Monthly Archives: October 2020


コロナの影響で、3月15日の封鎖以来、リトル東京の日本食材店の山崎で豆乳が手に入らなくなってしまった。毎朝の自家製豆乳ヨーグルトのおかげで腹の具合が絶好調だったので、しかたがないから牛乳でヨーグルトを作って食すことにした。どちらかといえばヨーグルトといえば牛乳が本家なのだが、乳製品は、年寄りにはよくないと言うことで遠慮していた。 しかし、それが半年以上続くということは全くの想定外だった。腹の調子はいいのだが、最近、知り合いの生理学の教授から牛乳は癌を育てるという、手厳しいメールマガジンをもらって、これからさらにどれだけコロナ封鎖が続くのか見当もつかないので、思い切って自家製豆乳に挑むことにした。以前、フィリピンに永住を開始した頃(2003年)、自家製の豆腐と納豆を作ろうと挑んだことがあって、豆乳だけは簡単に作れたという覚えがあるので、何とかなるだろうと思っていた。 ママ・ジェーンに大豆とミキサーを買ってもらっていざチャレンジした。レシピは簡単で、大豆を一晩水につけて、それを同程度の水と一緒にミキサーにかけて、さらに10分ほど煮立てて、あとは絞るだけ。残ったのかおからになるわけだ。 子守役のマミーソン(ジェーンの叔母)がかって出て、やってくれたのだが、ミキサーにかけるまでは良かったが、それを火にかけないで、そのまま絞ってしまって、そのあと火にかけるということだ。途中で、違うと言っても、やり方は色々あるのだと強情をはる。おからも生では食するわけにはいかないし、水の量もやたら多くて、出来上がりは、やけに薄味の豆乳なってしまった。 一応、ヨーグルトを作ってみたが、出来上がりは、固形分が分離して半分以上が水になってしまい、ヨーグルトの体をなさなかった。すぐにでも豆乳ヨーグルとを食することが出来ると期待していたのだが、仕方なく牛乳ヨーグルでもうしばらく我慢することにした。  次に自分自身でチャレンジしたのだが、絞る段階で、使った布の目が細かすぎるのか、ミキサーの粉砕が不十分だったのか、豆乳が布を通過してくれない。仕方が無いので、比較的目の細かいステンレス製の料理用の網でこしてみてなんとか豆乳らしきものができた。しかし、豆乳らしい香りも何もない、豆乳らしさのないしろもだった。冷蔵庫に一晩寝かしてみたら、固形分が全く分離してしまっていて廃棄するしかなかった。 こうなると豆そのものがおかしいんじゃないかと疑いの目が向く。また、我が家に料理用の秤がなくて、豆100gに水400ccとレシピに書いてあっても、豆の重さが量れないので、目分量になってしまい、水が多すぎたり、少なすぎたりまちまちになってしまったのも原因と思える。 こうなってくるとママ・ジェーンが名誉にかけて作って見せると登場した。いつもお手伝いしていたメイドも多少ノウハウが出来てきたので、比較的スムーズに進んだ。しかし、出来上がってみると、どうも豆乳と呼べる代物になっていない。ヨーグルトをさ作ってみても固形分が分離して、香りも、豆乳とは似ても似つかない。 作り方がいけないのか豆そのものが問題なのか、大枚を払って豆乳メーカーを買っても豆がだめならどうしようもない。そこで結論としては、ママ・ジェーンの行きつけのキャッシュ・アンド・キャリー(大型スーパーマーケット)で中国食材コーナーで探してみることになった。ただし、くれぐれも甘味料の入っていない豆乳100%の製品を買ってくるように念を押した。 メールマガジンによると、豆乳ヨーグルとは不老長寿の特効薬のようなもので、癌に栄養を補給して大きく育ててしまうという牛乳からおさらば出来るのは、また少々先になりそうだ。

自家製豆乳に挑戦 2020年10月25日


先日、ショッピーのオンライン・ショッピング・サイトで発注したキャデラックとジープのレゴは、模造品なので中国から発送され、時間がかかる。待ち蹴れないので、フィアット500の純正品を大枚7000ペソをクレジットカードで支払って購入した。純正品ならマニラにストックされているので、数日で届くはずだ。しかし、どういうわけかキャデラックとジープが届いてもフィアットが一向に届かない。キャデラックとジープの組み立ても終わって、発注から10日ほどしてやっと届いたのが、なんと黒い袋にピンクの小さなゴムのバネが一個だけだった。しかし、伝票はしっかりついていて、ショッピーのサイトのお知らせを見ても配達済みとなっておりその確認を求めてきている。 荷物を受け取ったヤヤも何がなんだか訳がわからないで、そのまま受け取って天日干しにしてあった。私が、それを見てキアンと事の次第をきいて、やっと詐欺にあったのだと認識できた。そこで、ショッピーのサイトを良く見ると到着確認の他に返却ないし返金のアイコンがあって、さらに理由は「商品が届かない」として空の袋の写真とピンクのバネの写真を送った。他に商品が気に入らないとか、壊れているとか、部品が不足しているかなどあるが、この場合、あきらかに意図的な詐欺行為であるので、売り手との議論の余地はない。こういう事態にどうショッピーが対応するか、この辺がオンライン・ショッピング・運営サイトの腕の見せ所と、ちょっと楽しくなってきた。 息子の話によると、ショッピーは個人の売り手も商品を掲載することができて、この手の詐欺が横行しているらしい。したがって、商品を購入する時は売り手を吟味して評判の良いところから買わなければならないとのこと。さらにCOD (キャッシュ・オン・デリバリー)が原則とのことだが、当方は現金がなく、ATMで引き出しにいくことも出来ず、さらに配達員からお釣りをもらうのはコロナ感染防止の観点から望ましくないということで、クレジットカードを使って前払いせざるをえなかったのだ。 その日の内にE-メールで返答が来て2日間売り手から反応がなければ自動的に返金を承認するとのこと。文面からショッピーの売り手への支払は、商品の到着と受取を買い手に確認してから行なう仕組みになっているようだ。私の商品が届かないというクレームに対しては何のコメントもないので、コンピューターでの自動返信のような気がする。 空の袋だけでは売り手も議論の余地もなかろうと思うが、案の定、何も連絡も無しに2日間は瞬く間にすぎた。3日目の夜中に、返金を決定してすでに私のクレジットカードに返金したというお知らせがオンライン・サイトに来ていた。夜の12時過ぎだから、どうもこれもコンピューターの仕業らしくて何のお詫びもない。しかし、ここまでは順調に推移したのだが、最後の詰めとして本当に返金が実行されるかどうかだ。 よく月曜日、早速クレジットカードを発行しているバンク・オブ・コマースの馴染みの支店長にお金が戻ったかどうか問い合わせたが、支店ではクレジット・カードの記録にアクセスできないので、カスタマー・サービスに連絡を取って欲しいとの返事。私の苦手な電話での問い合わせなのだが、やるしかない。 携帯では音声が途切れるのでランドラインを使って、キアンのオンライン授業が終わった午後から意を決して問い合わせに挑戦した。案の定、自動音声でこの場合は1番、あの場合は2番、と私の苦手なアメリカン英語で流暢に早口でまくし立てる。何回かかけてようやく生の声にたどり着いて、長々と状況を説明して、記録を調べてくれたが、まだ返金の記録はないと言う。たしかに日曜の早朝にショッピーから返金の通知が来て、まだ月曜だから無理かもしれない。しかし、この電話での問い合わせを繰り返さなければならないというのはなんとも苦痛だ。 一方、ショッピーのオンラインサイトを眺めてみると、件の詐欺士の出展が相変わらず掲載されている。ショッピーとしてこのようなけしからぬ輩を排除するという姿勢はないようで、マニュアルにしたがってこのようなクレームを処理するだけらしい。その後、サイトを覗いてみると本件に関して新たな通知が来ていて、返金には7~14営業日が必要とのこと。最初の通知ではすでに実行済みとあったが、とんでもない実行済みだ。これでしばし憂鬱な電話をしないでも良いのでほっとした。 11月13日追記:そして14営業日が経過して、いよいよサービスセンターに電話した。あそこまで返金するとアナウンスしているのだから、すでに返金されているのであろうが、それでもまさかの時に、返金されていないとしたら、支払をストップするなどの対抗手段がとれない。その後、それを取り返す努力は多大なものになって泣き寝入りということもあるだろう。そうなるとたかが7000ペソとはいえ一生の不覚として一生忘れられないメモリーになる。ということで、電話をしたら、前回の翌日には返金されてたとのこと。案ずるより生むが安し、ということわざのとおりだった。 ところで、レゴの組み立てについては、キャデラックとジープに取りかかったが、両方とも純正品に引けをとらない、部品は完璧であり、出来上がりも部品がぽろぽろ落ちてしまうこともなく完成した。模造品であるので、キアンはキャデラックの組み立てには全く興味を示さず、私だけがじっくり取り組んで完成することができた。ジープは平日は携帯の使用を禁止されたキアンが暇をこいて、取り組んでたったの2時間で終えてしまった。感想は、模造品を嫌っているので、ためらいながらも完璧と評していた。 したがって、次回はキャでラックの片割れとジープのミリタリー・シリーズのヘリコプターと戦車を注文した。模造品なので3台でもフィアット一台の3分の2程度の出費だった。 レゴは組み立ててしまえば私には用がないので、キャデラックのピンクのレゴを見て、目を輝かせていたクッキーに進呈することにした。その喜びようはたとえようもないが、2~3日すると、キアンが組み立てた小さなジープを見て、しきりに欲しがっていた。なんとも欲張りな女の子だ。また、ココがレゴの部品を口に入れる恐れがあるので、部屋にレゴを置いてはいけないというオフレがママ・ジェーンから発令されたが、禁止事項を発令するのが趣味のようだ。 思い切って純正品を買って詐欺に出会って、懲りてしまったので、これからは安い模造品で十分と割り切ることにして、懐の心配が和らいだ。一方、レゴはほっておいても手に入るので、買い物好きのキアンは任天堂のゲーム機に狙いを定めており、クリスマスを指折数えて待っているようだ。そういえば10月も末で、あと1ヶ月ちょっとすれば、12月で一気にクリスマスムードになる。しかし、年内に封鎖が解けて、外出可能になってクリスマスギフトを買いに出かけることになる見込みは薄そうだ。そうなると相変わらずオンライン・ショッピングの世話になるしかないので、ちょっと気が重い。

レゴに挑戦 その3 商品が届かない 2020年10月20日



トランプ大統領もコロナに感染して3日で大統領選の戦線に復帰して意気軒昂だとか、ヨーロッパの二次感染が深刻であるとか、Go To TravelやGo To Eatの混乱、休業補償金の不正受給など世の中は相変わらずコロナの話題で持ちきりだ。フィリピンの感染者数も2000~3000人超で相変わらず収まる気配もなく、一次も2次もない連続する高台だ。この調子だと、年内の終息など夢物語で、私の仕事の糧の外国人の入国禁止が解除される見通しは全くたたない。 そうなると、自宅軟禁も年単位の長期戦に備えて、耐え忍ぶ生活ばかりではなくて、それなりの潤いがなくては長続きできない。仕事も学校もない生活では、楽しみは3度の食事だけだ。しかし、軟禁生活が半年も越えると、食事を準備するメイドもマンネリのせいか、手抜きも甚だしい。外食ができない状況で、食事ごとの落胆は辛いものがある。 私の毎朝の精進料理は、納豆と豆乳(自家製ヨーグルト用)、それに卵が日本食材店から姿を消して、モンゴ豆と牛乳、それにローカルの卵で代替しているが、精進とは言いがたく、早く脱却しないと体の変調をきたすのではないかと心配している。さらに醤油と味噌が品切れになった時は、世も末と危機感を持った。 それに、昼夜の食事は、ほとんど、イワシないしサバの缶詰あるいはぶつ切りの魚の煮物か揚げ物の繰り返して、食卓に座るたびに今日もかとため息をつく。子供達の食事についてはほとんど毎回、卵焼きにライス、それにコンビーフがついたら御の字だ。キアンは、私と同じ魚のぶつ切りについては私によこして、ライスに醤油をかけて済ますといった按配だ。 まさに貧困層か難民キャンプの食事でメイドにとってはそれが日常で、食べられるだけで幸せではないか、今は緊急事態なのだ、と思っているのかもしれない。かつては外食という手があって、毎週土曜、テコンドーとピアノのお稽古の後の日本レストランでのランチ他、週2~3回の外食でおいしいものが食べたいと思ったことはなかった。因みにママ・ジェーンは料理が得意で、彼女が用意した食事はなかなかのもので、満足できるのだが、せいぜい月に2~3回気が向いたときしかやってくれない。 そんな子供達の楽しみは、ミロとヤクルトで食事の後では欠かせない。ミロは大匙に数杯、ヤクルトは食事ごとに2本ずつ、楽しそうに食しているのを見て、コメントを挟む気にはならなかった。しかし、ここのところ、キアンの腹の出具合が異常になってきた。初めはライスの摂り過ぎだと思ったが、どうも、このミロとヤクルトに原因があるのではないかとにらんだ。 そしてミロを舐めてみると、やけに甘い。ヤクルトもしっかりと甘い。ミロもヤクルトも健康食品という認識があったが、フィリピン産はフィリピン人の嗜好にあわせて、たっぷりと砂糖を含んでいて、もはや健康食品とはいいがたい。そもそもキアンがデブになることを案じて決してソフトドリンクは飲ませず、当たり前のことではあるが、食事中は水だけだった。 しかし、ヤクルトという落とし穴があった。一日一本くらいならいいだろうが、毎食後、2本となったら話は違う。やけにミロとヤクルトが子供達に人気があると思ったら、これらはオリジナルとは似ても似つかぬ甘味食品となっていたのだ。ママ・ジェーンにそのことを伝えると、デューティー・フリー・ショップに行って砂糖が少ない輸入品を買ってくると豪語していた。もはや子供達にはこの二品は欠かせないというのだが、キアンに言わせるとヤクルトとミロはママ・ジェーンの好物であるとのことで、そこまでこだわることが解せた。 最近、食中毒にやられてしまった。午前中から軽い吐き気を覚えて、横になって、食欲もない。便も水のような下痢で、その夜に思いついて重曹を水に溶かして飲んだら、てきめんで、胃の中のものを全部吐き出した。それですっきりして、翌日はバナナだけで済ませて、夜にはすっかり元気になった。原因は、ローカルの卵を生で食したせいではないかと疑っているが、もともとフィリピン人は卵を生で食する習慣はないので、鶏卵の生産流通において衛生管理が十分ではない。日本食材店の卵であれば、生食を前提としているので、その点はしっかりしているものと期待され、その分、値段も倍はする。 首都圏封鎖がGCQに緩和された6月1日、レストランのテイクアウトやデリバリーが盛んとなった。早速、デリバリーを利用したいとママ・ジェーンに話したが、とんでもない、コロナを出前でとるつもりかと一蹴されてしまった。しかし、ここ最近、日曜ごとにパパ・カーネルがやってきて、子供達を連れ出して、必ず、マクドナルドからフライド・チキン・ライスをテイク・アウトしてくる。決してハンバーガーでないところが味噌だが、フィリピンではさすがのマクドナルドもジョルビーの看板メニューのまねをしているのだ。 マクドナルドからのテイク・アウトが許されて、他のレストランからのテイク・アウトが許されないのか、ふと疑問に思って、近所にある馴染みのとんかつ屋レストランからのデリバリーを提案した。キアンは早速、エビフライと醤油ラーメンとさけび声をあげた。キアンの食いものに対する執着はすさまじいものがあり、特に毎週末の日本料理レストラン巡りはキアンにとっての至福の思い出なのだ。 […]

出前で我が家の食卓に花が咲いた 2020年10月14日


ハーレーダビッドソンの組み立ても一段落して、FJクルーザーの組み立てに取り掛かった。これは模造品なのでキアンが興味を示さない。そのために、かえって私が自由に取り組むことが出来た。事務所はクッキーの邪魔が入るので、自分のベッドルームに舞台を移したのだが、ここもクッキーに占領されることになってしまったのだが、キアンがこなければ、クッキーも現れず、数時間レゴに熱中することが出来る。 ブロックもカチカチとはまって、台車部分はなかなか頑丈に組みあがって、部品の不足にもお目にかからない。しかし、フロント部分の取り付けに模造品であることの馬脚を現した。ある程度組み立てて本体にはめ込むのだが、どこにはめればいいのか良くわからず、適当にはめ込むと、別のブロックがこぼれ落ちるといった具合だ。 ドアの開閉部分の筒状のブロックが一個見当たらない。似たようなものがあったが、筒の端が詰まっていて少し長い。どうしても見つからないので、爪切りのやすりでこすってなんとかはめ込んだ。しかし、ドアを本体に取り付けてみると、斜めになってどうしてもうまくはまらず、ドアもきちっと閉まらない。 仕方がないので、後回しにして、他の部分をを完成させて、キアンに助けを求めた。キアンに説明している最中、キアンが手を触れるとやすりで削ったブロックがこぼれ落ちた。よく探してみると筒の端をふさいでいたブロックは別の小さなブロックがはまっていて、はずすことが出来たのだ。キアンは私のアホさ加減に開いた口がふさがらないという顔をしていた。FJクルーザーも仕上がりで部品がぼろぼろ落ちるという欠陥があって、達成感にしたるには今一だったが、少なくとも認知症予防の訓練効果には十分であるようだ。 続いてとりかかったのが、ムスタングの純正品だ。到着から数日間、コロナ除菌でお預けを食らったが、キアンのノリは半端ではない。オンライン授業で、先生のお小言があって、学校から退学させられかねないとかで、すかさずママ・ジェーンは月曜から木曜日までスマホの使用を禁止されてしまったためで、やることがないのだ。 先生のお小言というのはオンライン授業中にキアンがオンラインゲームをやっているというもので、私にその現場を押さえるように指示がママ・ジェーンから出た。本当だとしたら、キアンに強烈なお仕置きが施されるのは間違いない。 これは一大事と、熟考したのだが、キアンのオンライレッスンを後ろから見ていて現場を押さえるなんてことは、到底やる気はしない。そんなことをしたらキアンの私の信頼と愛着はもろくも崩れ落ちてしまうに違いない。フィリピン人で、私が絶対の信頼を置いて頼りに出来るのはキアンだけであって、私の将来、老後の生活の保障でもあるのだ。 そこで決意したのはキアンに状況を耳打ちすることだ。おかれた状況を知っていれば事の対処も可能だろう。因みにフィリピンでは罪を認めると有罪となって処罰される。「すみません、私がやりました。2度と同じ過ちは繰り返しません」という言動は最悪で、あくまでもシラをきることが大事なのだ。だからこそママ・ジェーンは私に現場を押さえるよう依頼したのに違いない。 キアンの試練に対して、私は友人として情報を提供する選択をしたわけだが、因みにキアンに聞いてみると「休憩時間にオンラインゲームをやっているのであって、授業中は決してやっていない」とシラを切っていた。本当のところはやっていたのかも知れないが、私にとっては、事の真偽はさほどの問題ではなく、子供時代には誰でもやっていた悪さの範疇にすぎないのだ。 キアンはムスタングに熱中して瞬く間に仕上げて、2日(2~3時間/日)で終わってしまった。隙を見て私も挑戦したが、3分の一しかやれなかった。ブロックの不足もなく、エンジンルームや室内も凝ったものでキアンの達成感はかなりのものだった。キアンは、私がやった部分は間違いだらけという馬鹿にするが、私には何がまちがいなのかわらない。一方、当方としては一週間を見込んでいたので、とんだ見込み違いで、次の注文品が届くまで間が空いてしまうことになってしまった。 次に注文したのが、フィアット500の純正品、ブロック数960個、約7000ペソ。多くの純正品は1万ペソを越えるのでなかなか手が出ない。こんなものでも適応年齢が16歳以上で大人用だ。 私の練習用には往年の名車、キャデラックとジープの模造品(それぞれ1300ペソ程度)を注文したが中国から来るので到着するのは2週間先だ。キャデラックは私が中学校の時、大いに夢を掻き立てたアメリカ全盛時代のアメリカンドリームを象徴したものだった。 ジープは、このシリーズの製品がたくさんあるので、試してみて良かったら買い続けようと思っている。模造品だから純正品の三分の一からご5分の一で済むし、キアンが興味を示さないので、あまり邪魔されることもないだろう。

レゴに挑戦、その2 2020年10月9日



10月1日からさらに一ヶ月間の首都圏の封鎖(GCQ)の延長が決定した。3月15日以来、ついに7ヶ月目に突入したわけだ。高齢者と子供の外出禁止も継続していて、私と子供達は自宅軟禁ノイローゼにかかりはじめている。一方、外国人の入国は、日本と同様、若干緩和の方向にあるようで、全容は不明だが、SRRV保持者については、至急に入国の必要性があり、かつDFA(外務省)の推薦があれば、入国可能という通知がPRAから発行された。添付PRA通知参照。PRAに申し込めばDOT(観光省)経由でDFA(外務省)に申し入れてくれるそうだ。この措置は、特にSRRVに限ったことはないようで、緊急な入国のニーズをDFA(外務省)がOKすれば、手持ちのビザないし新規に短期ビザが発行されるようだ。添付比大使館情報参照。 この長期自宅軟禁でもっとも被害を受けているのがクッキーだ。3歳になってやんちゃ盛りになったとたんに外界との接触を絶たれ、幼稚園で友達と遊ぶことも先生からお勉強を教わるなど、社会教育の第一歩を踏み出すことが出来ないでいる。そのため、持ち前のやんちゃのみが先行して、周囲に喧騒と苛立ちの公害を撒き散らしている。その被害をまともに食らっているのがキアン、そして私だ。 キアンのオンラインスクールが始まっのでクッキーの唯一の遊び相手が、平日の午前中はいなくなってしまった。学校なんだから邪魔しちゃ行けないよと言い聞かせても、ママ・ジェーンは、いつもオフィスにいるわけではないし、ヤヤ達もクッキーのお守りをしているわけにはいかない。結局、クッキーは事務所を遊び場にするしかない。私にとっても午前中は書類やブログ作成の大事な仕事時間だ。そうなるとクッキーは三輪車やスクーターで事務所内を走り回ってうるさいことこの上ない。さらに大声で歌を唄ったり、キアンも私も気が狂いそうになる。 おとなしいのはアイ・パッドを使っているときだけなのだが、ママジェーンのしつけの観点から、過度の使用を制限して、しょっちゅう電池が空で使えないように仕組んでいる。充電器を買ってやろうとしても、ママ・ジェーンは自分のアイフォンと共通にして、あえて不自由にしているので、不要だと断られた。口で言ってもきかないので、物理的にコントロールしようという魂胆だ。 三輪車やスクーターは本来、外で使うもののはずなのだが、そとは暑いからと室内で使うよう指導しているらしい。アイ・パッドもスクーターも、我々の騒音被害には目もくれないルールだ。かと言ってクッキーの入室を禁止したりクッキーを叱りつけても、ますます反抗してうるさくなるだけなので、強攻策を取ることもできない。そもそもコロナの外出禁止で一番可哀想なのはクッキーなのだ。そのために編み出したのが、耳栓だ。これさえあれば騒音に耳をふさいで自分の世界にとじこむことが出来る。 午後からは、キアンの算数レッスン、レゴの組み立てなどの時間だ。算数の時間は私が先生で、レゴの時間はキアンが先生だ。クッキーに取っては、私とキアンが親しげにしているので自分も仲間に入りたいので、色々ちょっかいを出してくる。この時は騒音だけではなくて、当方にとっては物理的な邪魔立てになる。いくら注意しても、やることはないから執拗に繰り返して、叱りつけることになるのだが、やはり効果はない。 さらに、キアンの宝物のポケモン・トレッタを買ってやったら、クッキーはわけもわからず、それを欲しがる。キアンが拒否すると目一杯の泣き声で、大騒ぎになって、もはや事務所にいることは不可能になる。一方、クッキーに買い与えられた三輪車やスクーターをキアンが使うと、大声で非難する。仕方なく、キアンに譲るように説得するのだが、キアンとしては、クッキーが憎らしくてしかたがない。しかし、そんな態度をママ・ジェーンの前で見せると、ママ・ジェーンの罵声がキアンに浴びせられ、事務所は騒然となって、私は自分の部屋に逃げ込むしかなくなる。 模造品のレゴにはキアンが目もくれないので、耳栓で周囲を遮断して一人でレゴの組み立てに熱中をしていると、クッキーがちょっかいを出してくる。ほとんど聞こえないので、知らん顔をしていると、スタンドの電気を消したり、テーブルを足で蹴ったり、いかに邪魔をしたら効果的か、良くわかっている。丁度、模造品のレゴが最終段階で組み終わった途端にあちこち壊れて、苛立ちの頂点にあったときで、爆発寸前だった。こうなると私が事務所でレゴをすることは、かえって脳を痛めかねないので、自分の部屋を模様替えして、小さなレゴ専用作業スペースを作ることにした。 しかし、そこで作業を始めると、早速クッキーが目を輝かせて入ってきて、同じことになってしまった。キアンの後をついて回るしかやることがないクッキーだから当然のことではある。ここにはドアがあるので鍵をかければ入ってこれないのだが、まだ3歳のクッキーの立場に立ってみると、それはあまりにも残酷だという気がして実行できない。ママ・ジェーンもそれは止めてくれと言う。子供の頃、近所の家でそれをやられて大いに傷ついたことがあるそうだ。原因は、その家の子もいつも張り倒していたためだそうで、クッキーは自分と瓜二つだから、可哀想だと、勝手なことを言っている。 結局、舞台は事務所から私の部屋に移っただけになってしまった。それで、キアンにレゴを任せて、耳栓をしながらテレビで字幕映画を見ていると、クッキーが耳元で大声で怒鳴った。これにはたまらず堪忍袋の緒が切れて、クッキーの手を引いて、階下のママ・ジェーンの部屋に連れて行った。こんなとき、クッキーは素直についてくるので、確信犯でないのかという気がする。 クッキーの公害は、ますます度を増すばかりだが、クッキー語録ともいえる名言に一同が盛り上がっている。曰く、ヤヤに対して「私のことを愛している?愛しているなら、私をおんぶして、階段を10回上り下りして証明して頂戴」。3歳児の発想というより、思春期の性悪女の言い草だ。さらに「ダダ(私のこと)はBack pain(腰痛)とUTI(Urinal Tracking Infection、尿道炎)だから、家から追い出して介護施設へ送り込んだほうがいいんじゃないの」。人を馬鹿にするのも甚だしいが、因みにUTIは最近自分が患った病気だ。最近、私が煙たがって相手にしないことを大分恨みにに思っているようだ。

クッキーはコロナ公害なのか 2020年10月5日