最近、ある退職者の方から、「2023年1月15日に退職ビザを取り消しを申請したのだが、4月16日に完了するとPRAに告げられたが、4月末になっても完了せず、帰国するめどが立たず、ひどい目にあっている。」との連絡があった。「PRAを再三、つついてはいるのだが、PRAの担当者は、申請が多くて、遅れていると、言い訳するだけで、らちが明かない。」とのことだ。 その方が、日本大使館に相談しても、「同じような相談が何件かあり、対応に苦慮している、フィリピン退職庁のリタイアメントビザは解約手続きにトラブルが生じる可能性がありお勧めできない、このまま手続きが滞るようなら、代理人や弁護士による交渉を検討してはどうか。」と匙を投げられた格好になってしまったそうだ。さらに、大使館は、「SRRVのビザの取消手続きがこれほど時間を要するのは、フィリピンイミグレーションではなく、PRAの手続きが意図的?に滞っているためではないか」ともコメントしていたそうだ。 退職ビザ申請の代行サービスを生業としている、私にとって、この情報は聞き捨てならないものだ。大使館のコメントに関しても無責任も甚だしい。確かに退職ビザの取り消しに時間がかかっているのは間違いない事実で、パンデミック前は2か月程度でパスポートが戻ってきていたが、パンデミック中は3~4ヶ月かかるのが常態化していた。パンデミックの規制による、業務時間の短縮、非効率化にまして、取消申請の増加が拍車をかけているようだ。しかし、時間がかかることを見越して、申請時にそれなりの対応をしておけば、例え、思惑通りに手続きが終わらなくても慌てる必要はない。 コロナのパンデミックで、退職ビザの発行停止、外国人の入国禁止などの措置で、退職ビザの新規申請が途絶えて、私のビジネスも風前の灯だった(2022年2月の入国緩和以来復活しているものの、いまだ出足は鈍い)。それを辛うじて支えてくれたのが、退職ビザの取り消しの代行サービスだった。したがって、これだけはパンデミック中も途絶えることなく継続していたが、顧客の様々な状況を踏まえて、いかに取消し申請を滞りなく進めるかが知恵の絞りどころだった。取消申請にまつわる問題の主なものは下記のようなものだ。 ・日本在住で、しかもパンデミックでフィリピンを訪問することはできない ・海外出張等でパスポートを長期に預けることはできない ・退職ビザのシールが貼ってある古いパスポートをなくしてしまった ・ビザ預託金の証書をなくしてしまった、あるいは、どこの銀行にビザ預託金が預けてあるのかわからない ・速やかに日本に帰りたいので早急に取消手続きを終わらせたい、 などなど、問題が無い方は返って少数派だ。 これらの問題を踏まえていかに作戦を練るかが、私の仕事だ。練り上げたストーリーに沿って申請書類を準備して、署名、公証、アポスティーユ(外務省認証、日本で署名した場合)を取得してもらって申請すれば、後は「果報は寝て待ての」諺に沿ってゆったりと待つだけになる。 退職ビザの取消申請は添付のSERVICE REQUEST FORMに必要事項を記入して、退職ビザシールの貼ってあるパスポート原本とPRA IDカード原本を添えて申し込むだけでOKで、きわめてシンプルだ。Affidavit of […]