2000年台後半、フィリピンにコンドミニアムブームが到来し2010年代前半から物件の完成・引渡しが始まった。多くは、転売ないし賃貸を目論んだ投資目的だから、今度は転売と賃貸のブームとなり、コンドミニアム市場は転換点を迎えている。 ボニファッシオ・グローバル・シティの裏手に開発中のコンドミニアム群はタギッグ市の低級住宅地と隣りあわせだ(左)。スカイウエイからのマカティのビル群の眺望は、相変わらず国際都市と呼ぶにふさわしい(右) とある退職者から、新築のコンドミニアムを完成後(新古コンドミニアム)、第一次購入者から転売・購入して、代金を支払い、物件の引渡しは終了したものの、一向に所有権移転の作業が進展しない、一体どうなっているのか、という質問が来た。詳しい話を聞いてみると、契約を行い、お金を支払い、鍵を預かったものの、仲介に当たったフィリピン人が、全くの素人で、何をすべきかもわからず、ほったらかしにされてしまっていたらしい。仲介手数料さえもらってしまえば、後の面倒な手続きにはそ知らぬ顔を決め込んだもののようだ。そこで、登記移転に当たっての必要書類、手順について下記の通りアドバイスを行った。 所有権の移転に必要な書類は下記となるが、下記のうち1.~4.は物件購入の際、売主に提示を求め、その存在を確認できない場合は、後日、登記移転に支障をきたすので、購入を控えたほうが無難だ。 1. 売主名義の権利書(CCT、Condominium Certificate of Title) 2. 売主が登記したときのCAR(Certificate Authorizing Registration)税務署の権利移転の許可証) 3. 売主名義の納税申告書(Tax Declaration)、および固定資産税(Real Property Tax)の支払い領収書(Official […]