか、と疑いたくなる。 空港に近い、バクララン、エアポートロード沿いには20~30軒のビア・ハウスが並び、夜遅くなると道路にGROがお出ましして、客を店に引き込んでいる ビール無しの食事も、やってみるとどうってことはなく、その代わり、氷入りの冷たい水をがぶがぶ飲んでいる。一方、我が家は大分前から禁煙で、私は、仕方なくサリサリ・ストアで一本買いをして、外で吸っている。おまけに、ビールも隠れて飲まなければならなくなってしまって、肩身がせまい。しかし、内心、健康のためにはよろしかろうと、あえて我が家のルールに従ってはいるのだが、愛飲家と愛煙家にとっては天国だったはずのフィリピンも、そうとばかりは言っていられないようだ。

我が家の禁酒令 2014年3月12日