Monthly Archives: March 2019


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DBP銀行で、SIRVビザ申請者がBOI(投資庁)に預託している約400万ペソのお金の小切手(MGR’s Check、銀行振出小切手)を作成してもらおうとしている矢先、電話がけたたましくなった。昨日SRRV を取得した退職者の方からだったが、電話に出てみると、日本大使館付近で道路を横断したら、警官に捕まって4000ペソの罰金を支払えといわれている。そんな法外なお金なんかとんでもないことなので、警官に交渉してくれて言うのだ。銀行内で話をしていると警備員に追い出されて銀行の外のロビーで電話を続けたが、ロードがなくなったらしく切れてしまった。そうしたら別の電話でこちらから電話をしてほしいとメッセージが入った。 注 DBP:Development Bank of the Philippine、SIRV:Special Investors Resident Visa、BOI:Board of Investment 警官と話をしてみるとギャーギャーと、いかに退職者が規則を犯したかまくし立てている。たしかに歩行者も取り締まるとはアナウンスされているが、歩行者の信号無視なんていまだに日常茶飯事で、取締りと言ってもせいぜい注意される程度で交通係官も相手にしていない。だから、これが外国人目当てに金をせびるけしからん悪徳警官の仕業であることには間違いない。 こちらも敵意むき出しに、そういうやつは、パサイ警察の署長カーネル・ヤン(キアンのパパ)にレポートしてやると脅した。ちなみに日本大使館はパサイ市でまさに彼のテリトリーなのだ。そこで件の警官も負けておらず、それならその退職者をドテルテ大統領に報告してやる息巻いていた。パサイ警察の腐敗を一掃するためにカーネルが乗り込んだのだが、まさに末端まで腐敗しきっているようだ。 […]

「CALL ME NOW」2019年3月29日


フィリピンでは高校生からアラフォー(40歳前後)の世代のほぼ100%がFace Bookの愛好者ではないかと思う。Face BookはビジネスPRにも使われているが、もっぱら、個人的な交流の手段として使われているようで、仕事を持たない主婦や学生は一日中、Face Bookを眺めて時間をすごしているようだ。人の生活ぶりを覗き見ては、ため息をつく一方、逆に自分の生活を紹介して、いかに人に羨んでもらえるかということに考えを巡らしている。要は巷の自慢話や噂話(井戸端会議)のSNS版だ。 誰かがどこかのレストランで食事をとったら、自分も行ってみようと思う。誰かが日本に行ったの知って自分も行きたいと思う。誰かが家を建てたら自分も家を建てたいと思う。車も宝石も、服に靴も、そして恋人も、なにもかも人まねだ。そして日夜、旦那や彼氏に訴えて思いを実現しようと試みる。スポーンサーがいなければ「いつかは」と夢見ることになるが、 どういうわけか、決して自らの努力で実現しようとはしないようだ。もっともFace Bookを眺めているだけでは何も実現できるわけがないではあろうが。要は行動の原点がFace Bookの情報なのだ が、全世界から寄せられる情報にもとづいて日夜、嫁から責められる亭主としてはたまったもんではない。 そして、人に誇れる体験をするチャンスが来るといかにそれがすばらしいものだったか、羨むべきものかしきりにアピールする。撮影ポイントに来ると、それが何であるかはそっちのけで、様々なポーズと背景で写真を取りまくる。人が見て「いいね」と思えばそれでいいのだ。京都でガイドさんをやっている人は、フィリピン人は自分の説明など誰も聞いておらず写真だけを取りまくっていると嘆いていた。 そこでは、自分がどう思うかではなくて他人がどう思うか、どれだけの「いいね」をもらえるかが判断基準となる。いわば、インスタ栄えすることが重要なのだ。したがって、写真を撮る時は自分が描いたシナリオに沿って演技することになるが、その演技に周囲の人まで参加させるのが実にうっとうしい。でもフィリピン人はそれに喜々として参加しているようだ。どうせ演技ならば、このブログの表紙写真(キアンのダイビングの瞬間)のようなのを載せてほしいと思う。 ただ一つ役に立っているのが、彼女の動向を知る鍵となっていることだ。何でも自慢したいから、どこへ行ったとか、彼氏がどうとか最大限もらさず載せており、一体何を考え、行動しているかが手に取るようにわかる。よくも、こんな状況でこんなものをアップするかと感心するくらいに、浮気の証拠写真まで載せてくれている。 要は自慢話の競いあいで、負けたと思うとさらに競い合う、全ての行動の動機がFace Bookであって、行動の満足度もFace Bookが判断基準なのだ。自我というものがそこには存在しないわけだが、Face […]

FACE BOOKの功罪 2019年3月24日



私の息子、恵之に待望の子供(リオ、男の子)ができて一年ほどたった。日本から半年振りに返ってきた息子が、どうしてもリオがなついてくれない、と悩んでいた。その内なれるさと、気にも留めなかったが、私自身、実は抱っこさせてもらったことがなかったのだ。 そんなおり、リオの一歳の誕生日を兼ねたバプティスマルに、嫁の実家のヌエバエシアに招待された。そこで息子は、リオを抱っこすれば泣かれて、せっせとご機嫌取りをするものの、子供を持ったという気分がしないとぼやいていた。リオはいつも近くにいたおばさんやおじさんにべったりで、この人たちはリオをわが子と勘違いしているのではないかというくらい可愛がってくれていたが、息子としては返って納得がいかない。一体誰が親なんだと。 息子夫婦は私の住まいの近所に住んでいるのだが、毎朝、息子がリオを抱っこして家に連れてくる。そうこうする内に、リオは息子に散歩をねだるようになり、かつ息子が一人ででかけようとすると泣き出してどうしようもないと、息子が逆にぼやき始めたのだ。しかしながら、私が手を差し出してもそっぽを向いて絶対に寄ってはこない。 逆に一緒に住んでいるクッキーは分け隔てなく愛想を振りまいてくれるし、キアンにあっては、本人どころかママ・ジェーンまで私無しでは生きていけないとまで言い切る。友達や外で他人と話をする時はもはや少年の趣を見せるキアンだが、私の前ではいまだに赤ん坊のままだ。 血のつながりは親子の愛情とは何の関係もないのか、と疑問に思うが、私の持論は「わが子だから可愛いのではなくて、一緒に暮らしていると愛情ホルモン(オキシトシン)が出て愛情を抱くようになる」というものだ(脳内革命、第2弾 2014年5月10日)。だから離れて暮らしている父親が、いくらわが子だからと思っても、本能の赴くままに生きる赤ん坊にとっては血縁などはどうでもよいのだ。要はそばにいて面倒を見てくる人が大事なのだ。しかし、それだけでは判定できない挙動を幼児が示すことに気がついた。 マイカティ・スクエアの地下に「満腹」という焼肉レストランがある。まあ、こんな場所にと思っていたが、試しに覗いてみたら、意外といける。特に並み焼肉セット(1300ペソ)は大人4人が十分食べられる代物だ。ちょっと高いがステーキ(850ペソ)も量が多くて二人で食べて丁度よい。 ここに、キアン、クッキー、それにリオを連れて行った。ミルクが主食のリオはひとしきりすると寝てしまうが、2歳になったクッキーは遊びまわっている。そしてウエイトレスの面々に抱っこされて上機嫌だ。そこでご主人が優しく手を差し伸べると、クッキーは態度を豹変させてそっぽを向いてしまったのだ。 そして年明け、そんな命題も忘れかけていたころ、退職者の方を外の道路まで送るために歩いていたら、ヤヤに連れられたクッキーとすれ違った。そうすると、クッキーは退職者の笑顔に対して、恐怖に引きつったような顔をしてヤヤに抱きついたのだ。退職者の方も訳がわからないという顔をしていた。 息子夫婦は嫁とリオの日本入国ビザを無事にとって、かつ自分自身の13a(配偶者ビザ)もぎりぎりで取れて、先日、3月1日、晴れて日本に出かけて行った。目的は、お婆ちゃんや、おじさん・おばさん、それに従姉妹たち(要は私の家族)にリオをお披露目することだ。それからもちろん嫁の強い日本旅行への思いを果たすこと。 出発前からお婆ちゃん(私の妻)の熱い思いが伝わってきた。なぜか、孫に会えるということで感激しているというのだ。私にはちょっとわからない感情なのだが、まだ見ぬ肉親に恋焦がれていたのだ。 そして、面会を果たしたら、直ちに抱きしめて離さそうとしなかったそうだ。近所に住んでいる私の息子(三男)には二人の女の子、9才と6才がいるのだが、彼女たちの可愛がりようも尋常ではなかったらしい。 リオが女好きだというわけでもあるまいが、私にはいまだに抱っこさせないくせに、彼らには会う早々からべたべたなのだ。どうもこれは愛情ホルモンだけの問題ではなさそうだ。 ライオンは群れを乗っ取ると、まず子ライオンを食い殺して、メスを発情させ自分の子を宿すようにするそうだ。そしてライオンをはじめ多くの動物は雌が共同で子育てをする。オスはいつも自分の縄張りを守ることに必死で家族を守っている。すなわち動物の赤ちゃんにとって外部のオスは自分を食い殺す恐ろしい存在で、メスは自分の親でなくても面倒を見てくれる優しくて頼りになる存在なのだ。 幼児に男と女を見分けることができるのか、あるいはそんな智恵を持っているのかという気もするが、長い動物の歴史の中でDNAに刻み込まれた本能なのではないか。そもそも恐怖という感情は身を守るためのセンサーで逃げる/避けるという行動のスイッチなのだから、幼児は外部のオスにたいしてそのスイッチがはいるという本能を持っているに違いない。 ちなみにリオの警戒心は父親の友人などすべての男を遠ざけ、唯一おメガネにかなったのがおじさん(介哉、私の三男坊)だけだったそうだ。介哉の分析によると、父親の恵之と声が似ているからに違いないというものだが、女の声は赤ん坊にとって安心感、男の声は恐怖心を与えるものなのだそうだ。

幼児は何故大人の男を避けるのか 2019年3月19日


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最近巷を歩いているとやたら中国人の姿が目立つ。マカティのはずれ、わが家の近傍のマルーガイ通りの新築高層コンドミニアム街を車で通ると若い中国人でごった返している。一説には数百万人の中国人が流入しているといわれているが、たしかに退職ビザ(SRRV)を発行しているフィリピン退職庁(PRA)には相変わらず中国人の申請者でごった返している。しかし、その数百倍もの中国人が9a(ツーリストビザ)で入国して、その多くが違法に就労しているというのだ。 先日、同じくマルーガイ通りにある事務所ビルで276人の中国人が9g(ワークビザ)やAEP(就労許可)をとらずにオンライカジノのコールセンターで働いているのが発覚して、摘発・収監された。現在、不法就労者の摘発が活発で、9gやAEPの発行も厳格に行なうという措置が取られている。それであおりを食っているのがSRRV保持者で、就労のためAEPを取ることが難しくなっているのだ(それに対してPRAはSRRV 保持者はAEPが免除されるという施策をとろうとはしているが)。 これに対して、中国から多額の融資を引き出してインフラ整備を推進するドテルテ大統領は、「中国人にも働かせてやれ、中国人を本国送還すると中国もお返しにOFWを本国送還される」と中国人に対して寛容な姿勢でいる。そのため相変わらずの就職難にあえぐフィリピン人はドテルテ大統領に対して、「中国人がフィリピン人の仕事を奪っている」と批判する。しかし、コールセンターは中国人向けのサービスで中国語が流暢でなければならず、その批判は必ずしも当たっているとは思えないが。 そんな折にこの「LRTタホ事件」が起きた。ちなみにLRTはMRTと同じく高架鉄道のことでメトロマニラを一周する路線(山手線、一部つながっていないが)と東西を横断する路線(中央線)があって庶民の重要な足となっている。これらの路線の南北、東への延長と地下鉄が建設ないし計画されており地獄の渋滞の解決の切り札と期待されている。 一方タホとは豆腐のことで絹ごし豆腐に糖蜜と粒上のゼリー(サゴ)を混ぜて10~20ペソ、街中いたるところで売っていて、庶民の重要な通勤途上の腹ごしらえになっている。 LRTでは、テロ対策として液体の車両への持込を禁止している。駅に入場する前に廃棄ないし飲み終わらなければならない。そんな警官の指示に対して激高した中国人女性(23才、デザイン学校在学中)が、その警官にタホを投げつけたのだ。 女性はその場で逮捕され、侮辱罪として起訴、国外追放の処置が取られることになったが、この中国人女性の態度に批判が巻き起こった。そもそもフィリピン人は外ではたいへんやさしくて礼儀正しいのだが、日ごろ、中国人の態度が燗に障っていたフィリピン人が、中国人の排斥運動にもつながりかねないほど炎上してしまったのだ。私自身はじめは、LRTの措置に炎上したのか、中国人の勇気ある行動に拍手喝采したのかと思ったが、フィリピン人の反応は逆だった。 PRAの担当にこの話をしたら、件の中国人女性は同伴者として退職ビザを取得しているというのだ。早速、退職ビザは没収されるのかと聞いたら、ノーコメントだった。さらにカーネルにも報告が入っていて、重要事件としてアルバヤルデ国家警察長官にレポートを上げているという。彼女は多分国外追放になるだろうとのこと、フィリピンでは人前での侮辱は国外追放にもなりかねない重罪なのだ。 件のタホを投げつけられた警察官は、その場で激高することもなく冷静に対処したということで、アルバヤルデ長官から栄誉賞を与えられた。たかがこんなことでと思うかも知れないが、こんな状況で冷静でいることができたということはフィリピン人としては栄誉賞にも匹敵する名誉なのだ。 この事件以来、中国人の公共の場での不謹慎な態度が気になり始めた。マカティの入管事務所で順番を待っていたら、5~6人の中国人が大声で語り合っている。さすがにセキュリティガードが注意して収まったが、我々が注意したら返ってどやされるかもしれない。PRAでも、5~6人の中国人が、待合室の真ん中で大声で話し合っていて、その脇をすり抜けるフィリピン人同士が目と目で合図をしていた。とにかく中国人の声はでかいのだ。 PRAのあるバレロ通りはマカティのオフィス・コンドミニアム街の中心だが、そこを歩いていたら、中国人のカップルが赤信号で道を渡った。フィリピン人の歩行者は、信号などお構い無しで自己責任でなんでもありだ。この中国人もフィリピンの習慣に従ったつもりだったのだろうが、その反対側で男が大声で注意した。思わず振り返って顔を見たが、中国人の不謹慎な態度に業を煮やしたフィリピン人と思いきや、ひょっとすると中国人ではないかという気がした。とにかく、外でフィリピン人が他人に怒鳴るようなことはありえないのだ。 退職ビザの申請者に中国系のマレーシア人がいた。まだ40歳程度の若い人だが、海外での中国人(中国本土)の態度は目に余るものがある。だから、彼は自分は中国人とは言わず、マレーシア人と言っているそうだ。 さらに何を隠そう、ママ・ジェーンとパパ・カーネル(ヤンさん)はその名のごとく中国人のハーフだ。したがってキアンもハーフなのだが、彼らも中国人は礼儀知らずだからきらいだと明言する。ちなみに中国系のフィリピン人は周囲にごまんといるが、彼らはあくまでもフィリピン人なのだ。 話は変るが、カーネルが空港やモール・オブ・エイシア、さらにカジノがあるパサイ市警察署長となった。ランク上は横滑りなのだが、パサイ警察署が汚職や麻薬にまみれた最悪な状況にあるということで、パサイ警察署のNo.1とNo.2が更迭されて、上部組織にあたる首都圏警察のNO3.のカーネル・ヤンがアルバヤルデ長官の肝いりで送り込まれたのだ。ここで手柄を上げればドテルテ大統領の目にもとまってゼネラルへの出世は固いと思うが、その反対もありうる正念場だ。因みの彼の顔を見れるのは週に一回程度と、一日24時間、週7日の過酷な勤務が続いている。

LRTタホ事件が炎上、比中国際問題に発展か? 2019年3月17日