2020年初頭に始まったパンデミックの直前、2019年11月9日に生まれたゴメス・ヤン一家の末っ子のココが5歳の誕生日を迎え、来年は小学校に行くという。パンデミック中は、いつになったらパンデミックは明けるのかと半ば絶望の淵にあったが、パンデミック中に幼児期を過ごしたココが小学校に入学間近と言う。時が流れるのは、済んでみれば早いものだ。 ココの幼児期は、まさにパンデミックのまっただ中で、18歳未満の子供と60歳以上の年寄りの外出は禁止されていた。今になって考えると戦時中でもあるまいし、信じがたい状況であり、それが数年にわたって続くなんてことは想像に難かった。ココにとっては、家の中に閉じ込められて、近所の子供達と遊びまわることもできなかった。しかも、一家が疎開していたタガイタイでは、家族がマニラに行っている間は数日から一週間、ヤヤと二人きりで過ごすことも多かった。そのためか、話始めるのが極端に遅れ、2歳になっても身振りで合図することが多く、呼びかけにも反応が無かった。 そのため両親は自閉症ではないかと心配して、特殊学校に週2回通わせて、言葉を使うよう指導してもらった。その効果が出たのか、言葉がみるみる上達して、2年もたつと、やかましいほどのおしゃべりになった。しかし、残念なことに、私にとってココの喋る言葉は、英語ではあるものの、2割程度しか理解できない。しかし、時々、はっきりと聞こえて、Where are you going など、しかと英語をしゃべっていることには間違いない。 性格的には、兄のクヤ・キアンと似ていて、実に陽気で活発で人懐っこい。だから私はキアン・ジュニアと呼んでいるが、パンデミックも明けて幼稚園に通い、他の幼児と交わるようになってから、彼本来の性格が目立つようになった。ヤンチャで誰彼となく声をかけて、すぐ友達になってしまう、キアンの子供のころを見ているようだ。そういえば、顔も体つきもキアンの小さいころと瓜二つで、裸で過ごすところもそっくりだ。 真ん中のクッキーはヤンチャとはいいがたく、何か理解しがたいところがある。多分、女の子を育てた経験のない私にとって未知の領域であるらしい。その点、ココは、おもちゃを買ってやっても素直に喜んで、もっと買ってくれとせがむ。まったく、キアンと同じく、当方の期待する反応を示す。子供の喜ぶ顔を見るのが、私にとって最大の喜びなのだ。 そんなわけで、ココにおもちゃを買ってやるのが私の日課になっている。単なる車や飛行機のおもちゃではすぐに飽きる。トランスフォーマーにように車とロボットに変身するのが面白いようだ。さらにレゴの組み立てにも興味を持ち始めた。部品数が30個程度、4歳以上となっているものは50ペソ程度で負担にならない。逆に部品数100個以上で、6歳以上となっているもは100ペソ以上だが、ココにはまだ歯が立たない。 4歳用のおもちゃは設計図を見ながら、瞬く間に組み立ててしまうが、それはそれで達成感があって、満足するようだ。だから、幼稚園から帰ってくると、私の部屋にやってきて、トーイ(Toy)と催促する。そう毎日買いに行くわけにいかないので、少し買いだめしておくと、それをかぎつけて、部屋中を探し回る始末だ。 しかし、一か月もたつと、買い尽くしてしまって、ネタ切れになる。ドンボスコの対面にある行きつけのウオルターマートには、キアンの出迎えの後、簡単によれるので都合が良い。そこにはMr. DIY、MINISO、デパートと3か所でおもちゃを売っている。さらにMakati Cinema Squareモールには、やはり、キアンのプラスティックモデルを売っているHobbies、中古本屋、地下のおもちゃ屋と3か所があるが、それらを回り歩く羽目になるが、それはそれで楽しい。 […]