8月3日(月)早朝、防疫隔離措置が4日よりMECQに再強化されるというショッキングなニュースが流れた。おりしも4日(火)にPRAとのアポが、2週かがかりでやっと取れて、ID更新など数件の案件を処理する予定だった。MECQになれば、PRAは閉鎖され、当面案件の処理はできなくなる。それらを3日(月)のうちに処理しようとPRA内部にコンタクトを取って、朝からてんやわんやでなんとか終わらせることができた。 翌日(4日)PRAと入管の通達を手に入れたが(PRA通達8.3、入管通達8.3参照)、案の定、最低限の業務以外については、早々と機能停止を決め込んでいる。一応、18日までとは期限を区切っているが、政府の通達に従ったものでしかなく、政府は、この先も延期、あるいはさらにECQに規制をより強化するかもしれない。とにかく、毎日、新規感染者が4000、5000、6000人とうなぎのぼりなのだ。この点は日本と状況が同じで、医療関係者も医療崩壊を引き起こすと声を大にして大統領を突き上げている。一方、大統領も国には食糧支援を実施する金もないと、宣言しており、MECQではレストランでの飲食の禁止、公共交通機関の停止など、それらに従事する大量の貧困層が再び職を失い、生き延びる術を無くしてしまうだろう。 貧困層でなくても、すでに5ヶ月間の操業を制限されてきたビジネス界も、もはや限界で、この先、どれだけ続くかわからない隔離措置に嫌気をさして、廃業という選択肢を選ぶ企業も出はじめている。例えば、子供達の天国キッザニアが廃業を決断したが、ここでも大量の失業者が発生して生きて行く術を失った。私のビジネスも同じで、永住ビザの代行業にとって外国人が入国できず、PRAや入管が閉鎖してしまったら、ビジネスのネタが消滅してしまう。2~3ヶ月で状況が改善するものと期待していたものが、すでに5ヶ月たってしまったが、この先、いつまで続くかわからない状況では、まさにこの世の末だ。 そんなフィリピンの状況を象徴するような事件が発生した。3日朝、MECQへの規制強化でバタバタしている折に、マニラ新聞で報道されたのが、ラグナ州、カブヤオで一人住まいの日本人老女(82歳)が強盗に殺された事件だ。手足を縛られ、猿轡をされて絞め殺されたという悲惨なものだが、日本のニュースでも流されてフィリピンの治安の悪化を印象付けた。遠因がコロナ隔離措置があるのか、いつでも起りうるもの盗りなのかは定かではないが、封鎖で食い詰めた貧困層が富裕層から収奪するという混沌の世界に突入してしまうのではないかと一抹の不安がよぎる。 さらに5日(昨日水曜)のテレビではレバノンのベイルートで、まるで核爆発のような大規模な爆発が発生したことが報道されていた。タガログ語のニュースなので、よく様子がわからず、核爆弾でも投下したかのような巨大なキノコ雲の映像が流され、すわ、第3次世界大戦かと勘違いしそうになった。肥料の原料になる硝酸アンモニウムが大量に貯蔵されていて、何らかの原因(過失あるいはテロ)で爆発したそうだ。核爆発でなかったものの、被害は惨憺たる有様で、当地の人にとっては、この世の終わりと思ったに違いない。 先月の熊本の水害もすさまじいものがあったが、コロナで動きがとれない状況の災害で、まさに、この世の末がやってくるのかと思わせる一週間だった。8月1日からは隔離措置の緩和で、農場に疎開してゆっくりと長丁場に備えようと思っていたのだが、とんでもない8月が始まってしまった。