先日、ショッピーのオンライン・ショッピング・サイトで発注したキャデラックとジープのレゴは、模造品なので中国から発送され、時間がかかる。待ち蹴れないので、フィアット500の純正品を大枚7000ペソをクレジットカードで支払って購入した。純正品ならマニラにストックされているので、数日で届くはずだ。しかし、どういうわけかキャデラックとジープが届いてもフィアットが一向に届かない。キャデラックとジープの組み立ても終わって、発注から10日ほどしてやっと届いたのが、なんと黒い袋にピンクの小さなゴムのバネが一個だけだった。しかし、伝票はしっかりついていて、ショッピーのサイトのお知らせを見ても配達済みとなっておりその確認を求めてきている。 荷物を受け取ったヤヤも何がなんだか訳がわからないで、そのまま受け取って天日干しにしてあった。私が、それを見てキアンと事の次第をきいて、やっと詐欺にあったのだと認識できた。そこで、ショッピーのサイトを良く見ると到着確認の他に返却ないし返金のアイコンがあって、さらに理由は「商品が届かない」として空の袋の写真とピンクのバネの写真を送った。他に商品が気に入らないとか、壊れているとか、部品が不足しているかなどあるが、この場合、あきらかに意図的な詐欺行為であるので、売り手との議論の余地はない。こういう事態にどうショッピーが対応するか、この辺がオンライン・ショッピング・運営サイトの腕の見せ所と、ちょっと楽しくなってきた。 息子の話によると、ショッピーは個人の売り手も商品を掲載することができて、この手の詐欺が横行しているらしい。したがって、商品を購入する時は売り手を吟味して評判の良いところから買わなければならないとのこと。さらにCOD (キャッシュ・オン・デリバリー)が原則とのことだが、当方は現金がなく、ATMで引き出しにいくことも出来ず、さらに配達員からお釣りをもらうのはコロナ感染防止の観点から望ましくないということで、クレジットカードを使って前払いせざるをえなかったのだ。 その日の内にE-メールで返答が来て2日間売り手から反応がなければ自動的に返金を承認するとのこと。文面からショッピーの売り手への支払は、商品の到着と受取を買い手に確認してから行なう仕組みになっているようだ。私の商品が届かないというクレームに対しては何のコメントもないので、コンピューターでの自動返信のような気がする。 空の袋だけでは売り手も議論の余地もなかろうと思うが、案の定、何も連絡も無しに2日間は瞬く間にすぎた。3日目の夜中に、返金を決定してすでに私のクレジットカードに返金したというお知らせがオンライン・サイトに来ていた。夜の12時過ぎだから、どうもこれもコンピューターの仕業らしくて何のお詫びもない。しかし、ここまでは順調に推移したのだが、最後の詰めとして本当に返金が実行されるかどうかだ。 よく月曜日、早速クレジットカードを発行しているバンク・オブ・コマースの馴染みの支店長にお金が戻ったかどうか問い合わせたが、支店ではクレジット・カードの記録にアクセスできないので、カスタマー・サービスに連絡を取って欲しいとの返事。私の苦手な電話での問い合わせなのだが、やるしかない。 携帯では音声が途切れるのでランドラインを使って、キアンのオンライン授業が終わった午後から意を決して問い合わせに挑戦した。案の定、自動音声でこの場合は1番、あの場合は2番、と私の苦手なアメリカン英語で流暢に早口でまくし立てる。何回かかけてようやく生の声にたどり着いて、長々と状況を説明して、記録を調べてくれたが、まだ返金の記録はないと言う。たしかに日曜の早朝にショッピーから返金の通知が来て、まだ月曜だから無理かもしれない。しかし、この電話での問い合わせを繰り返さなければならないというのはなんとも苦痛だ。 一方、ショッピーのオンラインサイトを眺めてみると、件の詐欺士の出展が相変わらず掲載されている。ショッピーとしてこのようなけしからぬ輩を排除するという姿勢はないようで、マニュアルにしたがってこのようなクレームを処理するだけらしい。その後、サイトを覗いてみると本件に関して新たな通知が来ていて、返金には7~14営業日が必要とのこと。最初の通知ではすでに実行済みとあったが、とんでもない実行済みだ。これでしばし憂鬱な電話をしないでも良いのでほっとした。 11月13日追記:そして14営業日が経過して、いよいよサービスセンターに電話した。あそこまで返金するとアナウンスしているのだから、すでに返金されているのであろうが、それでもまさかの時に、返金されていないとしたら、支払をストップするなどの対抗手段がとれない。その後、それを取り返す努力は多大なものになって泣き寝入りということもあるだろう。そうなるとたかが7000ペソとはいえ一生の不覚として一生忘れられないメモリーになる。ということで、電話をしたら、前回の翌日には返金されてたとのこと。案ずるより生むが安し、ということわざのとおりだった。 ところで、レゴの組み立てについては、キャデラックとジープに取りかかったが、両方とも純正品に引けをとらない、部品は完璧であり、出来上がりも部品がぽろぽろ落ちてしまうこともなく完成した。模造品であるので、キアンはキャデラックの組み立てには全く興味を示さず、私だけがじっくり取り組んで完成することができた。ジープは平日は携帯の使用を禁止されたキアンが暇をこいて、取り組んでたったの2時間で終えてしまった。感想は、模造品を嫌っているので、ためらいながらも完璧と評していた。 したがって、次回はキャでラックの片割れとジープのミリタリー・シリーズのヘリコプターと戦車を注文した。模造品なので3台でもフィアット一台の3分の2程度の出費だった。 レゴは組み立ててしまえば私には用がないので、キャデラックのピンクのレゴを見て、目を輝かせていたクッキーに進呈することにした。その喜びようはたとえようもないが、2~3日すると、キアンが組み立てた小さなジープを見て、しきりに欲しがっていた。なんとも欲張りな女の子だ。また、ココがレゴの部品を口に入れる恐れがあるので、部屋にレゴを置いてはいけないというオフレがママ・ジェーンから発令されたが、禁止事項を発令するのが趣味のようだ。 思い切って純正品を買って詐欺に出会って、懲りてしまったので、これからは安い模造品で十分と割り切ることにして、懐の心配が和らいだ。一方、レゴはほっておいても手に入るので、買い物好きのキアンは任天堂のゲーム機に狙いを定めており、クリスマスを指折数えて待っているようだ。そういえば10月も末で、あと1ヶ月ちょっとすれば、12月で一気にクリスマスムードになる。しかし、年内に封鎖が解けて、外出可能になってクリスマスギフトを買いに出かけることになる見込みは薄そうだ。そうなると相変わらずオンライン・ショッピングの世話になるしかないので、ちょっと気が重い。