最近、食の常識が覆され、今まで見向きもされなかった当たり前の食品が見直されている。カカオ(チョコレート)、コーヒー、バナナ、パパイヤ、ナッツ類などなど、そして、その際たるものがココナッツ・オイルだ。日本でも、今やブームとなっており、その効用が、Yahooのサイトでも頻繁に取り上げられている。
一方、コレステロールや血圧の上限値が上げられ、しかも脂肪の摂取や塩分の摂取と関係がないという考えが主流になっている。このため、数百万の人々が高脂血症や高血圧から解放された。そのため、悪玉の塩や脂肪が無罪となるなど、今まで唱えられきた食の常識が見直されている。そんなときに注目を浴びたのがココナッツ・オイルだ。
先日、日本に帰った折、家族に持って帰ったのが、バージン・ココナッツ・オイルだ。一リットル380ペソ(約1000円)は安くはないが。日本では格安だ。さらに、そのココナッツオイルで作った石鹸は透明でいかにも自然の手作り石鹸だが、肌に優しいと評判の石鹸だ。
10年ほど前、アメリカではバージン・ココナッツ・オイルが高値で取引されており、フィリピンで小さな工場を立ち上げたいとアメリカ人の退職者が話をしていた。その時は、半信半疑で聞いていたが、従来、アメリカでは大豆やコーンの植物油を売り込むために、ココナッツオイルのパッシングが行われ、ココナッツ・オイルは毒物扱いをされていたそうだ。その結果、植物油で揚げられたフレンチフライやポテトチップの食べすぎで、肥満や糖尿病がアメリカそして全世界に蔓延した。ところが、その後、ココナッツオイルの有用性が見直され、逆にブームとなっていたらしい。ちなみにバージン・ココナッツ・オイルとはバージン・オリーブ・オイルと同様、実を絞っただけのもっとも自然な製法によるオイルだ。
フィリピンでは、米を栽培できない斜面など、国土の大半がココナッツの木で覆われていると言っても過言ではない。ご多分にもれず、我が農場でもココナッツの木が100本ほど植えられている。ココナッツの木は、肥料もやらずにほったらかしにしておいても、数十年間、一年中、実をつけ、捨てるところがないというすぐれものの木だ。しかも、強烈な台風がきても、実と葉を落とすだけで、幹は折れず、たくましく生き続ける頼もしい存在だ。
ジェーンの保有するレガスピ市の丘の上の土地から後ろを眺めると延々とココナツ林が続く。農園のココナッツの木は、10年目を迎え、たわわに実をつけている。
ココナッツの若い実は、ブコ・ジュースと呼ばれる透明の液体で、そのまま飲むことができる。ポカリスエットをあっさりさせたようで、まさに天然のスポーツ飲料といったところだ。さらに実を割ると、内側に柔らかなゼリーのような白い実がついており、スプーンですくって食すことができ、ほの甘く子供達のおやつの定番だった。しかし、最近は、ご多分にもれず子供達はポテトチップなどのジャンクフードを好んで食べている。
ブコ・ジュースを売る屋台は街のいたるところで見かける。1個25ペソ、20年前は2ペソだったがずいぶんと値上がりしている。田舎ではこのブコ・ジュースがソフトドリンクのかわりにのどをいやしてくれる。
ココナッツは十分熟すと茶色になり、中は白い硬い実が1cmほどの厚さになる。これを細かく砕いて、そまま料理に使ったり、あるいは、水を加えて絞ってミルク状(ココナッツ・ミルク)にして料理の味付けに使う。また、ココナッツ・オイルもこの実から取れる。南の国の料理と言えば、このココナッツ・ミルクで味付けるのが定番だ。
ココナッツの実は熟すると茶色になり、料理用のココナッツ・ミルクやココナッツ・オイルの原料となる。左の写真は熟して、芽を出しているココナッツの実、右は、マーケットでココナッツ・オイルを絞っている職人さん。
農場の面倒を見てもらっているマミー(ジェーンの母親)にバージン・ココナッツ・オイルが日本で脚光を浴びている話をした。身近にあり、日常、食しているココナッツが、奇跡の食品と聞いて、マミーはご機嫌だった。
その効能と言えば、心臓病、脳溢血、認知症、糖尿病、癌などありとあらゆる生活習慣病に有効で、おまけにインフルエンザやエイズ/肝炎などのウイルス感染、さらにはアレルギー疾患にも効果があるそうだ。さらに、ダイエットばかりでなく、にきびや老人斑などの肌の手入れいにも有効だそうで、特に石鹸やシャンプーなどの薬用品の影響で潤いや感染防止力を失った肌に塗ると若々しい素肌を取り戻せるという。まさに、健康の秘訣、アンチエイジングの秘薬というものだ。
ココナッツ・オイルは中鎖飽和脂肪酸とかいうもので、酸化しにくく、高熱にさらされても変質せず、体の老化を防ぐ抗酸化作用があり、揚げ物に使っても、その効能はかわらないそうだ。価格は一般の植物油と同じ1リットルあたり100ペソ少々だが、バージン・ココナッツ・オイルとなると400ペソ程度にはねあがる。
そのため、我が家からは、大豆油やコーン油は姿を消し、料理用には無味無臭のココナッツ・オイルを使い、ドレッシングや食用にはバージン・ココナッツ・オイルを定番とした。また、以前から、ブコ・ジュースは毎日買い求め常飲することにしており、砂糖たっぷりのソフト・ドリンクは子供達を含めてご法度だ。また、私自身、毎晩、バージン・ココナッツ・オイルを体中に塗って床についている。
バナナやパパイヤは健康食品として、もはや定番だ。熱帯は人類発祥の地のせいか、ほとんどすべての果物が健康食品の王様だ。
かつて、マゼランが南太平洋の島を発見したころ、原住民はみな、健康な体をしており、現代の生活習慣病などとは無縁だったそうだ。それはココナッツを食の基本としており、その60%のカロリーをココナッツから摂っていたためだそうだ。しかし、西洋的な食文化が普及して、住人は心臓疾患や糖尿病など、生活習慣病を患う人が激増したそうだ。
先日、退職ビザを取得するために訪問したご夫婦は、奥さんが難病(膠原病)だそうで、車椅子を使っていた。奥さんの介護のためにフィリピン永住を覚悟したそうで、ご主人のかいがいしい介護振りに感動した。
その奥さんの主治医は難病に取り組む有名な医師だそうで、西洋医学が対処療法だけで本質的に病気を治すことができないことに失望し、あるゆる角度から病気に取り組む名医だそうだ。その名医が、奥さんにバージン・ココナッツ・オイルを処方しているとのことだった。まさに、こんな名医にも認められている軌跡の食品がココナッツ・オイルなのだ。
熱帯でもっとも気軽に栽培できるのがランカ(ジャックフルーツ)だ。日本の柿の木のようにどの家の裏庭にも植えられている。この果物は世界で一番大きい果物であり、一個あたり数十キロに達する。味は、ドリアンをあっさりさせたようで、未熟のランカは野菜としても食される。これも近い将来奇跡の果物として脚光を浴びる日が来るに違いない。
志賀さん、こんにちわ。今回のブログも興味深く読ませてもらいました。
最近、日本ではマーガリンが非難の目で見られています。
ここ3年で、アメリカでマーガリンがご法度になるそうで、日本でも見直されているからです。実際、マーガリンの安売りが目立ちます。
アメリカ人の死因の第一位はなんといっても、肥満。もう待ったなしの状況で、これ以上の放置はできないようで、抜本的な制御が必要になってきたとか。
フィリピンの人達は、まだまだ警戒心も低く、ときどき同じ東洋人とは思えないような体型の人をみますね(日本でもですが)。おっさん連中もTシャツの下半分をめくりあげて、せりでた腹を誇示するかのようにしています。
月末にまたマニラに行くので、私もココナッツオイルを探してみようと思います。