Daily Archives: November 16, 2014


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人は他人(ヒト)のために生きるというのが、人生の終盤にさしかかった私の結論だった。(参考ブログ「人は何のために生きる 2012年11月11日」参照)。そして、晩年は、ビコールの農場に孤児院を開設して、親に見捨てられた恵まれない子供達を育てようという夢を持っていた。 その後、息子が農場を継いで、フィリピーナと結婚して、農場で暮らすと言いはじめた。そして、フィリピンを基盤として、日本へは一年の半分ぐらいを出稼ぎに行くという。さらに子供は、3人作ると宣言している。そのころには私も現役を引退して、農場で余生を送ることになっているだろう。そうなると、孫たちを面倒見るのは、第一は母親であろうが、父親代わりは私となるだろう。 KIANの得意な寝姿はまるで椅子に座ってパソコンを操作しているような格好だ。家庭教師からABCを教わるKIANだが、彼が意外と勉強好きなのに驚いた。回りで、うろうろしていると手で追い払われる たとえ、日本人を父親に持っていたとしても、フィリピン人の母親とその家族と暮らしていたのでは、瞬く間に現地化して、日本人としてのアイデンティティーを失ってしまう。日本に行っても、たどたどしい日本語では、変なガイジンになってしまうので、日本語はネイティブでなければならない。英語、そしてタガログ語、さらに地元のビコール語は、ほっておいてもこなすようになるだろう。この日本語だけは、私の役割なので、家では、日本語だけを使うというルールのほか、インターネットやテレビで日本語の環境を整え、常に日本語に接する環境を用意するつもりだ。日本語の読み書きもインターネットで自習させなければならないだろう。 そんなことを考えていると、私の引退後の生活が見えてきて、子育てが、私の引退後の生きがいとなるだろうと、喜んでいる自分を発見した。そもそも、子育ては両親だけで行うものではない、家族全員がをれぞれの役割を担って行うものだ、というのが私の持論だ。参考ブログ「恋愛・結婚・家族のメカニズム2009年3月4日」参照。 夜は私のベッドで映画を楽しむのが日課のKIAN、いろいろなものを使っておどけてみせる KIANとの4年半の暮らしで、学んだものは、たとえ他人の子供であっても、子育ては、楽しい、ということだ。別に、何の見返りも期待するものではないが、KIANと一緒にいるだけで人生の充実感を覚え、与えるというより、受け取るものが多い。KIANの喜びが私の喜びであり、幸せだ。カラオケでGRO(ホステス)を相手にしているよりも、KIANを相手にしているほうがよほど楽しい。今や、KIANは私のベストフレンドだ。 甘やかしすぎるという感は大いにあるが、KIANの母親-ママ・ジェーンあるいは姉-アティ・キムがきびしく対応しているので、良いバランスだと思っている。おじいちゃんやおばあちゃんが甘いのは古今東西共通だ。問題は、同居しているKIANのいとこ達には、申し訳ないが、何の感情もわかない、ということだ。不公平といわれるかも知れないが、公平にしなければならない理由も見当たらないし、私は、神ではないから、自分の感情をコントロールする気にもなれない。 小さいころよくやったBeautiful Eyes(天使の瞬き)をやって見せるが、あのころのかわいらしさにはかなわない(右) 最近、退職者の方が、子育ては何のためにもならないという話があった。老後の面倒をみてもらえるわけでもないし、結婚するとさっさと家を出て、たまに孫を連れて遊びに来るくらいで、子育ての苦労に見合うものではないと。しかし、それには異論がある。 知り合いの40代の男性は、40歳で、子供をもうけ、猛烈なやる気が出た、だから60歳になって、その子が育ったら、また子供を作って、がんばるのだと語っていた。我が子のために稼ぐのは、男としての本能だろう。そう考えてみると、恋愛、結婚は子作りの準備段階で、子作り・子育てが本命なのだ。だから、子育ては何かのために行うのではなくて、子育てそのものが人生の目的であり、人生そのものなのだ。 自分が、20代から30代にかけての子育て時代は無我夢中で、子育ては生きがいだなんて悠長なことを言っている余裕はなかった。そして、今、自分の子供が育ってしまい、生きている目的を見失っていたような気がするが、KIANと出会って、子育てこそが、人生の永遠の目的であり、人生そのものなのだと悟ったのだ。 ヤヤ・ドナに見守られてパソコンで遊ぶKIANと大きなガンのおもちゃを担いでご機嫌のKIAN […]

人は何のために生きる(その2 子育ては人生そのもの)2014年11月16日


ここ数年、生理学者から、毎日、メールマガジンが送られてくる。題目は、不老長寿で、健康で長生きするための食生活、食品と薬の効能と害、病気のメカニズム、臓器の役割と仕組み、などなど、幅広い分野を、毎回数十ページで解説し、すでに1000編以上が送られて来ている。そして、最近の話題が、生活習慣病を溶解する(なくす)方法は、糖質制限、すなわち、米、パン、麺類等の主食を制限して、野菜・果物、肉・魚、それにナッツや豆など、たんぱく質と脂肪そして繊維質中心の食生活を行うことだと説いている。これは、最近話題になっている糖質制限ダイエット法の理論的バックグランドでもあるようだ。 生活習慣病とは、ご承知の通り糖尿病や肥満を代表とするいわゆるメタボで、脳溢血や心臓病など、細菌やウイルスによらない、人体そのものの機能障害に起因する病気で、癌もその一部で死因の60%以上を占めている。血糖値や血圧を下げる薬など製薬会社の儲け頭になっているが、これらの病気は薬で完治させることはできず、人々を一生、薬漬けにして莫大な利益を製薬会社にもたらせている。 これらの病気は、すべて、現代人の米、パン、麺類など糖質中心の食生活に起因しており、それを変えない限り、増加する一方で、やがて国を滅ぼす。現に、医療費の増大などによる健康保険の破綻など国家の財政を揺るがす問題となっている。 今日は恒例の土曜食事会にKIANの家族一同が参加して、いつものハーフ塩ラーメンとエビフライの衣、糖質ばかりを食べている。右は、姉のキムといちゃいちゃしているKIAN 人類700万年の歴史のほとんどは狩猟採集生活で、肉や昆虫、魚貝や海草、果物・木の実や山菜などを食して生きてきた。それは常に飢餓との戦いだったが、やがて、牧畜により、牛乳、チーズやバターなどの乳製品を食するようになり、さらに1万年ほど前から農耕が始まり、穀物という食料を安定的に確保できるようになった。 人類は、つい最近になって穀物というものを口にするようになったのだが、これら穀物は、炭水化物あるいは糖質が主で、米、パン、麺類、いわゆる主食といわれるものだ。そして、穀物から主要なエネルギーを賄うことにより、人類は人口を飛躍的に増加することが可能となり、地球制覇を成し遂げた。現代人にとって、穀物抜きでは食生活を語ることはできない。 しかし、件の生理学者は、この糖質の摂取こそが、人類をして生活習慣病に罹病させる原因だと説く。人類は700万年の間、糖質以外の食物を摂取して生きるよう体の仕組みを作ってきた。しかし、糖質を主に摂取するようになって、人体が機能障害を起こし、いわゆる生活習慣病を引起こしているというのだ。ちなみに野生動物は生活習慣病にかからない。しかし、人間に飼われたペットは、人間と似た食生活をするために、生活習慣病にかかり、メタボ犬やメタボ猫が出現している。 さらに、700万年の間、常に飢餓にさらされてきた人類は、食べられるときに食べて脂肪をためて、飢餓に備えるという仕組みを体内に持っている。この蓄えられた脂肪は、現代は飢餓によって消費される機会がないため、体内に蓄え続けられる。これが肥満となり、現在、世界人口の30%、約21億人の肥満とされ、生活習慣病の主因になっている。人類は農耕により、穀物を手に入れ、地球を制覇するに至ったが、その代わりに、生活習慣病という宿命を背負ったのだ。 街で見かけた、生活雑貨の移動販売。私が、子供のころは、豆腐、納豆、金魚、などの移動販売が盛んだった。なにか、昭和の半ばの雰囲気がある 血糖は糖質の摂取で急激に増加する。上昇した血糖値のコントロールのために多量のインシュリンが必要となるので、すい臓の機能の障害が発生し、糖尿病になる。さらに高血糖、高血圧などによる血管と血液の不具合が脳卒中や心臓病の原因になり、糖質は、人体にとって有害なばかりなのだ。特に砂糖はその作用が急速で、糖尿病を加速する一方、麻薬と同様、中毒作用があり、酒やタバコよりもはるかに害がある。さらに、癌細胞の栄養素は糖質から作られるブドウ糖であり、糖質を制限させることにより、癌細胞を消滅させることが可能だそうだ。 このように糖質の制限により、すべての生活習慣病が溶解するのだと学者は説く。 札幌一番ソース焼きそばKIANの一番の好みだ。キムと二人で一本のそばをはじから食べて、最後はめでたくキス。昔、カラオケのお姉ちゃんを口説くのに良く使った手だ 一方、フィリピン人の食生活を振り返ってみると、とにかく米を食べる。米におかずの汁をかけて、大皿に山盛りのご飯をたいらげる。さらにミリエンダ(おやつ)でスパゲッティやピザ、さらに焼きそば(パンシット)など、炭水化物/糖質のオンパレードだ。これは、安価にエネルギーをとる最も効率の良い方法で、貧困を生き抜く知恵でもある。だから、少し豊かになってくると、この食生活の延長で、半数以上の女性がおでぶちゃんになってしまった。だから、彼らは50台ともなると、糖尿病や心臓病で亡くなっていく人が実に多い。 一方、KIANの食生活と言えば、パンシットとご飯、それに鶏のからあげ位のもので、徹底的な野菜嫌いだ。ただ、私の影響で味噌汁と海苔が好物なのがせめてもの救いだが、白いご飯にしょうゆあるいはポン酢をかけて食べる根っからの糖質依存証だ。また、我が家では、ソフトドリンクとジャンクフードを禁止しているが、ジャンクフードのほうは、私に隠れて食べているようだ。これら野放しにしたら、すべての食品が糖質になってしまい、KIANの将来はメタボ一色になってしまう。 今日は、パパカーネルの45歳の誕生日。早朝からケーキにローソクをたててKIANが部屋にやってきた。KIANはローソクの火を吹き消すのが大好きで、いつも誰かの誕生日を心待ちにしている […]

メタボ社会は国を滅ぼす(その6、糖質制限で生活習慣病を溶解)2014年11月15日