日本に行くことが決まって一番の悩みはいかにキアンの了解を取ることだった。ほとんど毎日、出迎えと塾や習い事に連れて行って、週、二回外で食事を取ることがキアンにとって無上の喜びだ。それが一週間無しとなると、キアンがどんな反応を示すか、想像が出来なかった。話をしてみると、キアンの関心事は私がフィリピンに帰ってくるのか、ということで、そうであれば行ってもいいと、なかなか分別がついてきたようだ。かつては、ほんの2~3日の留守でも大泣きしてしまったのとは大違いだ。その代わりに出発の前日の土曜は、10時からはじまるピアノのレッスン以降、夜まで私と外で一緒にすごすことを許され、さらに一緒に寝ることにまでなった。 一直線で上に向かう飛行機雲、キアンもこのようにまっすぐ伸びて欲しいものだ ピアノのレッスンの後は、お気に入りの樹海でランチ、注文はお決まりのエビフライ定食。そしてロックウエルの銀行で用を足した後、ドリーム・プレイに向かった。キアンにとっては最高の遊び場だが、二人で1700ぺソ近いお金は日本の水族館やスカイツリーと一緒だ。ドリームプレイで夕方まで過ごし、再び、マカティスクエアの樹海で夕食、さすがにことの時は焼肉定食を注文した。 ドリームプレイでご機嫌のキアン 何も知らないクッキーは口をとがらすしぐさをするようになった 出発は午後なので、午前中はキアンと過ごした。その時、なにも思ったのかキアンが文書をしたため、一週間後には戻ってくるとの確約書を渡された。キアンにとってはこのまま私がいなくなるのではないかという不安が払拭できないらしい。 キアンの書いた確約書、上の日付は私が書いた帰国までのカレンダー 皆で空港まで送ってくれたが、キアンはいつまでも窓から私を見送っていた。この後、離陸まで数十回のメールのやり取りがあった 私にとっては一週間という時はあっという間に過ぎてしまったが、キアンにとっては長かったらしくて、私の部屋でテレビを見たり、私の席のとなりで食事を取ったり、常に私の存在を感じながらすごしていたそうだ。 家に帰ってくると、クッキーがお座りができるようになっていた