5月26日はキアンの姉のアテ・キムの19回目の誕生日だった。昨年は、18歳の誕生日(デブー、女としてのデビュー、あるいは成人式)ということもあってルートン・マカオで誕生会を執り行ったが、今回は、家で質素に済ませた。 昨年の18歳の誕生日と、ヤヤの作ったケーキで誕生日の予行演習をするKIANとキム。 この日の夕方、2階のダイニングに見知らぬ若者が座っていた。不審な顔をすると、向こうは親しげに話かけてきた。キムの友人だというが、そのアクセントから韓国人であることがわかった。そういえば、2~3度、家にやってきたことがある、マプア工科大学のキムの友人であることを思い出した。 内輪のささやかな誕生会ながらも意外ともりあがっている 彼は、キムの誕生祝に駆けつけたのだ。特につきあっているわけでもなさそうだが、思い出したようにたずねてくるのだ。キムに気があるのは明らかだが、フィリピーノのアタックに比べて実に遠慮深い。ジェーンも女子を口説こうと思ったら、彼のようにまずは家族と仲良くなるのが、先決だと、まんざらでもないようだ。 恒例のHappy Birthday to youの歌のあとは、KIANはキムと一緒にロウソクを吹き消す キムには、なにやらハングル文字で書かれたケーキ、それに大きな誕生日プレゼントを持って来ていた。そのプレゼントを開けてみると、大きなリモコン式のヘリコプターだった。これは、どう見てもきKIAN用で、まさに、将を射んとせば、馬を射よ、の諺を地で行っている。スペインの文化を引き継ぐフィリピンでは、家の外でギターを奏でたり、まさに女心をくすぐる作戦に出るところだが、中国文化の影響を受ける日本そして韓国は、ちょっと異なるアプローチをとる。 誕生ケーキにはKIANの名前もしっかりと書かれている。ヘリコプターはダイニングテーブルいっぱいの大きなものだ ヘリコプターについては、コンド街の中ではちょっともてあそぶので、広い農場で存分遊んでもらうことにして、KIANには当分お預けとなった。パーティは、夜中まで続いたようだが、翌朝、KIANは彼を探していた。ヘリコプターの効果は絶大だったようだが、キムの心の琴線に響いたかどうかは、定かではない。