Daily Archives: July 19, 2015


最近、ビジネスチャンスをうかがってフィリピンに滞在される若い方が増えてきた。不動産取引、英会話学校、コールセンター、日本語学校、人材派遣など、日本の会社あるいは個人との取引を仲介したり、サービスを提供する業種だ。ビジネスに当たって、会社を設立したり、個人的に活動したり、その形態は様々だ。 フィリピンでは、外国人の活動が制限され、ほとんどのビジネスでは、会社の60%の株式(マジョリティ)がフィリピン人に保有されていなければならない(土地の保有もこのようなフィリピンマジョリティの会社に限られる)。ちなみに小売業/レストランの場合は100%がフィリピン資本でなければならず、したがってすべからくフィリピン人の名前を借りて営業をしなければならない。当然のことながら、両者も代表者(社長)等は、フィリピン人となり、このことが多くのトラブルを生む原因になっている。 そうなると、日本人は、会社の代表として、あるいは、小売営業などでは経営者として表に出ることができない。会社組織の場合は、少なくとも役員として経営者の一角と占めることはできるが、小売業では、被雇用者として参画するのがせいぜいだ。そんな法的制限により、日本人が、裏でビジネスを切り盛りするという違法まがいの状況が発生してしまう。 また、一方、会社あるいは個人として政府に登録しないとビジネス行為を行うこと禁止されているので、不動産仲介などにおいて、個人的な活動でに利潤を得ることはできない(フィリピン人の間では、かなり一般的に行われているようではあるが)。ただし、個人の所有するコンドミニアムなどを賃貸する場合は、特に登録しなくても大目に見られているようだ。ただし、最悪、賃貸料にVAT(付加価値税)を課せられる可能性はある。 フィリピンで仕事をする場合、6ヶ月以内であれば、入管からSpecail Work Permit(SWP、特別労働許可証)を取って就労することができる(3ヶ月有効、一回に限り延長可能)。それを超える場合は、労働雇用省(DOLE)からAEP(Alien Employment Permit 外国人就労許可証)を取得する必要がある。さらに、AEPを取得して9gビザの申請中はProvational Work Permit(PWP 暫定就労許可証)が発行されるが、3ヶ月有効で延長は不可)。これは、フィリピンの会社に雇用される場合であるが、会社の経営に参画する場合も原則同じことだ。 これらは、フィリピンに滞在するためのビザ(査証)とは別物で、SWPの場合は、9a(入国ビザ/ツーリストビザ)でOKだが、AEPを取得して長期に就労する場合は、9g(Pre-Arranged Employee Visa 就労ビザ)などの長期ビザの取得が前提だ。ただし、この場合のAEP-9gは、フィリピン人では代替できない高度な技術、日本人でなければできない仕事(日本語の教師、和食の板前など)に限られ、誰でも取得できるわけではない。要は、フィリピン人の仕事を奪うような単純労働者の受け入れを防ごうという狙いだ。 […]

不法就労の落とし穴 2014年7月19日